2013-02-15
【ν[NEU]】今だったらちゃんと伝えられる
約1年振りに発表される音源は、ν[NEU]の新たな幕開けを告げる「The 25th Century Love」を表題曲に掲げ、タイプ別に収録曲が違う新曲全6曲、ボリューム満点のシングルとなった。
──新譜発表までの間、ライヴ漬けの日々を過ごされたようで。
みつ「制作期間に1年かかってはいるんですけど、タイプ別のカップリングに関しては、2週間ぐらいで録りました。」
ЯeI「時間がなくてスタジオに入んないで録ったりもしたよね。普通はスタジオで固めてから録るんですけど、ライヴをやってからその勢いのまま…みたいな(笑)。そういう作業ができるようになったのも、大人になったのかなって思います。」
みつ「本当の大人はちゃんと時間配分考えると思うんですけどね(笑)。でも、余裕持ってやっちゃダメだなって。前もって行動するのは大事なんですけど、気持ちに余裕があると聴き手に届かない気がして…熱くなんないんだよね、ぬるい気がして。レコーディング前にあったワンマンツアーでも、バンド内でいろいろ意見の食い違いもあったりで、“ツアー終わるまで曲は作んねぇ”となったり。ツアーを回って各地のファンの子からもらった気持ちを詰め込んだ作品にしようって決めたんです。なんで、2週間ぐらいしか期間がなかったんですけど。」
──5人が納得して生まれたものが「The 25th Century Love」だったと。
ヒィロ「1年前ぐらいからあって、ν[NEU]の隠し球として温めておいた曲です。原曲自体はν[NEU]を始動させてすぐに作っていて…後ろ向きなことばかり考えていた時期からメンバーが見つかって、“先に進みたい”ってすごく思えるようになったから、前向きな曲を作りたかったんですよね。ただ、その当時の自分たちでは説得力がなくて…曲の良さを伝え切れてないんじゃないかと温めることにしたんです。で、ワンマンツアーを経た今だったらちゃんと伝えられるんじゃないかって。」
タクミ「ギターもイメージしやすい曲でした。25世紀って誰も知らない世界じゃないですか。知らない世界のギターのアプローチも誰も知らないし、正解もないから、何でもアリだし。遊園地みたいな、いろんな要素が詰め込まれた楽しい世界をイメージしました。あと、いつもは同期が先にあって、それを縫うようにギターを入れてたのが、今回は逆だったんで自由にできたというか。同期を今まで先に聴いてきた分だけ、同期をギターでやってみたり、削ぎ落としたところもあるけど、いろいろ試すことができました。」
華遊「壮大な曲なので、ν[NEU]の節目というか、出すべき時に出したいって思いましたね。目を閉じてても、それぞれ演奏者の顔が浮かぶ…“ここはタクミが弾いてるんだろうな”ってファンの子が思い浮かべながら聴いてもらえるようなフレーズだったり、アプローチになるよう大切に演奏しました。」
──ポップな言葉が並ぶ歌詞ですが、最後の一文で世界観が変わるどんでん返しが面白かったです。
みつ「明るい曲だからこそ何が書きたいのかをすごく考えましたね。珍しく先にサビを書いたし、言いたいことはサビに凝縮されてると思うんですよ、今回。だから、その他の部分はサビが映えるようにポップな言葉を並べてみようかと。未来なのになんか古い?!みたいな(笑)。サビで言いたかったことを最初から突き通しても耳を塞いじゃうんじゃないかなって。」
ヒィロ「生の弦楽器を初めて入れてもらったんですけど、それがうまくシンセのキラキラした未来感と切ない部分を表現してくれてますね。ストリングスを入れられたのもバンドが成り立った証拠だと思うし、もっと違うν[NEU]を見せられるようになっていきたいです。」
──今回はシングルという形態ながら、タイプ別で収録曲が違うから新曲が6曲聴けるというのも嬉しいですね。
みつ「待たせた分、一番進んでいるν[NEU]の音を聴かせたいじゃないですか。ツアー『AUTUMN ONEMAN TOUR 2012』に間に合わせたくて、Type Cの「FAKE」は先に作ってたんですけど。この曲は2カ月ライヴで育ててた後だったんで、合わせやすかったです。」
──確かにライヴの光景が想像しやすい曲ですよね。Type Aの「Key of Life」も疾走感があって盛り上がりそうですし。
みつ「「Key of Life」はもう定番になってるんですけど、一番化けたなって思った曲ですね。同期を引っ張っていくぐらいの力強いバンドの音を感じられたので。ギター隊ふたりの成長が大きかったですね。」
華遊「だいたいタクミにお任せして、引っ張ってもらったんですけど、その中で自分らしいフレーズを特にBメロ、アルペジオとか、激しさの中にも綺麗なものを入れました。そこが広がって映えたと思います。あと歌詞が好きです。」
みつ「華遊くんはかわいいキャラなのに、男臭い歌詞が好きなんだって驚きました。」
──確かに意外ですね(笑)。どのあたりが良かったのですか?
華遊「そうですね…《ど真ん中で》が。」
ヒィロ「そこだけ!?」
みつ「しかも、“ど”付いてないし(笑)。男の子のファンが増えたんですよね。このシーンってどうしても女の子に届きやすい印象があったので、男の子に歌ったわけではないんですけど、性別関係なくハートを刺激するような熱いものを書きたくて。」
ЯeI「CDもいいんですけど、こういう曲だからこそライヴの生音で聴いてもらいたいですね。」
──Type Bの「LUNA」は哀愁系で。
みつ「古臭い曲ですね(笑)。25世紀とは正反対に振り切ってやろうと。リーダー、ЯeIさん…いや、この5人ですね。音楽のルーツの頃の曲をね。」
ヒィロ「まさに90年代みたいな。100円入れて聴く感じ。」
みつ「それはさすがに古すぎるでしょ(笑)。あの頃聴いてた良いメロディーっていうのを残したいなって。」
──Type Dの「Butterfly」は歌自体はゆったりとした印象がありますが、そこにのるシンセやバンドサウンドの緩急の付け方でさまざまな景色を見せてくれる曲でした。
ヒィロ「今一番気に入ってる曲ですね。自分たちの曲ですけど、何度もループして聴きたくなります。」
──また、Type Eの「Presious」を聴くと心が満たされる、温かさがありますよね。
みつ「これは大変でした。あきらかに良い曲なんですよ。いつもだったら、曲のイメージとは違った歌詞を書こうとするんですけど、この曲に関して書くべきビジョンがはっきり見えていたので、逆に時間がかかりましたね。」
タクミ「曲を聴いた時にアコギの音に呼ばれてる気がして、その時特に自分の中でブームだったアコギを弾いてます。で、はめてみたらバッチリ。ブームも大事だなって思いました。」
取材:ジャガー
(OKMusic)
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