2013-04-21

【さめざめ】問題作を収録した自己紹介的ベスト盤が完成

 昨年12月に「愛とか夢とか恋とかSEXとか」でメジャーデビューしたさめざめ。ヴォーカルを新録した[二〇一三年版]に加えて、新曲、さらには特典音源を収録したベストアルバムが完成! 各曲に込めた想いなどを、笛田さおりに語ってもらった。

──5月15日にベストアルバム『さめざめ問題集』がリリースされますが、この作品のコンセプトは何ですか?

「去年の12月にメジャーデビューしたばかりなので、ベスト盤ではありますが、通常のベスト盤とは意味合いが違っています。“[二〇一三年版]”と書かれている曲はヴォーカルを新録しましたし、現在のさめざめが伝わる作品になったんじゃないかなって思っています。」

──1曲目の新曲「みんなおバカさん」はアップテンポで、サビの部分もすごくキャッチーですね。

「去年の7月頃からライヴで歌っていて、今ではライヴの定番曲になっています。失恋した相手への怒りだったり、会社の上司への怒りだったり、インターネットで誹謗中傷を書き込んでいる見ず知らずの人への怒りだったり、そういった日頃抱えている怒りを爆発させた歌詞になっているので、ストレス発散ソングみたいな曲になればいいなって思っています。バカバカと言ってる張本人も、誰かにとっての“おバカさん”だったりするので、人類みんなおバカさんって曲ですね(笑)。」

──2曲目は「コンドームをつけないこの勇気を愛してよ」の[二〇一三年版]で。

「タイトルもそうなんですけど、歌詞を読んでもらったとしても“この女の子は男に遊ばれているだけなんだね”とか、すごく勘違いされやすい曲だったりするのですが、歌詞に書いたことは特別なことじゃなく、普通に恋愛の日常としてあることなんですよね。でも、賛否両論ありながらもいろんな意見をいただくということは、この曲を聴いてもらってるということなので有り難いことだと思います。」

──男性と女性では、受け取り方も違うかもしれませんしね。そして、「ぶりっこぶりっこ」。さめざめの曲の中でも、あまりないタイプの曲だなって思いました。

「そうですね。歌い方やメロディーがポップで、コケティッシュな要素が多い作品になりました。この曲はぶりっこを批判してるんじゃなくて、逆に“ぶりっこしてもいいんじゃないの?”って肯定する気持ちを歌詞にしてみました。自分も好きな人とか、意識する異性の前ではいつの間にか“ぶりっこ”してしまってると思いますから(笑)。」

──言葉が転がっていくような始まり方もいいですよね。

「おしゃべりが始まったっていうイメージで歌いました。今までのさめざめになかった歌い方をしていますね。」

──4曲目の「愛とか夢とか恋とかSEXとか」はメジャーデビュー 作でもあり、さめざめの代表曲のひとつですが。

「タイトルに“SEX”という言葉が入っているので、この曲も勘違いされやすい曲ですね。男女問わず、人生において、日々の生活において、何かしら悩みを抱えていたりすると思うんです。この曲を作った時、私自身も悩んでいて、“明日、何も変わらないかもしれない。でも、頑張ろう”と自分を励ますために作った曲でした。自分にとって何が大切なのかな?って考えた時に、“SEX”というのも自分にかかわってくる言葉のひとつだと思いましたし、この言葉が入ってないのは逆におかしいんじゃないかなって。」

──“SEX”という言葉が入ることによって、歌詞の内容がよりリアルなものになっていると思いますよ。

「作ったのは3~4年前なんですが、この曲ができたことで、さめざめという音楽活動を始めるきっかけになりましたし、私自身、何度もこの曲に救われました。」

──次の「ぐるぐる禁断ラブ」[二〇一三年版]は、またガラッと雰囲気が違う曲ですが。

「ポップなものを作ろうと意識して作った曲ですね。ノリとか明るさとか韻の踏み方とか、言葉遊びを中心に歌詞を書きました。切ない歌詞も部分的にあったりしますが、曲に乗せて聴いてみると明るく感じたりするんです。分かりやすい毒っ気がある歌詞じゃないので、BGMとしても聴きやすい曲かもしれません(笑)。」

──6曲目の「ズボンのチャック」、インパクトのあるタイトルだなぁって思った曲でした。

「“ズボンのチャック”っていうタイトルを思い付いて、そこから曲を作っていきました。男性ってズボンにベルトを付けてるじゃないですか。チャックがうまく開かなくて、ベルトのバックルがカチャカチャって音がした時に《ベルトの鍵を開けて》って歌詞にもありますけど、そこに夢が詰まってるのかな?っていうファンタジーを書いてみようって思ったんです。」

──それって、女性ならではの視点かも(笑)。

「はい、そうかもしれませんね(笑)。」

──ラストは「あたしがいなくなれば」の[二〇一三年版]で。

「誰もが1年に1度ぐらい、すごく落ち込む時ってあると思うんですね。いろいろ悩んだ挙げ句、それは自分のせいなんじゃないかっていう答えのない答えに行き着いた時とか…。そんな気持ちを歌詞にしてみました。背中を押してあげる応援ソングじゃないんですけど、泣きたい時に泣ける曲を聴きたくなるように、落ち込んだ時に落ち込む曲を聴きたいって思うこともあるはずなんです。」

──そして、特典音源の「あの女~地獄の扉はすぐそこに。ピアノ編~」。これはライヴ音源ですね。

「そうなんです。アコースティックライヴもたまにやらせてもらってるんですが、仙台でのテイクがものすごく良かったので、今回入れることにしました。デビューシングルの「愛とか夢とか恋とかSEXとか」のカップリングにバンドアレンジのバージョンが入っていますが、それとは違う恐ろしさがこっちにはありますから、「あたしがいなくなれば」に続けて聴いてもらうと、もっと暗い気持ちになれると思います(笑)。」

──特典音源を含めて、全8曲。まさに、さめざめの“問題作”が集まったアルバムという感じがします。

「さめざめのかわいさも怖さも隅々まで感じてもらえる一枚になりましたので、さめざめの自己紹介的な作品になれたらいいなって思っています。」

取材:田中隆信

(OKMusic)


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