行くあてもなく 一人きり
生まれた街を離れ辿り着いた
渡り鳥の帰る港街
湿った風が今は心地良い
あやふな優しさを
不器用なあなたを愛していた
夢の底に灰色の指輪
私たち変わってしまったと思っていたけれど
本当は何も変わっていなかった
一番星が泣いている
質素ながらも慎ましい
二人のための暮らしがあった
朝も昼も夜も
その家には踊るように光が零れた
いつまでも聴いていたかった
ほろ苦い
あなたのアコーデオン
夢の底に灰色の指輪
あの夜とその朝に
二人は知ってしまったんだ
どれだけ身体抱きしめ合っても
決してひとつにはなれないこと
夢の底に灰色の指輪
私たち変わってしまったと思っていたけれど
本当は何も変わっていなかった
一番星が煌めいている
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