2014-02-05
日本のロックシーンに新たな礎を築いた「MONSTER BOX Vol.00」
2月2日、新木場STUDIO COASTにて「STUDIO COAST presents MONSTER BOX Vol.00」が開催された。
ラウドロックシーンに“NWOJHM(ニュー・ウエーブ・オブ・ジャパニーズ・へヴィ・ミュージック)"という新カテゴライズを形成、世間に啓蒙すべく立ち上げられた新イベント「MONSTER BOX」。「様々な音楽の壁を乗り越えられないバンドは死んだ。新たな時代の幕開けの狼煙を上げるべく立ち上がる新世代のAttitudeを叩きつけろ!」──そんな主催者の主旨に賛同した8バンド、6DJが集結。ラウドロック、ヴィジュアル系、そして海外バンドの参戦という異例のブッキングで話題となったこのイベントには、多くのオーディエンスが会場に詰めかけ、約7時間に及ぶ轟音の宴に熱狂した。
14時開場。フロアへ向けて、DJブースから爆音が鳴り響き始める。まずは、岩瀬ガッツ&DJネモト&DJツチオ(METALTIGER)の3人が、各ジャンルを横断していく選曲でプレイ。途中でDJブース前のステージに出てきて、オーディエンスを準備体操と銘打って盛り上げる。そのバトンを受けとったちばっち(ELLE DJ NIGHT)は、TOTAL FAT、SiMといったラウドミュージックを連続してスピン。オーディエンスの興奮をグングン煽り続けていく。大盛り上がりのままフロアが暗転し、ライヴアクトがスタートした。
ライヴアクト1組目は、京都初・ヲタイリッシュデスポップバンド、キバオブアキバ。メンバーが続々とステージに現れる中、ボーカルのふとしはお馴染みのマスク姿で登場。それを脱ぎ、「Internet In Da House」でライヴはスタート。超マイナス思考で八つ当たり的なネガティヴリリックを、攻撃的かつテクニカルなラウドサウンドで爆発させ、一気にフロアを席巻する。盛り上がりを見せる中でも「オープニングアクトということで、特典映像みたいな感じで楽しんでいってください」「自分の部屋以外は一緒なので一生懸命頑張ります」と、後ろ向き&引きこもり体質全開なMCで笑いを誘う。そんな発言とは裏腹に「ファイナル☆クエスト」では、フロアにサークルモッシュが発生。暴れ狂うオーディエンス達へ向けて、「全部宇宙が悪い」をドロップ。浅井(Samp&Vo)がオタ芸で、もら(Gt)のギターソロを盛り上げるなど、キレのあるアクションを見せつける。ラストは「君と!君と!君と!アニメが見たーーい!!」の一言から、「Animation With You」。終始超ハイテンションで駆け抜けて行った。
続いてのライヴアクトはMAKE MY DAY。「Once」で幕を開けると、フロアには早くもサークルが出現。スクリームを交えながら、徹底的にオーディエンスをアジテーションするIsam(Vo)と、パワフルにメロディーを歌い上げるJulian(Gt/Vo)の対比が、サウンドの壮絶さに拍車をかけていく。「一緒にやってみて分かったんだけど、ハードコアもヴィジュアル系も関係なく、みんな同じミュージシャンです。言ってみれば、もう僕達は準備できてるんですよ。あとはお客さん達だけなんです。行けるのか新木場!」とJulian。オーディエンスの大歓声が上がる中、「世界に、大人に、ファックユー」とIsamが中指を突き立て、オーディエンスもそれに応えた「What Are You Fighting For」や、ブレイクダウンなどを盛り込んでラウド仕様にビルドアップしたLMFAOの「Party Rock Anthem」のカヴァーで、会場をアゲまくる。「アメリカに行っていろいろ活動したんだけど、ヴィジュアル系だろうとハードコアだろうと、日本人全然負けてねぇよ! そのために俺がまず日本でナンバー1取ってやる。お前ら全員アメリカに連れてってやるから覚悟しとけよ!」。Isamの力強い宣言の後、ラストに「The Ark Sailing Over Truth」をドロップ。凄まじい熱狂に包まれたまま、ステージを締め括った。
「全員丸ごと最後まで楽しんでいこうぜ!」と、ko-hey(Gt.)のハイテンションな第一声で幕を開けたARTEMAは、「REALIVE」からライヴスタート。エレクトリーモサウンドに2ステップで踊り狂うオーディエンス達へ向け、「Divine Judgement」を立て続けにドロップ。「回れ! 暴れろ! ハードコアの時間だ!」と煽り倒し、テコンドーモッシュを誘発。続く「Dancing Field」は、4つ打ちパートではクラップを、キャッチーなメロディーが炸裂するサビではクラウドサーファーを続発させた。MCでは「今後大きくなっていくイベントの第一弾に呼んでいただいて本当にありがとうございます!」と感謝を告げた後、「このクソ熱いのに、なぜウチのボーカルは上着を脱がないのか、その答えはCDにあるので買ってくれ! 今年に入ってから俺のMC絶好調!!」とko-heyがフロアの笑いを誘いつつ、後半戦へ突入。「2ステでもいい! ヘドバンでもいい! 自由に感じたままに身体を揺らしてくれ!」とMEG(Vo.)が煽る中、「LITE SABER」をドロップ。ラストの「Operation Revival」ではラップ、EDMなど様々な音楽性をミックスさせ、アグレッシブに昇華した独自のサウンドを叩き付けた。
メンバー板付き、幕が開いた瞬間にスタートしたのはNoGoDのステージ。「新木場! てめえらのデカい声聞かせてくださいよ!!」と、開始早々ハイテンション、ハイトーンボイスで煽りまくる団長(Vo.)。そこから「神風」「絶望バイバイ。」とメタルチューンを轟かせて行く。ヘッドバンギングだけでなく、彼らのライヴでは普段見かけない、2ステップをしているオーディエンス達の姿もフロアにはあった。「本日最大のヤマ場にしてオチ場、NoGoDでございます!」とオーディエンスの笑いを誘いつつ、「今日はメタル、ラウド、ヴィジュアル系、そんなもん全部ぶち壊しに来ました! オオカミだって、覆面だって許される時代だろ!?お前達だって俺達の音楽受け入れてくれるよな!?」と「パンドラ」をドロップ。「Carnival」ではヘヴィなグルーヴで攻め立てて、コール&レスポンスを巻き起こし、会場の興奮をぐんぐん高めて行く。そして「ここで一番ダセえ奴は音楽を全身で感じられねぇ奴、ここで一番カッコいい奴は音楽を全身で感じられる奴だ!」と盛り上がるフロアの火に油を注ぎ、ラストは「STAND UP!」。クラウドサーファーのみでなく、ヘッドバンギング、サークルモッシュが同時発生する熱狂的なカオスを生み出した。
また、転換中にはDJ陣がブースでプレイ。休みなくフロアを盛り上げ続けた。キバオブアキバの後に「俺もアニメ好きなんで、アニソンぶち込みます!」と始めたのはDJ O-ant。途中で「今日はヴィジュアル系もかけていいってことで、バンギャさんも楽しんでいって!」とR指定やユナイトの曲も流すなど、オーディエンスを喜ばせていた。
「好きな曲かけちゃっていいですか?」と、MUCC、Sadie、LM.Cなどヴィジュアル系をメインに流していたのはDJ狂犬。ステージを終えたライヴアクト一組ごとに声をかけたり、SLAYERやMetallicaといったメタルレジェンドもしっかり入れ込んだ選曲など、イベントの意義を確固たるものにすべく、常に走り回り続けていた彼もまた、この日の功労者とも言えるだろう。
壮大なSEが流れる中に登場してきたライヴアクト5組目は、沖縄出身のROACH。4つ打ちのロックチューン「HIGH FIVE!!」からライヴスタート。taama(Vo.)は、オーディエンスのサポートを受けながら、フロアに身を乗り出し熱唱。いきなりテンションをピークにまで高め、そのまま「LINE」へ突入。また、“大好きなゲストを連れて来たから盛り上がって行ってくれ!"と、ミヤ(MUCC)と左迅(ギルガメッシュ)を呼び込み、「No Reason in the Pit」を披露。Ustream番組『NWOJHMチャンネル「MONSTER BOX Vol.00」直前スペシャル』で急遽決定したこのセッションで、フロアはクラウドサーファーと2ステップで一気にぐしゃぐしゃに。また、乱入したDJ狂犬がtaamaに促されてフロアへダイブするなど大盛り上がりだった。そして、コール&レスポンスが巻き起こった「MAKE HERE HELL」を経て、「明日生きてくために、今日死ぬほど笑って帰ろうな! 俺達の未来は俺達で作って行こうぜ!」と煽り、ラストの「GET MORE!!」でもう一暴れ。最後にtaamaの先導のもと、「モッシュピットでー!」「会いましょうー!」のコールでフロアにハッピーな空気を生み出し、ステージを終えた。
DJブースではDJダイノジのプレイがスタート。大谷が「ジャンルの壁を壊すってことなんで、今からかける曲をラウドロックと解釈して、このフロア全員で完成してください!」とエイトレンジャー(関ジャニ∞)の「ER」を流すなど、自由奔放なスタイルで沸かせ続ける。また、MUCCの「蘭鋳」ではミヤが乱入して大地と2人でエアギターを披露したり、「People=shit」では、乱入した団長がSlipknotの各パートを一人でモノマネするといった場面も飛び出した。
メインステージにはlynch.が登場。真っ赤な照明に照らされる中、葉月(Vo.)の「lynch.です、よろしくお願いします!」の一言から、すぐさま1曲目の「TIAMAT」へ。壮絶なスタートダッシュを見せ、そこから「ALL THIS I'LL GIVE YOU」になだれ込み、激しく攻め立てていく。そこからも間髪入れずに「THE FATAL HOUR HAS COME」「-273.15℃」とハードチューンを連発。まったく勢いを落とすことなく、むしろドライブ感をグングンと増しながら突き進んで行った。「ジャンルの壁壊せてますか? 元も子もないこと言うとね、俺、壁はないと思ってるんですわ。そんなもん全然関係ない。ただ、ロックにどうしても必要なものはカッコ悪いのか、カッコ良いのか、その2択で充分です。僕らはカッコいいライヴやって帰るので、皆さんもカッコよく暴れて帰ってください」と葉月がオーディエンスの大歓声を煽った後「VANISH」へ。そこからも「HIDDEN」「INVINCIBLE」と、アッパーにひたすら疾走し続けていく。「俺らを初めて観た人も、ずっと10年間付いてきてくれた人も、全員に捧げます。俺らとお前達の終わらない歌です!」とラストナンバーは「NIGHT」。潔さと爽快感のあるステージで熱狂を巻き起こした。
続いてブースにてDJ MASAAKI YAGUCHIのDJがスタート。NIRVANA「Smells Like Teen Spirit」、Queen「We Will Rock You」、T-REX「20th Century Boy」といったロックの名曲達をクラブリミックスし、フロアを盛り上げる。「MONSTER BOX、何が素晴らしいって、楽屋裏がみんな本当に楽しんでて。それに乗せられてみんなアガってる感じがすごいするんです。お客さんが素晴らしいのはもちろんだけど、このメンバーも本当に素晴らしいと思います!」と、オーディエンスのみならず、この日の出演者達にも熱いメッセージを送っていた。
続いて、今回唯一の外国勢、ドイツからの参戦となるESKIMO CALLBOYが登場。内臓の奥底がビリビリと震えるほどの凶暴な重低音が撒き散らされる中、Sebastian Biesler(Vo)と、Kevin Ratajczak(Syn&Vo)が姿を現わし、オーディエンスを挑発。そこから他のメンバーがステージに現われたのだが、メンバーのDaniel Klossek(Ba)が血まみれの着ぐるみを着ていたりと、もう登場だけでヤバさ全開だ。ライヴは日本デビューを果たした最新作『We Are The Mess』の収録曲を中心に進行。ど頭から強力なエレクトリーモサウンドで席巻したタイトル曲の「We Are The Mess」を始め、タイトルのごとく、超パーティーモード全開な「Party At The Horror House」では、オーディエンスを全員座らせ一斉にジャンプさせたりと、ダイナミックなサウンドを次々に叩きつけていく。SebastianとKevinのツインボーカルによるスクリームの応酬はとにかく破壊力抜群で、オーディエンスの熱狂を天井知らずの勢いで上げていた。他にもSkrillex「Cinema」のカヴァーや、「Voodoo Circus」ではサークルモッシュが発生、ラストの「Is Anyone Up」ではオーディエンスのシンガロングを巻き起こし、圧巻のパフォーマンスを締め括った。
そしていよいよ、イベントのトリを務めるギルガメッシュが登場。左迅の「ARE YOU READY!!!」の煽りで「お前に捧げる醜い声」からライヴがスタート。一瞬でフロアをカオス状態にし、続けざまの「Drain」で更に興奮を煽って行く。「ヴィジュアル系っていうシーンで10年間活動してきたけど、偏見を持たれやすいシーンだなっていうのは感じてるんですよ。すごいいろんなバンドがいるから、勝手な決めつけとか思い込みで判断されたくないっていう想いがあって。だから、自分の目で観て、耳で聴いて、感じたものを最後まで楽しんで行ってください。今まで築き上げられてきた音楽シーンを変えることは出来ないけど、俺達がこれから新しい歴史を作ることは出来るんじゃねえのか!?」と、オーディエンスの大歓声を受けた後「斬鉄拳」へ突入。そこから「INCOMPLETE」「antlion pit」「DIRTY STORY」とラウドチューンをノンストップで畳み掛けつつ、「お前らヘバってんじゃねぇぞコラ!?」と檄を飛ばして「VOLTAGE」へ。オーディエンス達は叫び声をあげたり、頭を振り回したり、走り回ったりと、思い思いにフロアを暴れ回っていた。「これからもヴィジュアルロックシーン、ラウドロックシーンを、応援よろしくお願いします!」と願いを込めた大絶叫の後、ラストは「evolution」。この日一番の熱狂を持って、約7時間に及んだイベントを締め括った。
日本のロックシーンに新たな礎を築くため産声をあげた「MONSTER BOX」。記念すべき初回開催を大成功に終え、気になるのは次回開催についてだが、現在、2014年秋の開催に向け準備中とのこと。来るべきその日のために、様々な音楽を観て、聴いて、体感して、楽しんでほしい。なぜならば、様々な壁を越えていくためには、音楽を愛するオーディエンス/リスナーである、あなたの力が何よりも必要なのだから。
TEXT 山口 哲生
PHOTO BY 洲脇 理恵(MAXPHOTO)、maru
MONSTER BOX オフィシャルHP
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