2017-07-04
あがた森魚&はちみつぱい、一夜限りのライブが実現
今年4月にリリースされた、あがた森魚&はちみつぱいのアルバム『べいびぃろん(BABY-LON)』のリリースを記念する一夜限りのライブ『あがた森魚&はちみつぱい in 東京 2017 ~「べいびぃろん」』が7月1日にメルパルクホール(東京)にて開催された。
2015年末に再結成を果たしたはちみつぱいと、今年デビュー45周年を迎えたあがた森魚。ご存知の音楽ファンも多いと思うが、45年前のデビュー当時、あがたと共に音楽を作り、演奏していたのがはちみつぱいだった。そして2017年の今日、この2アーティストの共演を誰が予想していただろうか? 望む人は多くとも、その可能性は未知数であったに違いない。何故なら、はちみつぱいはその後、5人のメンバーを中心にムーンライダーズに発展。数々の名盤を世に残し、あらゆる音楽ファンを魅了するバンドとなり、一方のあがたはソロ・アーティストとして、独自の世界観を突きつめ続けていった。音楽というフィールドの中で別々の道を歩んだ両者が、奇跡的な邂逅を果たしたのである。
ライブはアルバム収録曲の「もおたりぜいしょん」で幕を開けた。あがたをセンターに、はちみつぱいのメンバー9名が並ぶ様は貫禄十分。この奇跡的な光景に目を奪われていると、矢継ぎ早に「春一番に行かなくちゃ」へ(ここでいう「春一番」とはもちろん、1971年から大阪の野外音楽堂で続く、音楽フェスの風物詩イベント)。そしてあがたの「今日は7月1日、待ちに待ったといいますか……。では、この辺でこの夏をうらなう一曲を」というひと言から、「この夏リバティー」「森から生まれた獣たちは」で、会場を一気に染め上げていく。
ここでステージは、はちみつぱいのメンバーに託された。鈴木慶一のひと声で空気は一変し、「こうもりが飛ぶ頃」では、武川雅寛のヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたメランコリックな音像で聴かせる。彼らの代表曲といっても過言ではない「塀の上で」では、ザ・バンドやグレイトフル・デッドにも通じる、心地よい一体感がたまらない。渡辺勝の切ないヴォーカルで紡ぐ名バラード「ぼくの倖せ」まで、深く染み入る中盤の流れでは、バンドの包容力を改めて見せつけてくれた。
ここで再びあがたが登場し、「今を聴いてほしい。それだけなんです。たった今を、今そこにいるあなたに。かっこつけだね。あなたにありがとう」とひと声。ピアノの弾き語りに哀愁を帯びた歌詞が乗る「月光オートバイ」「冬のサナトリウム」では、近年の曲も往年の曲も同列に聴かせることができる、あがたの“今”を克明に描き出す力量を存分に感じさせられる。再び今回のアルバムの楽曲へと戻った「港の純情」では、歪んだギターが美しいレイヤードを描き、あがたと鈴木による終盤のコーラスの掛け合いは、彼らにしか分からない言語で会話を楽しんでいるかのようだ。あがたはMCで「はちみつぱいとは45年の付き合い」としたうえで、“素晴らしい楽団”と信頼感を表現。「ひと言ではおさまらんけど寡黙なヤツら」、そして「話を聞いてくれるけど、あんまり返してくれない。音で返してくれるんだけど。ずるいよ!俺は歌うしかないじゃん」と、彼ならではの言葉でメンバーを讃えた。
オリジナル・ドラマーの故・かしぶち哲郎が作詞・作曲した「リラのホテル」から、息子である橿渕太久磨が歌う「釣り糸」への流れも、世代を超えて継承されていくであろう、彼らの音楽を象徴するかのような一幕だ。メンバー紹介を経て、ライブはいよいよ佳境となり、鈴木とあがたの息の合った掛け合いが印象的な「クリーニングはエイハブ」へ。新アルバムのリード・トラックでもあり、あがた曰く“ニュー・ディランサウンド”を奏でる「アポロンの青銅器」で、本編の幕を閉じた。
熱が引かない会場の熱烈なアンコールで、はちみつぱいが「煙草路地」を演奏した後、再び登場したあがたは「乙女の儚夢」と、デビュー曲にして大ヒット作「赤色エレジー」を続けて披露。これらの名曲をたった今目の前で、この両アーティストが奏でているという事実に、「なんと贅沢なライブだろう」と、会場にいた誰もが再認識し、噛み締めたに違いない。アルバムのラストを飾る「べいびぃらんどばびろん」では、混沌とした熱で会場を包み、奇跡の一夜はフィナーレを迎えた。
今年2017年は、彼らと共に歩んだベルウッド・レコードの創立45周年にあたる。来る10月8日には、豪華アーティストが一同に会する記念コンサートが決定し、関連作品のリリースも予定されている。今回のライブに続き、ファンにとっては楽しみが止まらない年になりそうだ。
【メンバー】
あがた森魚(Vo,Gt,Pf)
鈴木慶一(Gt,Pf,Vo)
渡辺勝(Gt,Pf,Vo)
武川雅寛(Vn,Trp)
駒沢裕城(Pedale S Gt)
和田博己(B)
本多信介(Gt)
岡田徹(Key,Acc)
橿渕太久磨(Per,Dr)
夏秋文尚(Dr)
photo by 愛茉
■【セットリスト】
01. もおたりぜいしょん
02. 春一番に行かなくちゃ
03. この夏リバティー
04. 森から生まれた獣たちは
05. こうもうりが飛ぶ頃(はちみつぱい)
06. 塀の上で(はちみつぱい)
07. ぼくの倖せ(はちみつぱい)
08. 月光オートバイ(あがた森魚)
09. 冬のサナトリウム(あがた森魚)
10. 4月の雪
11. 真夜中を歩く
12. 虫のわるつ
13. 港の純情
14. リラのホテル
15. 釣り糸(はちみつぱい)
16. クリーニングはエイハブ
17. アポロンの青銅器
アンコール
18. 煙草路地(はちみつぱい)
19. 乙女の儚夢
20. 赤色エレジー
21. べいびぃらんどばびろん
『ベルウッドレコード45 周年記念コンサート』
10月08日(日) 東京都 新宿文化センター 大ホール
<出演者>
あがた森魚 / 鈴木茂 / はちみつぱい / 細野晴臣
~高田渡を歌う~
高田漣
~ベルウッドを歌う~
45th Bellwood BAND<高田漣(G)、林立夫(Dr)、北山ゆう子(Dr)、伊賀航(B)野村卓史(Key)> feat. キセル、曽我部恵一、ハンバート ハンバート、and more
■詳細ページ
https://www.red-hot.ne.jp/sp/bellwood45/
アルバム『べいびぃろん(BABY-LON)』
2017年4月26日発売
KICS-3484/¥3,000(+税)
<収録曲>
1 アポロンの青銅器
2 春一番にいかなくちゃ
3 もおたりぜいしょん
4 大平原
5 虫のわるつ
6 この夏リバティー
7 森から生まれた獣たちは
8 四月の雪
9 クリーニングはエイハブ
10 いつものようにただだまって
11 港の純情
12 真夜中を歩く
13 べいびぃらんどばびろん
■作品ページ
http://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-3484/
【関連リンク】
元記事
あがた森魚まとめ
はちみつぱいまとめ
ムーンライダーズまとめ
NoGoD、新アー写は不敵な様相の団長に注目
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キズ / 『仇』
来夢さんの歌詞ほんとにグッと来る。この先ずっとかっこいい歌
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JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
ジャケットイラストのギャグが最高です
咲人さんのイラストに影響されて女性の友達とクリスマスに
シードルを飲もうと考えました 断わられました
咲人さんの絵は手つかずの新雪のよう 語学の勉強も真面目
です
咲人さんの絵はとても良いのでこれからも描き続けてくださ
い 独創的かつ笑えるイラストです 好きです
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
インサクリファイスが好評です ナイトメアメンバーで仲間
の飲み代をまとめて払うと雑誌で語っておられた咲人さん
ナイトメアでキリストはユダと詠まれていました 二年前の
Withはラクリマクリスティを意識したと知りました 咲人
さんのナチス嫌い発言
咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
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しれないと思いました
downは意味を調べました 夜明け、でした
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ジャキガンマイスターは咲人さんのセンスの良さが光ってい
ますね