2014-03-10

DIR EN GREY、『DUM SPIRO SPERO』@日本武道館 2014/3/9(日)

 2011年8月3日にリリースされた8thアルバム、「DUM SPIRO SPERO」の完結編ともいうべきライブが3月8日・9日の2daysで日本武道館にて公演された。
 今回は公演2日目のライブのレポートをお送りしたいと思う。

 開演時間の18時を少し過ぎた頃にお馴染みのSE「狂骨の鳴り」が流れ出すと、会場は歓声に包まれた。
 武道館2日目の1曲目は、再構築され、演奏時間約15分にも及ぶ大曲に変貌した「MACABRA」。
 ひと息もつけないような緊張感を含んだこの曲で、ステージ開幕と同時に自分達の世界観で会場を塗り潰していく。

 序盤では武道館の天井から吊るされている国旗にちなんでか、Toshiyaによる「君が代」のベースソロが演奏された。
 普段はなかなかこうしたパフォーマンスの無いバンドなだけに、演奏時間自体は短かったが新鮮さを感じられた。

 今回の公演はタイトルに「DUM SPIRO SPERO」と名を冠しているものの、蓋を開けるとアルバム曲を8日と9日の半々に分割して披露していくという形だった。
 そのため最近ではあまり聴く機会の無かった、「砂上の唄」や「孤独に死す、故に孤独。」なども披露された。
 「砂上の唄」では激しく全身を動かし、魂を込めたかのようなギターのカッティングをするDieが印象的だった。

 アンコールでは、これもまた久々にお披露目となった盛り上がり必死のキラーチューン「umbrella」や、定番の「羅刹国」などで拳やヘッドバンキングの嵐が巻き起こり、武道館を揺らす。

 ラストの演奏の前には、普段はあまり喋ることのないボーカルの京が珍しくMCをする。
 「今日は皆に1つお願いがある。いつも俺は『1つになれ』って言ってるけど、そんなの無理って言うヤツがいることも知っている。でも俺は1つになれると思ってる。バカみたいに同じことばっかり言ってるけど、俺の夢を叶えてくれ。お前たち全員でかかって来い!」といった内容だった。

 その言葉でヒートアップした会場が一体となり、「SUSTAIN THE UNTRUTH」のサビを大合唱。
 演奏後、京はオーディエンスと自分の胸を交互に指差す。
 「お前らの気持ちがしっかり届いたよ」という、彼の言葉が聞こえた気がした。
 歌やシャウトなどで自己を表現をする京らしい行動の1つではないだろか。

 メンバーの捌けたアンコール終了後は「THE FINAL」をBGMにエンドロールが流れたが、興奮の収まらないファンたちは割れんばかりの大合唱を続ける。
 それに続く告知映像では、7月に本日のライブのBlu-ray&DVD化、8月には[TOUR14 PSYCHONNECT -mode of "GAUZE"?-]と名付けられたツアーの開催、11月にニューアルバムのリリース予定などが発表され、歓声が上がった。

 1曲だけのダブルアンコールでは「朔‐saku‐」が演奏され、メンバー・オーディエンスともに完全燃焼して本日のライブは幕を閉じた。

 今回発表されたツアーは1999年7月27日CLUB CITTA’を皮切りに全国13都市24公演にて開催された“PSYCHONNECT -mode of "GAUZE"?-”より15年の時間を経て、再び幕を開けるとのことだ。
 結成から15年経ってもなお、"深化"し続けるDIR EN GREY。
 果たして次はどのようなステージを見せてくれるのであろうか?
 何故このタイミングで過去のツアーを再開するのか、何の曲をやるのかなどはまだ不明であるが、今後も期待せずにはいられない。
 一体、今年はどんなライブを見せてくれるのか。
 その様子は是非、あなたの目と耳で確かめて欲しい。


■【SET LIST】

SE 狂骨の鳴り

MACABRE
流転の塔
激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇

「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
獣慾
DECAYED CROW
君が代(Toshiya bass solo)
Bottom of the death valley

INWARD SCREAM

かすみ
砂上の唄
孤独に死す、故に孤独。

INWARD SCREAM

THE BLOSSOMING BEELZEBUB

Unraveling
DIABOLOS

【ENCORE】
輪郭
umbrella
羅刹国
SUSTAIN THE UNTRUTH

THE FINAL(映像)

【W ENCORE】
朔‐saku‐

DIR EN GREY オフィシャルHPはコチラ

取材:木島悠


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