2012-06-20

【ViViD】今やりたいことを凝縮させた一枚 無限の可能性につながる第一歩

 結成から3年で日本武道館公演を果たすなど、快進撃を続けるViViD。大ヒットシングル5曲を含む、全12曲入り(スペシャルボーナストラック盤は13曲入り)の1stアルバム『INFINITY』は、彼らの“現在”を感じ、“未来”への期待が高まる一作。そんな渾身のアルバムについてシン(Vo)が語ってくれた。

──デビューシングル『「夢」~ムゲンノカナタ~』から最新曲「message」まで、シングル5枚を含む12曲という、内容の濃い一枚に仕上がりましたね。

僕らの場合、シングルでリリースするようなメロディアスでポップなものから、ロックナンバーまで振り幅が広いんですよ。なので、コンセプチュアルな部分で作るのではなく、今僕らがやりたいことを凝縮させたかたちの一枚を目指しましたね。

──どうしても、シングルが5曲もあると、それを中心に構成していかなきゃいけなくなると思うんですけど、それに対してどういう部分をフィーチャーしていこうと思って楽曲制作をしました?

基本的には、新しく作ったものよりもストックから選びました。メンバー全員が楽曲制作できるので、すでに50曲ぐらいストックがあって。その中からメンバー全員で話し合いながら曲順を決めていったんですけど、これがびっくりするぐらい、みんなのイメージしてたものが一致してて。すごくすんなり決まりましたね。

──やっぱり、最初は1曲目から?

そうですね。1曲目っていうのは、アルバムに対する期待感を煽るものである必要があると思ったんで、これまでにないようなロックなナンバーの『live your life』にしたいと思ったんですけど、ここだけは『「夢」~ムゲンノカナタ~』とどっちにしようか、ちょっと悩みましたね。

──なぜ、「live your life」にしようと思ったのですか?

今回、歌詞を書く際に“共感性”というものをすごく大事にしたんです。2曲目の『BLUE』はアニメ『BLEACH』、3曲目の『REAL』は、『「機動戦士ガンダムAGE」キオ編』のオープニングテーマになってるんですけど、たくさんの人に言葉を伝える時に“共感”っていうのは、すごく大事なことだって気付いて。自分自身が感じることが全てではないけど、やっぱり僕が思うこととみんなが感じることが少しでも重なるような歌詞になればいいなと思ったんですね。

──ハードめのサウンドに乗っているのは、“お前らどうしたいんだ?”と問いかける挑発的な歌詞ですものね。

僕も音楽を始める前にバイトをしていたのですが、やっぱり理不尽なことを言われたこともあって…。でも、それをどう受け止めるのかによって人って変わると思うんですね。何が正解かは決められないけど、自分自身を見失うなってことを言いたくて。これが、みんなの心の代弁になればいいなと思って書きました。

──バンドならではのグルーブ感と掛け合いが印象的な「calling」や「RIDE on time」など、インパクトある英詞が耳に残る曲もいいですよね。

個人的には『RIDE on time』のようなロックサウンドの曲が好きなので、これは思うままにすんなり書けたものなんですね。逆に『calling』はサウンドはロックっぽいんですけど、歌詞はあえてフィクション系のストーリーもので、遠距離恋愛をテーマに書いてみたものなんです。

──フィクション系というのがあるんだ!

そうですね。僕、遠距離したことないんで(笑)。基本的に、どの歌詞もサビから書き始めるんですね。そこで言いたいことがバシッと決まらないと全体が締まらないっていうか。逆に、そこが決まればあとは自然とストーリーが見えてくることが多いので。この歌詞は、サビの《Darlin Darlin》が仮歌詞の段階で入ってたので、それを活かすためにはどういうストーリーがいいかなと思って考え始めたんです。

──もしかして、「夏風~endless love~」も?

そうですね。これはさわやかな風が駆け抜けるポップスって感じだったんで、オープンカーで海辺をドライブしてる雰囲気で書いてみようと思って。歌詞ってメッセージとして絶対に届けなきゃいけない熱い想いのものと、一緒に同じ情景を思い浮かべて世界観を共有できるといいものがあると思うんですよ。特に僕はロックヴォーカリストですけど、ルーツはCHEMISTRYだったりもするんで、そういう意味ではいろんなタイプの曲を聴いてほしいという想いもあるんでね。

──「夏風~endless love~」のあとにギターのインストが入ってるというあたりも、いろいろな方向性にアプローチしてる感じはありますよね。

インストに関しては、ギターの零乃がやりたいって言ったのがきっかけですけど、ViViDってメンバーそれぞれのキャラクターがしっかりと出てるバンドなんで、そういう部分でも大事な流れだったんだと思いますね。

──デビューから1年半、待望の1stアルバムが出来上がった、今の心境というのは?

今年の1月に武道館公演を行なってから、よりバンドがソリッドになったんですよ。去年、野音をソールドアウトさせてから、武道館という3倍ぐらいの大きさの会場をいっぱいにするためには、バンドとしてどう大きくなっていかなくちゃいけないかを考えた時に、自然とそうなってきて。僕ら5人、音楽性も少しずつ違うっていうのもあるし、僕としてもいろんなタイプの楽曲を歌えるヴォーカリストでいたいと思ってたんで、無限の可能性を秘めたバンドでいたいという気持ちが凝縮したアルバムになったなと思ってます。

──それが“INFINITY”というタイトルになったわけだ。

そうですね。無茶と言われても大きく掲げた目標に向かって進んでいくのがViViDだと思ってるし、6月末から初のホールツアーが始まるんですけど、それもこの先の無限の可能性につながる第一歩だと思って楽しみにしててもらいたいですね。

取材:大庭利恵

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