空に飛んでった 風船はいつか
萎んで降りてきてしまった
その様を誰も知らない
知られたくなかったのかな

風に煽られて 鳥に啄まれて
そんな理由があるかもしれない
橋の上でぼんやりしてた
僕は ふと手を伸ばした

緩やかなスピードで 空の階段を降る
頬を伝う雫の様に 涙の様に

ねぇ もう隠そうとしないでよ
ひとりで飛ぶのも 萎むのも
いつだって僕は抱き締めたい
そうしてまた膨らむ船
次は一緒に 空に浮かべよう

瞳の中には青く揺らぐ情景
誰かと笑い合うためにもきっと
誰にも見せられない物
ひとりの空で堪えた

もうだめだ 諦めよう 誰も見てませんように
なるたけ遠く 傷付かぬように 緩やかに降る

許せやしなかったよ
期待を越えたい自分がチラついて
僕はまたひとりのまま
大空に漂う船 いっそ破裂してしまうのもいい
昇る事も 降る事も 向き合う事もなく
宛もなく ただ

緩やかなスピードで空の階段を降る 頬を伝う雫
それでも 僕はまたこの胸を膨らませて
もう一度 この空に浮かべる 何度も浮かべるよ

もう隠そうとしないでよ
弱音ぐらい話せよ 同じ僕でしょ
そうして最後はこの手で
優しく掬ってあげられますように

もう隠そうとしないでよ
自分の弱さに突き立ててた ナイフを
僕は抱き締めたい

ほら 何度も膨らむ船
高い空の向こうを目指して


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