2017-06-24

Suchmos、新作リリースに先駆けショートフィルム&森 健によるライナーノーツを公開

7月5日に新作「FIRST CHOICE LAST STANCE」をリリースするSuchmosが、ショートフィルムを公開した。 また、ショートフィルムと同時にジャーナリスト・森 健によるライナーノーツも公開となったので、こちらも合わせて楽しんで頂きたい。

■Suchmos ショートフィルム


https://youtu.be/xrTQNf-90Qc■【ジャーナリスト 森 健によるライナーノーツ】

陽が落ちていく。遠くでクラクションが聞こえる。手元の機器がメッセージの着信で青く光る。君は画面を確認し、すぐに消す。返すか、見過ごすか。
数秒数えて、上を向き、ひと呼吸して、打ち返す。
窓を開けたい。その扉の向こうへ。広がる夜を見上げたい。
それでも君は動かない。今日は、今夜は。
明日はどうだろうか──。
目をつぶり、そう願いながら、君はつないだイヤホンを耳にあてる。
 
最初に出会った仲間と生み出した音楽。それでやっていくと決めた。
その彼らが昨日とは違う場所へ行こうとしている。
手には新しい音、胸には古いジョーク。
大事な固い石は最初の場所に置いたまま、遠くへ、知らない場所へ。
そこで君も感じとる。自分ももっと自由な場所へ。もっと気持ちのいい場所へ。
 
走っているときには気づかない。自分が何を見ているのか、何を手にしているのか。
飛んでいるときには気づかない。どのくらいの速さなのか、どこを目指しているのか。
けれども、彼らは何かを手渡していく。
君はそれに触れ、手にしたものを確かめる。いつくしみ、呑み込み、刻みつける。
誰かにも伝えたい。
そして、君は別の誰かへと渡していく。その誰かはまた別の誰かへと。
点と点がつながり、線と線が交差する。この湧き上がるうねりに誰と触れよう。
この音をどうやって街に刻もう。

夜を伝わる彼らの揺らぎは、君の重りを外していく。
聞いたろ──。そう送れば、あの子がうなずき、あいつが笑う。粗雑な返事だけですべてが伝わる瞬間。夜の匂いとこの音だけで、すべてが充たされる。ここにいなくても、みんな同じ何かを感じている。

手元の液晶から響く音は、いつしか地を揺らす振動となって、君を包んでいく。
君は問いかける。
もう少し先へ。
彼らが呼応する。
いや、もっともっと先へ──。
それなら、どこまで──。
まだ見ぬ地平を夢想して、イヤホンを外しながら、彼らのいざないに胸を奮わせる。
 
その新しい出発点に君は立っている。
FIRST CHOICE LAST STANCE
いま彼らとともに。

ジャーナリスト 森 健

■「FIRST CHOICE LAST STANCE」

2017年7月5日発売
KSCL-2940/¥1,000+税
<収録曲>
1,WIPER 
2.OVERSTAND

◎初回仕様限定盤
・ストリート仕様
・Suchmos ロゴステンシルシート封入

■『F.C.L.S. LIVE』

7月02日(日)  東京 日比谷野外大音楽堂 ※SOLD OUT
7月09日 (日) 大阪 大阪城音楽堂 ※SOLD OUT



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元記事
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