防波堤に打ち寄せて
砕ける波を見てた
海の色に震えては
急いで走り去った

悲しい程 自由
防波堤の上
車の窓から見下した時
空と海の間 遠く
ひとすじの稲妻が走った

扉(ドア)を開けて 人に出会い
恋に落ち 誰かと眠る
期待されて 裏切られて
信号が変わるのを待っている

ラジオ聴きながら 朝を待つ夜
遠くに波の音 聞こえてくる
語る言葉 見つけられず
聞く人は誰もいない夜

悲しい程 自由
防波堤の上
今日も 独り立ち竦(すく)む
風よ 不意に俺の背中
押すがいい 躇(ためら)わないで


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