(轟 動 動 轟(ごう どう どう ごう) 視(み)るも無慙(むざん)な 地獄絵の
(轟 動 動 轟) 左手(ゆんで)の端(はし)は 末(すえ)の愛子(まなご)
(轟 動 動 轟) 此所(ここ)は勝母(しょうぼ)の里(さと)に附(つ)き
(轟 動 動 轟) 余所(よそ)へどうぞと 拝み倒し

秋雨(あきさめ)は 山車(だし)に 子良(こら)が 踏(ふ)みしゃがれ
未(ま)だ 幽(かす)かに在(あ)る 息の根を止める 弐(に)の矢

(轟 動 動 轟) 回(み)るは車輪と 地獄への
(轟 動 動 轟) 牛頭馬頭(ごずめず)どもの 駈(か)る荷車(にぐるま)
(轟 動 動 轟) 何其(なんぞ)れ彼其(かぞ)れ 叫(わめ)くとて
(轟 動 動 轟) 車は急(せ)いで 止まりゃしない

嗚呼(ああ) 刻む轍(わだち)に 空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影 ねまる 想いは 聳(そばだ)ち

嬲(なぶ)る霊(ひ)の片(ひら) 媒(なかだち)
嘖(さいな)む 我が慕情(ぼじょう)に 幕下ろす
さあ 廻(めぐ)り行け

脚を取られりゃ 韋駄天(いだてん) 立ち往生
腕をもがれりゃ 弁天(べんてん) 弾かれぬ琵琶(びわ)

(下衆 駕す 貘(げす がす ばく)) 廻(もとおし)まで
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し 危(あや)める

玉を取られりゃ 仰天(ぎょうてん) 後(あと)の祭り
尻を蹴られりゃ 月天(がってん) 番(つがい)の雛(ひな)

(下衆 駕す 貘) 廻(もとおし)まで
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し
(下衆 駕す 貘) 旧(もと)の島で
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し 殺(あや)める

嗚呼(ああ) 刻む轍(わだち)に 空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影 ねまる 想いは 聳(そばだ)ち

嬲(なぶ)る豕(い)の血が 媒(なかだち)
嘖(さいな)む 輪が五条(ごじょう)に 撒(ま)く我羅斬(おろす)
さあ 廻(めぐ)り行け
常(とお)に 刻む轍(わだち)

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