2017-09-12
秋に聴きたい切なくなる5曲
あのうだるような夏の暑さもどこへやら、いつの間にか秋の気配がひたひたと迫って来ました。というか、昼はTシャツ1枚で余裕なのに、夜になるとグッと寒くなったり、時折雨もやたら降ったりと、今年の東京の夏は不思議な天気が続きました。そんなこんなで、夏フェスシーズンも落ち着き、いろいろと新譜リリースラッシュの中、秋に浸りたくなるような、切ない5曲を選んでみました。
■1. 「花-0714-」(’13)/MY FIRST STORY
繊細なギターのアルペジオに被さる美麗なピアノとストリングス。出だしからグッと心を奪われるイントロ。歌詞にもある通り、100年先も君と一緒にいたい!という気持ちをストレートに書き綴った楽曲。他にもかなり具体的に描写されているので、この曲はラヴバラード…いや、完全に求婚ソングと言っていいだろう。とてもおめでたい曲なのだが、狂おしい感情を乗せたHiro(Vo)のヴォーカルはどこまでも切ない。相手を求める感情は一方通行になりがちで、言ってしまえば、全てにおいて「永遠」はあり得ない。それでもなお、ふたりの「永遠性」を追い求めるエモーションに胸を打たれる。
■2. 「sayonara fantasy」(’17)/魔法少女になり隊
ラウドロックとユーロビートを掛け合わせ、アグレッシヴなライヴで人気上昇中の男女混合4人組。ファミコン世代ならば、ニヤッとするゲームのオマージュも散りばめ、暴れて踊れて聴いて良し!の間口の広い曲調も魅力のひとつ。今回取り上げるのは3rdシングル「ヒメサマスピリッツ」のカップリング曲だ。和をモチーフにした表題曲も素晴しいし、TVアニメ『うる星やつら』オープニング曲「ラムのラブソング」のカバーも秀逸だけど、この曲はダンサブルなビートにセンチメンタルなメロディーを乗せ、さわやかなのに切ない心情をかきむしられてしまう。いい曲です。
■3. 「Hiding」(’17)/the arounds
パンク、ロックンロールの良質なエキスを汲み取ったWiTHMYFOOTのフロントマン、ARA(Vo&Gu)を中心に08年に結成された4ピースバンド。今年5月に出た1stアルバム『STARTING AT THE LIGHT』は従来の骨太ロック路線を継承しつつ、キャッチーなリフやメロディーもフック十分で、1度はまれば絶対に抜け出せない魅力に溢れている。今作から英語詞に加え、初めて日本語詞を4曲導入している。特にこの曲は壮大なスケールで聴き手を包み込んでくるスローナンバー。ARAは日本人の琴線を直撃する憂いを帯びた声色の持ち主だが、この曲は切ない美メロがさらに際立っている。
■4. 「Goodbye To Romance」(’80)/OZZY OSBOURNE
オジー・オズボーンのイメージは未だにステージ上でコウモリを食いちぎるとか、物騒なエピソードが引き合いに出されることも多い。けれど、不世出のギタリストを発掘し、名曲を数多くリリースしてきた事実は看過できない。ブラック・サバス時代は言うまでもなく、ソロキャリアを歩んでからも名作をたくさん発表してきた。個人的には初代ギタリスト、ランディ・ローズとともに世に放った2枚のオリジナルアルバム『BLIZARD OF OZZ』、『DIARY OF A MADMAN』、ライヴ盤『TRIBUTE』はメタル史に燦然と輝く名盤と言っていい。心の残るバラードにも定評があり、特にこの曲は他界したランディに思いを馳せると、より一層染みてくる。やさしいオジーの歌声、それにより沿うランディのプレイにじっと耳を傾けてほしい。
■5. 「Angel」(’87)/AEROSMITH
エアロスミスと言えば、映画『アルマゲドン』に使用され、全米シングルチャートでも堂々たる1位を飾ったパワーバラード「I Don't Want To Miss A Thing」が有名だろう。これは世代によって分かれるだろうが、1stアルバム『野獣生誕』(73年)収録でシングルカットもされた「Dream On」、はたまた11thアルバム『GET A GRIP』(93年)収録の「Cryin'」を挙げる人もいるかもしれない。個人的には9thアルバム『PARMANENT VACATION』(87年)収録のこの曲が一番のお気に入り。甘くも切なすぎるバラードで、ふとした時に聴きたくなる。珠玉の名バラードだと信じて疑わない。
【関連リンク】
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Ozzy Osbourneまとめ
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