砂の城

過ぎ去ったかつて｢未来｣だった｢今｣が｢過去｣に変わって
僕が生きていこうとしている｢今｣は来ないと気付いた


過ぎ去ったかつて｢未来｣だった｢今｣が｢未来｣としたって
僕がしようとしている｢今を生きる｣なんて見えはしない


夢に見た幻想と無機質な現実を
繋ぐ架け橋を嘘で創ってきたんだ


曖昧な答えは砂上の楼閣と泡沫にとけて
それでもいびつな明日は来るんだ
｢今｣と引き換えにして


揮発性の感情､空白､孤独を
一握の砂で塞いで隠してきた
愛憎劇のように決まり切った結末が僕を待つ


平行線の結論､卓上の空論､それでいいさ
本当の嘘 本当の幻想 本当は気付いていたんだ


誰にだって訪れる未来を
誰もが置いてきた過去を


｢今｣が繋いできたんだ


曖昧な答えと砂上の楼閣と泡沫にとけて
それでもいびつな明日を選んだ
｢今｣と引き換えにして切り開いた


今を生きた僕がいたって
証をこうして作るんだ
足元に散らばった過去と未来をまた拾い集めて