2014-01-20
【T.M.Revolution】「Count ZERO」は、次に向けてのフラグ
T.M.Revolutionがゲーム『戦国BASARA4』テーマ曲「Count ZERO」と、映像作品『T.M.R. LIVE REVOLUTION'13 -UNDERⅡCOVER-』を発表。作品に込めた想いを語ってもらった。
──「Count ZERO」は最初はバラード調でしっとりと始まり、いきなりガツンとくる。すごくカッコ良かったです。
「ありがとうございます。やっぱり人間って生まれた時はひとりだけど、生きていく上でひとりでは何もできないんだと体感することによって、いろんな人と結び付きながら大きく成長していくというか、成長させてもらっていくんですよね。そんなイメージから、最初は何もない真っ平らな大地にたったひとりで凜と立っているところから始まります。そこから一転して、アグレッシブにさまざまな結び付きを感じてもらえるような、劇的な展開に突入していく。そういうドラマチックさが、この曲では肝になっていますね。」
──頭のバラード調のところも含めて、西川さんの歌声のパワーを改めて見せつけられた感じがしました。
「これまでと変わらないことをやっているつもりなんですけどね…。ただ、2013年は自分の楽曲以外をテレビの番組やCMで披露させていただく機会がたくさんあったおかげで、“こいつはこういう歌声の人だったんだ!”と、すごく認識していただけたと思っていて。そういう部分では今後もファンの方やそうでない方にも、よりいっそうそのことを認識してもらえる作品作りをしていけたらなと思っています。」
──2013年の活動があったことで生まれた楽曲と?
「実は、去年の春先にはできていたんですけどね(笑)。」
──ゲーム『戦国BASARA』のタイアップという部分では、もう10曲近く制作しているわけですが、その点で苦労は?
「シリーズを長くやっているおかげで、登場人物を見ただけで“このキャラクターが出るならこういうシーンもあるだろうな”とか想像が付くようになって。そういうところからイメージを膨らませていくことが多いです。とは言え、同じシリーズですから、同じお題でずっと無理問答しているようなところもあるので、大変は大変ですよ。毎回、良いと思うフレーズはまず全部ブッ込むじゃないですか。そうなると次の時、“こういうのはこの間やったしな?”ってなりますよね(笑)。でも、ゲーム制作側がウチら抜きでは考えられないと言ってくださっているので、それに応えるよう頑張るしかない!」
──歌詞は『戦国BASARA』の世界観を踏襲しながら、しっかりとT.M.Revolutionの世界にもなっていますね。孤高というか、荒野を切り拓くような世界観は、西川さんのこれまでの活動と実績があってこそ成立する歌詞だなと思いました。
「そう思っていただけたら、ありがたいですけどね。結果にかかわらず、ひとつひとつ打ってきた布石、そこに込めた自分の大切な想いは変わらないし。何事も一足飛びにできるものではなくて、ひとつひとつ確実にやっていくことが、目的地に辿り着くための道で、近道はない。毎回出し惜しみせずやり切る気持ちで、やり続けるしかないなと思っています。」
──タイトルの“Count ZERO”にはどんな気持ちを?
「まず原点回帰。それと、あと3年くらいでT.M.Revolutionが20周年、次のアルバムのことも考えると次がちょうど10枚目。それらを記念碑的なものにしたいと同時に、新たなスタート地点にしたいとも考えていて、それに向けてのカウントダウンが始まるという意味もあるし…だから、今回のシングルは、ひとつのフラグでもあります。そういう意味でも、2014年の一発目として相応しい楽曲になりました。」
──また、昨年のステージを映像化した『T.M.R. LIVE REVOLU TION'13-UNDERⅡCOVER-』も同時リリースされますね。映像を駆使したステージだったわけですが。
「あのライヴはひとつの物語で、ステージでパフォーマンスしている僕と映像の僕とが、交わったり離れたり同時進行したりというのが、時系列を伴わず多次元的に進行していて。ライヴはそれをみなさんの好きなように楽しんでいただいたわけですが、今回の映像は僕が思うその順路を示したようなもの、物語を読み解くガイドというか。観ていただいた方は、答え合わせでもないけど、そうだったんだ!とか、そういうことだったの?と思ったり、映像を観ながら追体験していただけたらと。ライヴを観にこられなかった方は、僕が何を表現したかったのか、映像で体験していただけたらと。」
──こういう、ひとつの物語を映像とともに提示したいというのは、どういうところから考え付いたのですか?
「そもそも、ツアーの主軸にあった『UNDER:COVER2』というアルバムは、年代や経緯がバラバラの過去の曲を再生した作品で、それをひとつのラインで表現するには、それらを包み込むもっと大きなストーリーが必要だったんです。そこで、それ以前にもっと大きなところで僕の中にあった、命とか世界とか自分の存在というものをテーマにしようと。」
──デビューして17年、スタイルや存在感を確立した現在でも、自分の存在について考えるのですか?
「考えますよ。果たして自分はこの世界において、どんな役割を担うべきか…ありがたいことに、自分の存在を身近に感じていただけるポジションにいるわけで、そういう人間がなすべきことは何なのか…そりゃ考えますよね。人のために、世界のために何ができるんだろう?って。『イナズマロック フェス』も『STAND UP! JAPAN』も、そのひとつだし。それにもっとパーソナルな部分、自分の家族のこととか…母が少し身体を悪くしたこともあって、当たり前にあると思っていたものがすごく儚いものだと実感した経験も大きかった。何事も永遠じゃないのかな?と思うと、苦しくて何も考えられなくなる時もあるけど…だったら、なおさら立ち止まっていてはいけないと思うし、だからこそ自分に何ができるかという想いが強くあって、1秒たりとも無駄にしたくないんです。これはあくまでも自分の主観です。ただ、自分自身が“良い”と思ったことは信じたいし、それをやっていくためにはそれ相応のリスクやカロリー消費も覚悟するべきなんです!」
取材:榑林史章
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