2014-08-20
Kidori Kidori、マニアックでありながらキャッチーに仕上がった
昨年7月にミニアルバム『El Blanco』をリリースし、バンド名表記を新たにしたKidori Kidori。1年振りにリリースされた、2人体制になって初のミニアルバム『El Blanco 2』について、マッシュ(Vo&Gu)に訊いた。
──昨年7月にミニアルバム『El Blanco』をリリースしましたが、聴いた方からの反響なども踏まえて、今改めて振り返ってどのような一枚になったと思いますか?
「反響はどの程度あったか分かり兼ねますが、収録曲である「Watch Out!!!」はライヴの定番曲になりました。タイトルとは裏腹に色とりどりの楽曲が揃った面白いものになったと思います。」
──リリース後、バンドとしてはどのような変化があったのでしょう?
「ひとつはバンドの表記が変わりました(笑)。決意があってそうしたので、心持ちも大きく変わったと思います。ライヴに対する姿勢や楽曲へのこだわりなど、数えるとキリがないです。」
──そして、前作から1年を経てリリースされるミニアルバム『El Blanco 2』はふたりになってから初のミニアルバムというところで、意識や制作に関しての違いはどのようなことがありましたか?
「前作は、気持ちを新たに真っ白な土台で勝負したいと思っていたのですが、今回は“白”とはどんなものなのか、ということを考えて作りました。視覚的か否かというか、“白という色について”です。制作に関しては、寂しい気持ちもありましたが、サポートで弾いてくれている藤原寛さんが今作に参加してくれて、すごいベースを弾いてくれたので、思っていたより苦労しませんでした。」
──「Mass Murder」は、3月に会場限定でリリースした『El Negro』にも収録されていますが、ライヴなどでの手応えはいかがですか?
「これが非常に面白くて、途中、ギター&レスポンスを挟むのですが、昔の洋楽にあったスタジアム感が若者には新鮮に感じられ、その親御さんは懐かしい気持ちになるという、いわば親子二代で楽しめる楽曲になりました。」
──上京を決意した時に書いたというリード曲の「Come Together」は、どのような曲にしようと思ったのでしょうか?
「僕自身、流行っているビートに少し聴き飽きてきていたので、ここはひとつ、4つ打ちのポリリズムの曲を作ろうと思っていました。」
──「El Blanco」はミニアルバム2枚目にして表題を冠した楽曲ですが、どのようなイメージや思いから作られたのでしょうか? また、出来上がってみてどのような一曲になったと思いますか?
「既出の通り、今作は色としての白がテーマなのですが、白には二面あって、ひとつは冷たい印象を持つ面、もうひとつは温かい印象を持つ面で、この楽曲はその冷たい面について歌っています。サウンド的には前々から取り入れてみたかった民族楽器を使って、面白くて温かいサウンドを出すことに成功しました。冷たいこと…というか、この曲の場合は虚無感が主題なのですが、その中にある温かみの音だと思って聴いていただけると嬉しいです。」
──「テキーラと熱帯夜」は唯一の日本語詞で、フォーク調なところに意表を付かれました。
「聴く人によっていろんな感想をいただいてますが、この曲をベストトラックだと言う方もいて、“面白いもの作ったかも”と思ってます。確か、作曲に行き詰まって藤原さんに相談したら、“弾き語りで名曲を作るのを目指すとか?”とアドバイスをいただいて、そこから作ろうと思いました。」
──他にもホラー感を漂わせるメタルナンバー「Zombie Shooting」からポップな「99%」まで、さまざまな楽曲が収録された一枚になっていますね。
「マニアックな面が全面に出てしまったと思う反面、それをキャッチーに仕上げてやったと感じています。聴く人によって、“この曲が一番良い!”と思う曲がバラバラになりそうで、早くみなさんに聴いてほしいです。」
──作り終えて、何か発見できたことはありましたか?
「薄々思っていたことなのですが“エロいヤツはすごい”という点と、感情は音に出るということです。」
──今作の中でも、思い入れの強い楽曲はどれになるのでしょう?
「もちろん全部というところですが、やはり「Come Together」は一番素直に自分の気持ちを歌えているので、思い入れが強いです。」
──特に注目してほしいところなどがあれば教えてください。
「このバンドがいかに特殊であるか、という点です。それは聴いていただければ分かっていただけると思います。」
──そんなKidori Kidoriは、改めてどのようなバンドだと思いますか?
「ひと言では語り切れないバックグラウンドがあって、でもそれが嫌味にならないポップさがあるんじゃないかなぁ~と思っています。なんだかドロンボー一味みたいなバンドです(笑)。」
──今作を引っ提げて、レコ発ツアー『タデ食う虫もウキウキツアー』を行ないますが、その意気込みは?
「恥を承知で申し上げますが、ツアー名は語感が第一でした。ですが、もちろん、ライトなヤツもマニアなヤツも揃って楽しませてやるべ~って気持ちです。」
──最後に、伝えたいことやメッセージがあればひと言お願いします
「いろいろあって、ご心配おかけして申し訳ないです。でも、我々は本当に大丈夫です。それは、今作を聴いていただけると分かると思います。なので、ぜひ今作を聴いて、願わくば、ツアーにも遊びに来てください。心からお待ちしております。むしろ、“ここからだ!”ぐらいに思っているので、目を離さないでほしいです。よろしこ。」
取材:高良美咲
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