eastern youth/其処カラ何ガ見エルカ

ポケットから手を出せないでいる

eastern youth


word: 吉野寿 music: 吉野寿

『其処カラ何ガ見エルカ』収録

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  • ぶら下がった凧の残骸が
    冬になって侘びしく揺れている
    ポケットから俺は手を出せないでいる
    突っ立っている魂 雲が美しい

    息が白めば落陽が突き刺さる
    息が白めば色彩が突き刺さる

    この世は諸行無常か
    永遠の変わらない誓いか
    ポケットから俺は手を出せないでいる
    押し黙る魂 雪を待っている

    薄紫の感傷が降り積もる
    薄紫の現実が降り積もる

    留まらぬその光と闇は
    揶揄うように現れて嘘のように消えてゆく

    薄紫の感傷が降り積もる
    薄紫の現実が降り積もる

    ポケットから俺は手を出せないでいる
    硝子窓に影が映る
    ポケットから俺は手を出せないでいる
    歩みは止めない


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