2012-08-20

【bingdon boys school】弾けるもんなら弾いてみろ! バンドキッズに宣戦布告!

 abingdon boys school(a.b.s.)が、約3年振りのシングル「WE aRE」をリリース。バンドとしての新たな決意を込め、より激しくよりキャッチーに、プレーヤー魂の込められた楽曲に仕上がった。

──約3年振りのシングルですが、久しぶりに集まったような?

西川「そうでもないですよ。ちょこちょこ会っていましたよ。」

──その間、みなさんは?

岸「元気でした(笑)。リリースこそ3年振りですが、『イナズマロックフェス』もあったし、メンバーとはプライベートでも会っていたし。いろいろなプロジェクトに参加しながら、今度こういうことをa.b.s.でやってみたいとか、蓄積していた期間でしたね。」

──その溜め込んだものを、全て今作に注ぎ込んだ!と。

柴崎「そこまで爆発的なものはないですけど(笑)。」

西川「でも、3年もリリースにインターバルが空いたので、ファンにとって待った甲斐があるもの、自分たちにとっても久々のシングルだぜ!的なもの、そこはしっかり考えましたよ。」

──岸さんが作曲された曲ですね。

岸「どこを取ってもa.b.s.印になるような曲を作りたいと思いました。ただ、いつもと違ったのは、a.b.s.サウンドの顔はやはりギターなので、あえてリズムアレンジを含めたギターアレンジはメンバーにお願いしたところ。あと、フックをたくさん入れたいというのは意識したかな。」

──結果、フックだらけのインパクトの強い曲になりましたね。

岸「突拍子もないことをうちのヴォーカルが言うので(笑)。」

西川「いろいろな楽曲やデモを聴いたりしていく中で、漠然と思い付いたアイデアをバンバン好き放題言って。嫌な顔をされながら(笑)、“とりあえずやってみてよ”って感じで。」

SUNAO「僕らは歌メロを重視した上でアレンジを考えるところがあって、それによって勝手に限度を決めていたんです。西川くんは、そのリミッターを取っ払ってくれた感じ。実際、ギターを優先して、歌メロのタイミングを変更した部分もあったし。」

──西川さんからは、具体的なフレーズを指示されたりとか?

岸「“そこはダンダンダンってやって”とか(笑)。」

SUNAO「それを音にする時も、“そうじゃない”や“もっとこう”と、本当に何度もやりとりがあったんです。」

西川「そう言っても、僕もただムチャを言っていたわけじゃなくて、どんな波でも乗りこなすんだと自分にもプレッシャーをかけて。“絶対に乗るから波を起こしてくれよ”って。それができるメンバーだと思っているし、せっかくバンドなんだから、各楽器を聴いてもカッコ良いと思ってもらいたいのもあったし。」
──そういう意味では、通常盤のカップリングにメンバーの各パート抜きのバージョンを収録し、初回仕様分にはTab譜が付いているという。ただ、これをコピーするのはなかなか大変そうですが。

柴崎「動画サイトとかを観ると、頑張ってコピーしてくれている人は多くて。でも、CDから2本鳴っているギターを聴き分けてだから…。そこでTab譜にするから、しっかりコピーしてくれよという。その上で、みんなが弾いているのを観てみたいですね。」

西川「“例え弾けても、そのフレーズを生むことがプロなんだぞ!”と、柴崎くんは暗に言っているのでしょう。“それが俺らプロと、おまえらアマチュアふぜいとの違いだぞ”と(笑)。」

柴崎「いやいや、そこまでは言ってないです(笑)。」

SUNAO「実際には、譜面で表現し切れない部分も多々あって。そうゆうところまで、どれだけやってくれるのか楽しみではあります。」

岸「『ギターを弾いてみた』シリーズは多いけど、キーボードバージョンはあまりないので…これを機会にキーボードもぜひ!」

──ゲームソフト『戦国BASARA』のタイアップらしく、“一鬼当千”や“紅蓮託生”とかのコーラスが英語っぽく聴こえて面白かったですよ。

西川「造語もありつつ、日本語とか英語とか縛られず、両方のいいところ取りになればと思って書きました。「JAP」もそうだったけど、聴いた感じをさらにごちゃ混ぜにした感はありますね。」

──あと、タイトルはaが小文字ですが…。

西川「それはa.b.s.を表記する時にaが小文字だから(笑)。これはリスナーの存在を忘れているという意味ではなく、まずは自分たちが心から良いと思うもの、みんなに聴かせるべきだと思っているものを、より多く作っていこうという。そうした自分たちの印、ある種の宣誓、意思表明みたいな意味と思ってください。」

──カップリングの「COLD CHAIN」は、2010年に一度ライヴで披露した曲とのことですが、ファンから音源化の要望も強かった?

西川「ちょうど制作してる時、Twitterとかで“あれはリリースしないんですか?”という要望はいただいていました。そういう曲は何曲かあるので、今後は他の曲もやるかもしれないですね。」

──全編英語の歌詞ですが。

西川「もともと2年前にライヴでやった時は、ほぼ日本語詞で、タイトルが“鎖”だったんです。“新曲やります”とだけ言ってやったから、誰もタイトルは知らないと思うけど、会場にいたファンは、聴けば“あの曲だ!”と分かってくれると思いますね。」

柴崎「英語詞になったことで、よりルーツ感が出たと思います。」

西川「L.A.メタル感ね(笑)。」

SUNAO「10代の頃は“えい!”って音を歪ませて、それが純粋にカッコ良かった。その時の気持ちに戻ってやれた感じです。」

──年齢を経ても日和らないのがいいですね。

SUNAO「固定概念を捨て去って…今までやってきた当たり前を一度忘れて、今やりたいことをa.b.s.では素直にやりたいんです。」

岸「変拍子とかダンスビートとかいろいろあるけど、今後は根底に熱いものがある曲をもっともっと作りたいね。」

柴崎「より大胆で、自分たちでも刺激を感じられるもの。きっとみんなも、そういう曲を聴きたいんじゃないかな?」

西川「誰も聴いたことのないロックをとことん突き詰めます!」

取材:榑林史章

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