2013-10-21

【Aldious】ふだん人を噛んだりとか…しません?

 3rdアルバム『District Zero』から5カ月。早くも届いた4thシングルは、ヘドバン必至の疾走メタルチューン「Dominator」と、激しくも切ないバラード「I Don't Like Me」の両A面。コントラストも鮮やかなこのニューシングルについて、Yoshi(Gu)と Re:NO(Vo)に訊いた。

──1曲目の「Dominator」は、メタルバンド的にはど真ん中の激しいナンバーですね。スピードがあってアグレッシブで。

Yoshi「私はスラッシュメタルが大好きなんで、自分の大好きな疾走感のあるスラッシュの速いリフ曲を作ろうと思って。で、“これぞAldius!”みたいな感じの曲に仕上げようと思って作ったんですけど、本当に理想通りというか、イメージ通りの曲に仕上がりました。アレンジに関しては、今までの自分たちの曲の中では一番複雑です。今までは、とにかく歌を聴かせようってことでバックはシンプルにすることが多かったんですけど、今回は歌のバックでもすごい演奏してるんですよ。音数も多いし。でも、ヴォーカルラインがすごくしっかりしていて、インパクトもあるので、バックが激しくてもメロディーがしっかり入ってくるとは思います。」

──ライヴでも絶対盛り上がりそうな仕上がりですよね。

Yoshi「今回初めて、1曲まるまる通してドラムとベースを同時録りしたんですよ。ドラムとベースが同じブースで目を合わせながら演奏するっていうバンドらしい録り方で。リズム隊は大変だったと思うんですけど、すごいノリが出たかなとは思います。リアリティーがあるというか。」

──歌詞は、バンパイアをモチーフにしたラブソングですね。

Re:NO「あの…、ふだん人を噛んだりとか…しません?」

──しません(笑)。

Re:NO「噛んだりとか、つねったりとか。日常生活でも恋愛とかでも…なんかこう…噛みたいんですよ、自分って。そういう感覚を、“噛む=バンパイア”っていう物語を借りて書いた感じです。だから、完全にノンフィクションではないんですよね。噛んで殺しちゃうくらい…愛おしかったら殺しちゃうんじゃないかなと思って。おとなしく相手と一緒にいるっていうよりは、好きすぎて殺しちゃうタイプだろうなと。」

──好きすぎて、食い殺しちゃう?

Re:NO「はい。で、最後は本能を取ったっていう結末なんですけど。最初は堪えてるんです、一緒に居たいから。まだ一緒に居たいから堪えてるんですけど、だんだん本能が出てきて、最終的に“あぁー、ごめん。ガブッ!”っていう(笑)。」

──それで最後《愛していたから》っていう過去形に…(笑)。

Re:NO「“愛していたから食べちゃったんだよ、すまん!”みたいな(笑)。なんか今、すごい軽く言ってますけど、気持ちとしてはもっとディープな意味合いなんですけどね。」

Yoshi「ある意味、ストーカーとか、そっち系に近いですね。相手のことより自分の本能を優先させるみたいな。相手に迷惑かもしれないけど、抑え切れないからっていう。もしかしたら、そういうところって人間の本能なのかもしれないなとは思うんですけどね。綺麗事だけの恋愛の歌詞よりも素直というか、人間らしい本質的な部分が出ていて。」

──一方、「I Don't Like Me」はタイトル通り内省的な楽曲ですね。

Re:NO「これはAldiousに入るちょっと前に作った曲で。歌詞を読んでいただければ分かると思うんですけど、歌うのをもう諦めようと思って、この曲で最後にしようと思って書いた歌詞なんです。Aldiousに入る前からバンド活動はいろいろやってたんですけど、自分はヴォーカルに向いてないのかなぁとか、いろいろすごい悩んだ時期があって。音楽を本気で目指すより、趣味でやるくらいにしておこう、そのほうが音楽を好きでいられるかな、みたいな。本気でヴォーカルを目指したりとか、本気で歌うことを目指していた自分への遺書みたいな。最後の詞みたいな感覚で作った曲です。」

──アレンジはピアノがメインでドラマティックですね。

Re:NO「ただのバラードで、“あぁ、きれいですねー”っていうよりは、やっぱりどこかにAldious色を入れてほしくて、間奏部分…バンドインしてすぐのギターソロのところとかはYoshiに全部任せて。ソロはYoshiの好きなようにして!って。それでAldious色がパッと出たんじゃないかなと思います。」

Yoshi「アレンジはデモの時点でCMJ K さんにほぼ全部作っていただいていたので、自分のアレンジっていう部分はギターソロだけなんですよ。そこで自分色を出したかったんですよね。私、結構バラードでもあえてタッピングを入れたり、速弾きを入れたり、過去にしてたんですよ。“バラード=ロングトーン”でただギュイーンっていうのはありきたりすぎるかなと思ってたんで。でも、今回はほんとに思いのまま弾いた感じですね。何も意識しないで。」

──3曲目「Wish Song」は、2ndアルバム『Determination』収録曲のリアレンジ新録。ダイナミックに生まれ変わっていて、バンドとしてのカッコ良さが格段にアップしてますね。

Yoshi「はい。バンドらしさが思いっ切り出てると思います。ライヴでもトキがアコギを弾いたりしてたし、こっちのアレンジのほうがツインギターって感じもすごいするので。」

──両A面で、さらにライヴでも重要な「Wish Song」も収録されて、シングルとはいえすごく内容の濃い作品ですよね。

Yoshi「カラオケも入れると6曲入りなんですよ。あと、限定盤にはMVが2曲と「Scrash」のMVメイキングも入ったDVDが付いていて。さらに楽譜もついてるんで、お得すぎるんじゃないかなと思うくらい(笑)。シングルって、後々アルバムに入るからアルバムで聴けばいいやみたいな感じにとられがちだと思うんですけど、これは本当にアルバムに入るからとか思わないで買ってほしいですね、ひとつの作品として。」

──リリース後にはツアーが予定されていますが。

Yoshi「1カ月の間にギュッと凝縮したツアーですね。2デイズとか、4日間で3回ライヴしたりとかもあるんで、濃厚な1カ月になります。機材車にメンバー5人乗ってガーっと全国を回っていって、その間メンバーほとんど家に帰らないんで。本当の意味でのバンドのツアーって感じになると思います。」

Re:NO「…生きて帰ってこれるかな(笑)。」

取材:舟見佳子

(OKMusic)


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