2013-04-20
【SKA SKA CLUB】“スカバンド”ではないって意識が結構ある
日本のインディーズシーンで一時代を築いたSKA SKA CLUBが、ついに復活! 昨年開催した7年振りのワンマンライヴに続き、実に12年振りの新作を完成させた彼らの今の心情をグローバー義和(Vo)に語ってもらった。
──去年の渋谷WOMBワンマン、7年振りのライヴをいきなり発表した時は本当にびっくりしましたよ。
「実はSKA SKA CLUBでやりたいなっていう曲が何曲か溜まってたから、『complete disc』を出したあたりに1回ライヴをやりそうにはなってたんですよね。ライヴ自体は、例えば誰かの結婚式とかパーティーとかでやったりしてて、“SKA SKA CLUBの曲を演るのはやっぱ楽しいね!”っていうのはメンバーみんな失わずにあって。でも、じゃあそれを活動としてやろうってなると、やっぱりいろんな事情が出てくるから。」
──SKA SKA CLUBとは別の音楽活動だったり、仕事を持っていたりする中で12人が集まるのは、確かに難しそう…。
「うん。それで首締まっちゃうメンバーがいての活動休止だったから。でも、今の話の『complete disc』のタイミングとか火種はずっと残ってたから、“やっぱやりてぇな”みたいな。だから、まずは曲を作って“、曲、こんなんあるんだよね“”おぉ、いいね!”みたいなやり取りがあって、新曲を作り始めたら“やっぱライヴやりたいね!”ってなるじゃん。それで渋谷のWOMBを決めたんだけど、ちょうどその時期、曲を作り始めてた中で、ベースの小林哲郎が仕事で2年間アメリカに行くっていうのが決まって。今も行ってるんだけどね。そこで、“友達を送り出す会”みたいなモチベーションで、みんなで“じゃあ、やろう!”ってなったんですよ。」
──“SKA SKA CLUBの曲を演るのは楽しい!”ってメンバー自身が感じながら音を鳴らしてるんだなっていうのは、このアルバムを聴けば頷けますよ。本当に楽しいアルバムです!
「俺自身、SKA SKA CLUB大好きだからね(笑)。だから、そういうSKA SKA CLUBっていうカッコ良いバンドが“しょっぱい”ことされたら困るな、みたいなのは自分でも思うわけ。だし、新しいこともやっぱりやりたかったんで。具体的なことで言えば、日本語詞を試すとか。」
──「霧雨」ですね。SKA SKA CLUB初の日本詞楽曲で。
「そう。そういう分かりやすいチャレンジもあったし、曲の作り方自体にも新しいトライがあったし。なんつーのかな? 変わらずSKASKA CLUBでいるためには、やっぱり、今オンタイムで一番カッコ良いと思ってることをやるっていうのに尽きるので。12人、同じメンツでずっとやってるから芯は全然変わらないと思ってるから、あとはもう、今カッコ良いなって思うものをどれだけできるかチャレンジするみたいな。」
──終盤の流れとかすごいですもんね。バラード調、スピーディーなパンク調、重たいバスドラが鳴り続けるメタル調っていう、見事に違うテイストが続く流れ(笑)。
「滅茶苦茶でしょ(笑)。でも、それは一曲一曲個性が強いキャラクターが並んだってことだから、全然良いんですよ! その中でも、例えば今の話の一番最後、「Pack your bags」は山森大輔の曲なんだけど。アイツはわりと、俺が出してないチャンネルの曲をネタとして出してくるんだけど、このアルバムの中ではその一発目って感じだったかな。ソングライターがふたりいると、ライバル的な気持ちにもなるじゃん。“そっちがそうならこっちは…”みたいな(笑)。だから、俺にはこんな発想全然なかったんだけど、アイツが家で打ち込んできたデモは“へヴィロック”って仮タイトルで(笑)。へヴィロックをSKA SKA CLUBでやってみようよ、みたいな。」
──もしこの曲を、ホーンが入っていない別のバンドがやったら、それこそアメリカのへヴィロック系のバンドっぽい曲になるかもしれないですね(笑)。
「そうだよね(笑)。俺ら、“SKA SKA CLUB”って名前だけど、“スカバンド”ではないっていう自意識が結構あるというか。活動休止の前も、スカパンク、スカコアとかのバンドが山ほどいてスカシーンが盛り上がってたけど、そこと違うよっていうのを言いたくてしょうがないみたいな。でも、こういう名前だからスカバンドって言われ続けるし、別に何を言われても全然良いし。メタリカみたいなもんだと思うから(笑)。」
──(笑)。メタリカだからメタルでしょ、みたいな。
「そうそう(笑)。どんな曲をやっても“メタルバンド”って言われるでしょ。俺らも、例えばツインヴォーカルのバンドにしたこともそうだったけど、何か新しいこと、他のバンドにできないことをやろうみたいのはずっとあるんだよね。その極端な例のひとつが、「Pack your bags」っていう曲になって表れてるというか(笑)。だから、自分たちの好きなことをやっても、何をやっても、逆に言えばそれが俺たちなりの“新しいスカミュージック”っていうことかもしれないよね。」
──そして、今後は? グローバーさん自身の活動もありますし、11人それぞれの活動もありますし。何よりもライヴがまた観たいですけど、なかなかね…。
「そうですね。自分のJackson vibeもあるし、今はレキシも手伝ったりしてるし。僕、やりたいことは全部やりたいタチなんで(笑)。“もうやだな…”って感じることは音楽に対してはないから、本当にどんなペースになるかはその時その時だと思うんだけど、自分が好きな音楽は精いっぱい、全部のチャンネルを使ってやろうと思ってます。いろんなことやってるといろんな人が観てくれるっていうのも、楽しいですよね。SKA SKA CLUBを全然知らなくて、それこそJackson Vibeから入ってきた人もいるんですよ。逆に、SKASKA CLUBを知っててJackson Vibeを知らない人もいるし、山森がやってるROCK'A'TRENCHからSKA SKA CLUBを知った人もいたり。彼はソロを始めるけど、そういうチャンネルはみんな全開でやるべきだと思う。やれることを目いっぱいやって、で、そういうふうに俺たちが好きでやってるのと同じように、聴いてくれる人も好きに楽しんでもらえれば最高だなと思ってます。」
──さらなる新たなアナウンス、待ってますよ!
「決まったらすぐ告知しますんで、待っててください!」
取材:道明利友
(OKMusic)
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