2012-02-20

【かりゆし58】大切な人との結び付きをテーマにした楽曲

 昨年ベストアルバムをリリースし、全国ホールワンマンツアーを行なったかりゆし58が、その歩みを止めることなくニューシングルをリリース。自然体で生まれた歌だが、そこには今の時代に必要なメッセージがある。

2011年7月にリリースしたベストアルバム『かりゆし58ベスト』が今なおロングヒットを記録し続ける中、全国ホールワンマンツアーも大成功させた、かりゆし58が11枚目となるニューシングルをリリースする。昨年はデビュー5周年というバンドにとっての節目でもあり、年齢的にも30歳を迎え、新たなスタートを切った彼らがどんな新曲を届けてくれるのかファンはとても気になっていることだろう。

その新曲のタイトルは“ゆい”。彼らの故郷、沖縄の方言で“結び付き”という意味があり、大切な人との結び付き(ゆい)をテーマにした楽曲である。“たくさんのつながりに恵まれて今年を迎えることができたので、感謝を込めました”と、前川真悟(Vo&Ba)はこの「ゆい」について語ってくれた。確かに昨年のホールツアーはベストアルバムを引っ提げたツアーであり、昔から彼らを応援してきたファンも多く駆け付けていたことだろう。また、5周年ということで、これまでのことも深く思い返したりもしただろう。そこから沸き出たものが感謝の気持ちであり、その想いがこの楽曲には表れている。優しいギターのアルペジオと前川の感情のこもった声で《ゆいや ゆいや》と始まる冒頭。高らかで、だが噛み締めるようなヴォーカルにはこの言葉に込めた熱い想いが感じられる。シンプルでストレートに綴られた歌詞だが、サビの《持ち寄って分け合おうや 繋がって広げようや 触れ合って感じようや 交わって重ねようや 寄り添って深めようや 相まって溶け合おうや》という一節は思わず引き込まれてしまう。そして、そこに込められた精神は2011年3月11日の東日本大震災を経験した日本人にとって決して忘れてはいけないもの。前川は“今まで

また、サウンドでは沖縄民謡や“マタハーリヌツンダラカヌシャマヨ”(“また逢いましょう、美しき人よ”という意味。また、インドネシア語で“あなたの太陽は、等しく我々を愛してくれている”という意味があるとも言われている)という八重山地方の古い言葉が歌詞に使われていることも、この楽曲のひとつの特徴だ。原点に立ち返ったような、かりゆし58独特のロックに溶け合い、強いメッセージが嫌味なく朗らかに心に入ってくる。自分たちが慣れ親しんだ音楽や文化を用い、それをかりゆしらしいと言ったらそれまでだが、バンドの人間味をも込められたこの「ゆい」は間違いなく、彼らにしか作ることのできない、多くの人に聴いてもらいたい一曲だ。に経験したことが全て関わり合って曲は生まれる”と詳しくは明言せず、それを意識してかは分からないが、間違いなく今の時代に必要なメッセージと言える。

そして、彼らは5月8日の東京・渋谷Star loungeを皮切りに再びライヴハウスツアー、さらに東名阪のZeppツアーを約3カ月間に渡って敢行する。もちろん「ゆい」も披露されるだろうし、その時には“ゆいや ゆいや”と笑顔に満ち、合唱するファン、メンバーの姿が今からでも想像できる。“ライヴでも楽しんでもらえたら嬉しいです!!”と語ってくれた前川。音楽は目に見えるものばかりではなく、聴いた人の気持ちの充足や、より幸せに生きていこうとする姿勢など、明日へつながるものをもたらせてくれる。この「ゆい」を聴いてそれを再確認し、そう思った人の想いが人を通してどんどんつながっていくのだろう。想いがひとつになって結われていくように…。

文:高木智史

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