首に腫瘍のあるハトは
今日も時計台の下にいる
都会の小さな公園で
はじかれてしまった透明な存在
ふくれた喉が重いのか
うつむいて私にも気付かない
アーモンドを1つ投げてやる
お前は悔しくはないのかい?
弱音を吐きそうなこの口に
孤独の種を放り込む
かみくだいてまた強くなる
こうばしい明日が香る
うろたえる赤いランドセル
東京駅で泣いていた
声をかける人も駅員もみんな
少女には敵に見えた
やみくもに「ママ」と叫ぶ声
揺るぎない安心の場所だ
アーモンドを1つ握らせて
私もママを思い出したよ
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