花がそれぞれ季節を持つように
だれもが自分の生きていく場所へ
種を綿毛にのせ いつの日かどこかおり立つのだろう

さざめく黄金色の海のように風に揺れている
実りの時をむかえようとしている 雄々しき小麦を
誇らしく丘からその農夫はじっと眺めている

大地を愛してこの地に残る
赤いスカーフを巻いた若い農夫
白い飛行機雲 その先で暮らすと決めた彼の女

華やかな都会の暮らしと比べ
ここはひどく霞んで見えるのだろう
お互いの道

花がそれぞれ季節を持つように
だれもが自分の生きていく場所へ
種を綿毛にのせ 未だ見ぬ夢を探すのもいい
この地で咲く彼には燃える夕陽と赤いスカーフが

都会から
届いた
赤いスカーフ

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