2012-10-20
【SEAMO × SPYAIR】ライヴ感もエッジ感もあるコラボチューン!
ヒップホップのSEAMOとロックのSPYAIRがジャンルを超えた強力タッグを組み、パワフルなナンバー「ROCK THIS WAY」を完成させた。両者の持ち味プラスαが全開となった、激しくて熱い、刺激的な新曲について、SEAMOから話を訊いていこう。
──最初、SEAMOさんとSPYAIRの結び付きが想像できなかったのですが、もともと名古屋つながりだったのですね。
「そうですね。彼らがデビューする頃、名古屋のラジオ局で僕のところに来てくれたんです。彼らは名古屋のキッズだから、『TOKAI SUMMIT』(SEAMOが発起人となり、東海地区をはじめとする全国の音楽シーンを盛り上げるべく、東海地区在住・出身アーティストを中心にスタートしたイベント)とか、僕のやってることや、やってきたことを知ってくれてたんです。その後イベントで一緒になったり、テレビで対談したり。そうこうするうちに、彼らは今年12月に武道館公演をやるまでに成長していた。で、彼らが武道館に向けての意気込みを高める対バンライヴっていうのをやったんですけど、そのひと組として僕が呼ばれたんです。」
──SPYAIRが8月に渋谷CLUB QUATTROで開催した『真夏の3番勝負』ですね。
「はい。“せっかく一緒にライヴするから、コラボできたらいいね”って話から、SPYAIRの代表曲「サムライハート(Some Like It Hot!!)」で僕が即興に近いかたちでラップで参加したんです。それが楽しくて。今までプロのプレイヤーの生演奏で歌うことはあったけど、バンドとやるのは初めてだったので、いつもDJをバックにひとりだけど、みんなでやってる安心感…圧倒的な強さがありましたね。こんなに楽しいなら曲も作っちゃおうって、急ピッチで制作することになったんです。」
──え!? 8月からだと、あっと言う間じゃないですか?
「本当そうです。彼らもノリノリで仕事が早かったですね。彼らはセクションごとに分担制で、歌詞を書くのはベースのMOMIKEN、音を作るのはギターのUZ、ブログとか外に向けて発信するためのプランを立てるのはヴォーカルのIKE。あと、ドラムの細かいビートについてKENTAと話したり。盛り上げ役のENZEL☆を除いたメンバー全員とやりとりして作っていったんです(笑)。」
──楽曲制作の細かな部分までガッツリ組んでのコラボレーションだと。
「うなんです。フィーチャリングじゃない“SEAMO X SPAYAIR”って呼び方がぴったり。最近のヒップホップはクールにいなすものが主流だし、ラブソングしか数字を出しにくかったり…そんなチャレンジができない時代に、ライヴ感もエッジ感もある気合いの入った曲をシングルというかたちで発表できたのは幸せだし、手応えもデカかったですね。」
──ハードなロックのビートに乗せたラップが攻めていますしね。メロディーをIKEさんが歌うことで、ラッパーとしてのSEAMOさんにスポットが当たる曲にもなっているように感じます。
「その通りですね。でも、そこは自然な流れで、一緒に作った自分の素直なレスポンスだったんですよ。彼らと作っていく時に、ヒップホップとロックのコラボだと、例えばリンキン・パークとジェイ・Z、元祖のランDMCとエアロスミスとか。あと、ビースティ・ボーイズ、レイジ、レッチリとか共通言語を挙げながら進めていきました。」
──SPYAIR目線で見ても、異色な激しい曲ですよね。
「彼らも大きな流れの中で活動しているので、何においてもタイミングやバランスが大切だったりするじゃないですか。それで、まだまだ自分たちの好きな音楽やルーツの全部を出し切れていないのを分かってるんですよ。だから、“俺たちこういうのをやりたかったんです!”って言われましたね。」
──両者の良い部分を引き出し合える、最良のコラボができたと。リリックは、自分らしく生きていこうという前進する姿が強く描かれていますね。
「MOMIKENと歌詞のテーマを決める時に、いろいろ世の中も国同士も歪み合ってるけど、ジャンルの違う俺らでもつながってこんなに楽しいことできるんだぜ!ってところを見せたいなと。あと、何もないとこから山を登って、高いところに到達したとしても満足せず、自分のスタイルを世に知らしめる、このスタイルで勝負するんだっていう熱い思いをテーマにしたいって書いていきましたね。」
──希望と夢を持って進んでいこうという、生き方を音楽でぶつけ合ってる感覚があります。
「やっぱりリスナーには、俺らが輝いてる姿を見て勇気をもらってほしいんですよ。でも、俺らも気を張ってるけど、決して順風満帆じゃないし、不安もある。リスナーのみんなと一緒なんだってとこも見せたかったんですね。なので、今までの自分の経験をミックスしてる感じですね。」
──ラップと歌、ギターの掛け合いが、フレッシュなグルーブを生み出しているのもいいですよね。
「そこはむしろ、彼らから“スリリングな感じで盛り上げていきたい”と言われたんです。ギターソロもUZから“やらせてください”と直訴があったし。僕も“燃え上がってる闘志の炎”とか、音に引っ張られてどんどん言葉が出きましたね。」
──では、歌詞に掛けた質問です。《輝きまくれ! プライド》と出てきますが、SEAMOさんにとっての“プライド”とは?
「俺のプライドって、“弱音を吐かない”とか“後ろを向かない”とかじゃないんですよね。ただ、仕事でいうと、これだけ活動していて一度も穴を開けてない。継続してるってことですね。同世代の仲間でもへこたれてドロップアウトしたり、体を壊しちゃったりしてる奴もいる。『Continue』って曲もあるけど、常に続けてるというのは瞬間では評価されないけど、長いスパンで見た時に勝てるんですよ。やり続ける、そこが僕の“プライド”かも。」
──なるほど。異色タッグの結晶とも呼べる「ROCK THIS WAY」ですが、こういう曲をリスナーはどう受け取るのか、反応が楽しみですね。
「まぁ、メッセージとか細かいこともいろいろ語ってきましたが、やっぱり曲全体のパワーを感じてほしいっていうのが一番かなと思ってるんですよ。今までも、てっぺん目指して頑張ろうって曲はあったけど、この曲しかないパワーがある。この曲を聴く時は問答無用に熱くなってほしいです。あと、さっきも言ったけど、ジャンル違いの僕たちでもこんなにつながれるんだから、仲良くして楽しもうぜと。意見の違う人でも、話してみると案外分かり合えるぜってことは伝わってほしいですね」
取材:土屋恵
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