あましずくとマクガフィン

せまいゆりかごから
ポツリポツリとふる
それはあたらしいいのちのよろこび?
それともかなしみのさけび?
えそらにしずむ
あめはやまないのに
ここにはなみだもなくて
きずついたボロボロのかさをさして
さあ、なにをさがしにいこう?
みすたまりのゆれるころ

さかさまのクピドが
いたずらにほほえむ
「きみじゃない」

あめはやまないけど
それでもあさはくるかな?
いまもまだずぶぬれのまま
いくつものよるにおびえてるの
またたくこともわすれて

あおとしろをなくしたそらに
かわらないあしたをうかべて
ふれた「とうめい」は
ぬくもりでもつめたさでもなかった
きみのみるせかいで
ひびかないこえなら
そこにぼくのいる　いみはあるのかな?
ないとしても
ただまわるはぐるまのひとつでありつづけよう

おぼろげなあかりが
ひとつふたつとまたきえる