蝉の抜け殻を見つけて名をつける
夏がこのまま過ぎ去っていくみたいだ
『俺たちの秘密だ、誰にも言っちゃダメだ』
君はそのまま、その日から居なくなった
夕焼け小焼け、君の影
飛行機雲を追い抜いて
錆びたブランコ乗り捨てて
夏草、揺れてたんだ
ひぐらしが鳴いてる
夕闇、深くなる
遠くで聞こえる 遮断機の音だ
君の名前を知らないな
何でそんな事、今初めて思ったんだろう
そもそも君は何処に住んでいるんだっけ?
学校も教えてくれなかったし
誰も君を知らないまま
大人になってしまったの
誰も君を覚えてないよ
私だけ、私だけだ
玄関のベルが鳴り響く
1人の少年が立っている
飴玉1つを渡してさ、笑ってさ、走っていったんだ
さよならと言ってた気がした
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