真夜中の小道 燭台ひとつ
静寂をかわす 錆びた足音
先程、あの小部屋で 別れを告げたばかり
泪が止まらず街へと下る

楽しそうに歌えば褒められて
欲望を忍ばせて私、サリエリ
ああ、醒め止まぬ、醒め止まぬ 魔性の灯よ
ああ、夢のレクイエムに会えなくて

吟ずるアルペジオ、小指の音が
気づかれぬように、しんしんと泣く
せめてもの気休めに りんごをひとつ齧る
どうせこの世は忘れたひとの勝ち

人は知ったふうに可哀想だと言う
悲しい言葉など歌えてないのに
ああ、鳴り止まぬ、鳴り止まぬ、叶わぬ色
ああ、夢のレクイエムを愛してた

楽しそうに歌えば褒められて
恋心殺して私、サリエリ
ああ、醒め止まぬ、醒め止まぬ 魔性の灯よ
ああ、夢のレクイエムはもういないのに
ああ、この胸が、この胸が 何も知らず
ああ、あなたのレクイエムを待ち惚けて


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