2013-04-20

【Dear Loving】僕らが一番伝えたいのはメッセージ

 3年振りのアルバム『その手に未来を』のテーマは“生きる”ということ。“ポジティブでポップでロック=ポジポック”を掲げて活動してきたDear Lovingが、この時代に放つメッセージは限りなく温かくて力強い!

──結成20周年を迎えたDear Lovingですが、5月15日にリリースされる『その手に未来を』は約3年振りのアルバムになるんですよね。

MASA「ええ。ドラマーが脱退してから3年間、ずっとライヴだけをやってたんですけど、20年バンドやってても未だに“自分たちって何者なのかな?”って思うんですよね。Dear Lovingの1枚目はメッセージアルバムで、2枚目はラブソング集だったんですけど、時を経てやっぱり僕らはメッセージバンドやろうっていう結論になった。その間に東日本大震災もあったりして、自分らがやれること、やるべきことは何だろう?って考えた上で、今回のアルバムは“生きること”をテーマに作りました。ポジティブなメッセージだけじゃなく、生きていく厳しさや切なさを含めて。」

YUKI「完璧です! コメント100点(笑)。」

──リード曲「その涙には意味がある」はテレビ東京系『ざっくりハイタッチ』のEDテーマとしてオンエア中で5月からはテレビ東京『音流』のEDテーマとしても流れるダブルタイアップ曲ですね。この曲にもMASAさんが言ってくれたメッセージが込められていると思うのですが。

MASA「そうですね。落ちてる時は悲しみに浸ることしかできないけれど、涙したことにもきっと意味があるって…もちろん辛すぎたり、救われない経験もあるとは思うんですけど、この曲を聴いて“そう言えば、あの時こんなことがあったけど、今の自分は笑っていられるな”って思ってくれる人がいたらいいなって。」

──まっすぐなメッセージが伝わってくる曲でもあり、メロディーもポップ、サウンドも突き抜けてますよね。

YUKI「そうなんですよ。明るさと切なさが同居しているメロディーで、演奏は疾走感とロック感を重要視してます。間奏ではかなり、はしゃがせてもらってギター弾いてるので、MVで映像から、はみ出しちゃったぐらい(笑)。」

KURO「サウンドはスピード感とパワー感を重要視しましたね。なおかつライヴでノリやすくメッセージもちゃんと伝わるように考えて3人で制作していきました。」

──アルバムは聴かせるバラードもあれば、アッパーな曲もあるし、ポップチューンもあるし、とてもバラエティーに富んでいますね。Dear Lovingの新境地、もしくはプッシュしたい楽曲は?

YUKI「リード曲はシングルっぽい楽曲だと思うんですけど、2曲目の「CLIMBER」は一線超えたかな…ぐらいにロックで新境地ですね。MASAくんの作る曲はメロディーとメッセージが強く押し出されていて、僕はイントロが始まった瞬間、カッコ良い!って思える曲をイメージして作ってます。この曲はAメロ、Bメロを僕が作って、サビがMASAくんで、サビの歌詞は僕が魂で感じることを書いて…」

MASA「それ合作って言えばよくない?(笑)」

KURO「僕がプッシュしたいのは「FLASHBACK」ですね。曲の原案を自分が考えて、MASAくんと共作してます。Dear Lovingのロック担当はYUKIくんなんですけど、ライヴでノリやすい曲をアルバムに入れたいと思って作った曲です。」

MASA「僕らのスタンスってアーティストっていうより、メッセンジャーに近いと思うんですよ。先に伝えたいことがあって音楽があるというか、今まで生きてきた結果、こう思うっていうことを曲にしている。だから、よくストレートだねって言われるんですけど、僕は日本の中で今、この時代に抽象的でアートな音楽をしたいとは思わないし。」

──何が本当なのか分からない時代にね…。タイトル曲の「その手に未来を」も生きてほしいって歌う祈りのようなバラードですもんね。

MASA「ええ。僕らのファンは思い悩んでいて、力をもらいにライヴに来る人が多いので、そういうファンの子らに何かできればいいなと思ったんですよね。僕らの音楽を必要としている人って、まだ日本中にいっぱいいると思ったし、出会ってない人たちに出会うために届けたかったメッセージですね。」

──音楽で少しでも元気になってほしい、笑顔になってほしいっていう想いが強いのですか?

MASA「そうですね。昔は幸せって自分が感じることなのかなって思ってたんですけど、今はそうじゃないやろって。僕らの音楽で誰かが笑ってたり、誰かがホンマに泣いてたりとか、そういうことに喜びを感じますね。ライヴに関しては、僕ら、むっちゃエンターティンメントなのでコントもするんですよ。“今、私、笑うような気分じゃないのに”っていう人が笑って帰ってくれたら嬉しいし。」

──結成20年、3人は中学時代からの幼なじみですよね。今さら照れ臭いかもしれないけど、お互いの魅力は?

MASA「ベースのKUROちゃんは童顔でかわいいキャラですけど、こう見えてめっちゃ力持ち。20年間、彼がずーっと機材車、運転してくれてるんですけど、ドアをバーンと締めるたびに僕ら、毎回、お尻浮きますから(笑)。YUKIくんはいるだけで場が明るくなる。」

YUKI「モットーはテキトーなんでね(笑)。僕がこうして伸び伸びしていられるのもリーダーのMASAくんがいるから。」

KURO「常に向上心があって、僕らをひっぱっていってくれる。よりモア精神があります。」

YUKI「よりとモアって同じ意味やん(笑)。MASAくんは典型的なA型。もうMASAのMとSを抜いて、ダブルAにしてもいいぐらい几帳面(笑)。だから、ちょうどいいバランスの3人なんですよね。」

──なるほど。20周年イヤーは賑やかになりそうですね。

MASA「そうですね。3年振りのリリースで“また、ここから始まる”っていう気持ちもあるし、今まで培ったことを解き放っていきたいですね。」

取材:山本弘子

(OKMusic)


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