石川智晶/この世界を誰にも語らせないように

それは紛れもなく~選ばれし者のソリチュード~

石川智晶


word: 石川智晶 music: 石川智晶

『この世界を誰にも語らせないように』収録

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  • それは紛れもなく
    選ばれし者のソリチュード
    立て膝ついて顔を映す
    To the flow of water To the flow of water

    あなたの横顔が東の空を向けば
    瞼の先から綻び拡がっていく
    今さら黒い裾の尾をつかんでみても
    両手を恐れるのはもうおやめなさい

    右と左に引き離された核心
    むせるように 咳をしても
    根をはりめぐらせた大杉は
    夜風に揺れるのを許さないでしょう

    それは紛れもなく 選ばれし者のソリチュード
    惜しみなく与えられた自我
    そこに翻弄されたいの
    膝下にまとわりつく世情
    高みに登らされて
    その悲しい代償こそが
    あなたを本物にさせていくから
    そういうもの
    そういうものなのです

    あなたに触れた者は
    美しい言葉を
    なぜこの世に残したいと思うのだろう
    燃やすつもりで書いた手紙
    ひとりでにその姿を変えていく
    それは消えゆく星のように
    格別に美しい背中だった

    それは紛れもなく 生まれ落ちてきたソリチュード
    猟犬の群れを走らせる
    その声がかすれてく
    薄曇りの視界の中
    その背後で呼吸(いき)をする
    新しい時代が緩やかな曲線を描いていくの
    そういうもの
    そういうものなのです

    この座から離れて
    何が自分に残るのか
    泥水に足をとられても
    観えるものそれを信じる

    それは紛れもなく 選ばれし者のソリチュード
    惜しみなく与えられた自我
    そこに翻弄されたいの
    膝下にまとわりつく世情
    高みに登らされて
    その悲しい代償こそが
    あなたを本物にさせていくから
    そういうもの
    そういうものなのです


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