<杯には毒が忍ばされていた。華やかな活躍の裏、一部の
人間の嫉妬や羨望の的となっていたキャスリーン。壇上
で倒れたまま生死の結界を彷徨い、これまでの人生が走
馬灯のように蘇る。自分の人生は誰の為のものだったの
か…。>

(天使の声:)"Vieni, Kathleen, Vieni, Kathleen, consola
chi si more mia bella Kathleen"
‐おいで、キャスリーン、こちらへおいで美しいキャスリー
ン。さあ死にゆく者を慰めましょう‐

忍ばされし毒 飲み干す杯…崩れ落ちて
白いドレス広がる真紅の模様

彷徨う 汀(みぎわ)生死の結界
Ah それは激しい騒擾(そうじょう)…

聞え来るささめきは天使の声と 無窮への縁から

"Is this the end of life?" 胸に過(よ)ぎる漠とし騒めきに
抑え切れぬ 止めどない涙 この無念さは
煌びやかな舞台に立つ 羨望の裏側
恩讐の呼び水と いつも孤独
今 刹那を知る

樹々の嘆き 夜の溜め息よ
夢淡き心 誘いて…

"Is this the end of life?" 胸に過ぎる漠とし騒めきに
抑え切れぬ 止めどない涙 この無念さは
煌びやかな舞台に立つ羨望の裏側
恩讐の呼び水と いつも孤独
今 刹那を知る

"Is this the end of life?" 胸に過ぎる漠とし騒めきに
抑え切れぬ 止めどない涙 この無念さは
やがて言の葉奪われし 幽玄の詩情に
冴え染められてゆくの その頃に
今 刹那を知る

遠退く意識の中…

孤独と寂寞(せきばく)の中、ようやく自らを恢復(かいふく)
せめてこの佳き数行が人々に夢与えしめ給わんと

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