来週から決まった就職先
住み慣れた この街を後にする
六畳半いっぱいの思い出まとめ
見つけたハードカバーの卒業アルバム

隙間なく書かれた 寄せ書きのページと
少しだけ はにかんだ笑顔の君の写真
窓から差し込んだ オレンジの日差しが
優しく優しく僕を満たす

心に焼き付いた君が
今も僕に笑顔くれる
もう一度だけ目の前で姿見せて
幼い笑顔のままで

アルバムを閉じて向かった場所は
デコボコの砂利道の通学路
今ではその面影さえなくして
排気ガスで曇る国道に変わった

僕の心の中 何重にも重なる
想い出で埋め立てたアスファルトの上に
小さな芽を出して咲かした花の様
強く儚く 笑いかける

心に焼き付いた君が
今も僕に笑顔くれる
何度も何度もその笑顔に救われてる
僕だけの陽だまりで 永遠に微笑みかけて


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