馬鹿な男が立っている
雨上がりに
唇噛んで太陽が去るのを待っている
連なるテールライトが
河のように赤く流れる国道で
独り突っ立って風の中

憧れて 人の世に焦がれて
窓枠のもどかしさを
飛び越えてやって来た
魂は燃えている
夕焼けに負けない程
無様に転げ落ちたって
どこまでも信じている

見えざる影に刃を振り翳しては
敗れる事が唯一の生きている証
馬鹿な男が立っている
大事そうに胸に抱えているものは
二束三文のシケた詩
二束三文の真実

現れて
忽然と消えて行く
暁の儚さを
携えてやって来た
魂は燃えている
雷鳴を蹴散らす程
励ましなんて用は無い
目隠しで立ち向かうさ

そうさ 「明日はきっと晴れる。俺には判る。」


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