2014-02-20

MAN WITH A MISSION、物語があるからこそ、より自由な表現ができた

 退化してしまった世界の中、その世界を浄化する“Purefly”という装置を手に入れる旅ーーその壮大な旅の物語をひとつの音楽作品として表現したニューアルバムは、壮大さと繊細さを兼ね備えた、ドラマチックな作品集。そんな本作についてJean-Ken Johnny(Gu&Vo&Raps)に話を訊いた。

──重厚さ、豊潤さ、幅の広さがより深まりましたね。

今回ノアルバムハ、新シイ挑戦トシテコンセプトアルバムトイウカタチデ作リマシタ。モチロン楽曲ソレゾレノ世界観ヲ打チ出シテイルンデスケレド、ヒトツノストーリーノ中デモソレゾレノ役割ヲ担ッテイテ、聴イテクダサルミナサマガアルバムノ全体像ヲ、ヒトツノ物語ヲ見ナガラ楽シメルヨウナ作品ニシタイ...ソウイウ気持チデ制作ニ臨ミマシタ。

──コンセプトアルバムのかたちをとると、ひとつの約束事に沿わなければならないこともありますが、この作品を聴くと、そういったことにとらわれすぎてはいないように感じます。

ソウデスネ。僕モヒトツノ物語ニ準ジタ作リ方ヲスルト可能性ヲ狭メテシマウンジャナイカト懸念シタトコロモアッタンデスケレド、実際ハ真逆デ、ヨリ自由ニデキタトイウカ。アルバムヲ通シテ鍵ニナル「Searching life」ヤ「babylon」ノヨウナ楽曲デハ新シイ挑戦ヲシテオリマスシ、コノアルバムノコンセプトヲ立テル前カラアッタ楽曲デモ、物語ノ中デヒトツノ役割ヲ任セテミタカラコソ活キタ、トイウモノガアリマシタシ。ダカラコソ自分タチノ音楽ノ幅ヲヨリ自由ニ表セタ結果、物語トシテスゴク壮大ナモノニ仕上ガッタト思イマス。

──確かに今までのMAN WITH A MISSIONのサウンドを思うと、新境地と言えるカラーが。「Searching life」はなかなかカントリー色が強いですし。

我々、コレマデヤッタコトガゴザイマセンカラネ、カントリーハ。コノ曲ハストーリーノヒトツノ大キナ場面ヲ提供スルヨウナ楽曲ナンデスケレド、火ヲ囲ンデ自分タチガ昔ヤッテイタ音楽ヲ奏デルイメージニピッタリ合ウ音楽ノジャンルヲ考エタトキニ、アメリカノポップスノ根底ニ根付キナガラモ、スゴクノスタルジックデアルカントリーガ浮カビマシテ。チャレンジデシタケレド、新シイ発見ガタクサンアリマシタシ、演奏シテイテ楽シカッタデス。生楽器ノパワー、ソノ存在感、人間ノ生命力ガ表ワレヤスイコトナドモ再確認デキマシタ。

──「babylon」は初の組曲ですが、重厚でスリリングでした。

3部構成ノ組曲デ、コノアルバムノ物語ノオオマカナ全体像ヲ表シテイル楽曲デス。展開ガアッテ、ソレゾレニ世界観ガアッテ、起承転結ガアルノデ、切リ替ワル瞬間ニドレダケナチュラルサト意味ト意志ヲ持タセラレルカトイウトコロニトテモ気ヲ配リマシタ。緻密サダケデハナク思イ切リノ良サモ必要デシタネ、コノ楽曲ノ制作デハ。

──2部から3部への流れ、転調して《And now...》でテンポが落ちていくところとかゾクゾクします。

僕モソコガ一番ノオ気ニ入リデス。自分デモ演ッテイテ“気持チ良イナ”ト思イマシタ。

──この大作のあとに「Dancing On The Moon」のようなしみじみグッとくるナンバーが聴こえてくるのもすごくいいですね。「babylon」で終わると物語の余韻がずっと残る気がしますが、この曲はエンドロール的というか、エンディング曲というか…聴いていてホッとしたりもしますし。

ナルホド。映画ノエンディングッテソノ作品ノ意味ヲ思イ切リ含マセタ楽曲ヲ持ッテクルコトモ多イデスガ、今オッシャッタヨウニ聴イテイルト不思議ト落チ着クトイウカ...イエス、ソノ物語ヲ押シ出ストイウヨリハ、広イ意味デキッチリ締メテクレルヨウナ楽曲モアッテ。コチラノ楽曲ハ“コンセプトアルバム”トイウ案ガ出ル以前ニスデニ出来上ガッテイタンデスケド、全体ヲ包ミ込ムヨウナ楽曲ニナレタノデアレバ良カッタト思イマス。モトモト僕ガ作ル楽曲ハスゴク包括的ナモノガ多インデスガ、コノ楽曲ハコノアルバムノエンディングトシテ違和感ナクハマリマシタネ。

──あと、「vitamin 64」の詞の世界観は、私が今まで聴いてきたJohnnyさんの作品とはちょっと違う印象を受けたのですが。

コレハダイブ違イマスネ。ナゼカトイウト、今回ノアルバムノ楽曲ノ中デ一番古クニ生マレタモノダカラデス。モチロン“今、ドウイウメッセージニ昇華シテイクカ”トイウトコロデワードニハ手ヲ加エテオリマスガ、自分ガ伝エタイコト、楽曲ノ世界観ノ大枠ハ変エテオリマセンノデ、異質ニ感ジルノハ当然カナト思イマス。ソレト、自分ハアイルランド音楽ガモノスゴク好キナノデ、ソウイッタ世界観…土着的デアッテ、同時ニエゲツナク、ソシテヤサシクモアルトイウコトハ考エテ作リマシタ。

──《we're just God's junk of art》のフレーズには、思わずハッとしました。差し色的で、鮮烈で。

アリガトウゴザイマス。ソコノ歌詞ハ非常ニ自分デモ気ニ入ッテイルトコロデ。例エバ、何カシラ強ク信ジテイル存在ヲ持ツ人ハ、絶対ダト思ッテイタソノ存在ニ自分ガ見捨テラレタ感覚ヲ味ワウコトガアッタリスルト思ウンデスケド、ソレヲウマク包括的ニ表スノデアレバドウイウフレーズカナ?トイウトコロデ生マレタフレーズデス。デ、差シ色ニ何カシラ毒ヲ入レラレ….ソコハロックバン ドヲヤッテイル醍醐味ダト思ウンデス。表現ノ仕方トシテ。ソレガコノヨウナ楽曲デデキタノハ良カッタデスネ。

──この楽曲もまた、コンセプトアルバムならではの在り方でしょうか? 役割を担ったからこその。

ソウデスネ。自由ニイロイロナ音楽要素ヲ入レラレル、ソシテ 今マデ以上ニイロイロナ新シイコトヲヤッテミタイ…ダカラコソKamikaze Boyガ“コンセプトアルバムヲ作リタイ”トイウアイデアヲ出シタンダト思イマス。スゴクイイ手応エトイイ発見ガアッテ、トテモ幸セニ感ジテオリマス。

──ひとつの壮大な物語としても、楽曲それぞれの世界観としても楽しめる、ワクワクドキドキの作品集でした。

ドノ場面ヲ切リ取ッテモ個性ト強イ世界観ヲ放ッテイルト思イマスシ、全体ヲ通シテ聴イタ時ニハ相乗効果モアッテ、マルデ映画ノヨウニ壮大ナヒトツノ物語ガ見エル。モノスゴク多様ナ、モノスゴク色ノ濃イアルバムニナリマシタノデ。ミナサマニモ聴イテ、楽シンデイタダケレバ、幸イニ思イマス。

取材:竹内美保

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