2012-02-20

【SCANDAL】5年間の集大成となる 武道館の先を見据えて放つ新曲

 ガールズバンドの頂点を目指すSCANDALが、約半年振りのシングル「HARUKAZE」と、ベスト盤『SCANDAL SHOW』をリリース。さまざまな想いを乗せて、3月28日の日本武道館に向け、追い風となる作品になった。

──「HARUKAZE」はアニメ『BLEACH』のオープニングテーマとして昨年10月からOA中で、イントロはバラードっぽいと思ったけど、歌が入るとすぐに疾走感のある感じになるという。

HARUNA 聴けば聴くほど印象が変わる曲です。バラードとまではいかないまでも、今までの激しい感じとも違うし、ポップな面もある。SCANDALの新しい一面を見せられる曲だなと思いきや、ライヴでやったらすごく映える曲だという発見もあって。作り手側から見ても、いろいろな魅力がある曲だと思います。

──イントロがアルペジオのギターで、すごくキラキラしていて。

MAMI リフにするかアルペジオにするか、最初すごく悩んだけど、さわやかな感じを出したいということで。結果、今までにない壮大さを出せたと思います。聴いてくれる人にも、このイントロを聴いたらアガる!っていうふうになってほしいですね。

──“HARUKAZE”とローマ字表記なのがポイントですね。

TOMOMI 春の曲って断定したくないなって思って。始まりとか、何かを決断をする時に吹く風の表情みたいなイメージですね。

──《ごめんもう先に行くよ》というフレーズが良い!

HARUNA グサッと来る感じにしたくて悩みました。今まではメッセージを込める時、きれいな言葉でまとめちゃっていた。でも、人生には傷付くことや傷付けてしまうことがあるし、それを経験することで人は成長していくと思うので。

RINA さらっと聴くと、きれいな歌詞できれいなメロディーなんだけど、メッセージの部分はちゃんと尖っている! この曲にチャレンジしたことによって、4人の気持ちも一段階上がることができたし、武道館にチャレンジすることも考えられるようになったし。ホールツアーの最終日に歌った時なんか、泣いて聴いてくれている子もいて。この曲には何かパワーがあると思います。

TOMOMI 歌詞は、今の自分たちの思いに対してもすごくリアルです。今の自分たちだからこそ歌える曲だと思います。

──SCANDALも新しい何かに歩き始めているんですね。

MAMI そうだと思います。

HARUNA 武道館はこの5年の集大成だと思って。でも、そこからですね。自分たちに何ができるかを考えないといけない。

──そんな「HARUKAZE」も収録したベスト盤『SCANDAL SHOW』。業界的に言うと、3月はベスト盤のリリースが多いんですよ。

HARUNA いろいろ言われました。武道館をやってから出したほうがいいとか(笑)。でも、自分たち的には、このベストって今までのライヴの歴史のベストでもあるので、これをしっかり聴いてから武道館に来てほしいという気持ちが強くて。だから、誰に何を言われても関係ない!と思って。

RINA いつ届いたらみんなが一番うれしいか、だけです。

TOMOMI 変に気にするよりも、自分たちが出したくて伝えたい時に出せるのが、一番良いと思うし。

HARUNA 良い作品であれば結果は自ずとついてきます。

──選曲と曲順は、ライヴのセットリストっぽいですよね。

HARUNA まさにそうです。まずメンバーだけで、豚しゃぶを食べながら(笑)、ぶっちゃけてそれぞれの意見を出して。

MAMI でも、結局、意見はほぼ一緒でしたけどね。

TOMOMI 自分たちが好きな曲って、やっぱりライヴで楽しい曲なんだねって。自分たちが好きで、ライヴでやって楽しくて、気持ちが良くて、“ライヴの鉄板”という曲から選んでいきました。

RINA 大納得の選曲です。でも、個人的には、みんなに早く聴いてほしいけど、まだ自分の中で取っておきたいのもあって。うれしいけど複雑なんですよ(笑)。例えば日記とか、この時こんなめっちゃ楽しいことがあったって、みんなに話したいと思うのと同時に、自分だけの宝物にしておきたいじゃないですか。このベストはそういう、ほんまにめっちゃ大事なものなんです。

TOMOMI 音楽にあまり興味を持っていなかった頃は、ベスト盤ってアーティストなら必ず出すものだと思っていたけど、バンドを始めてからは、ベストを出せるのは本当に大変なことだと分かって。それがいざ出せるとなって今思うのは…やっぱりアルバムだということ(笑)。一枚の新しいアルバムという気持ちです!

──1曲目「HARUKAZE」と2曲目「少女S」という流れは、歌や声のテイストのギャップがすごいですね。

HARUNA 「少女S」の時は、がむしゃらでした(苦笑)。

RINA めっちゃヘタやもん(笑)。でも、どの曲も今聴いても全部カッコ良いと自分たちで思えるのはうれしいですね。昔の曲を今でもカッコ良いと思えるのは、すごく大事だと思う。だから、「HARUKAZE」も5年経ってもカッコ良いと思えるものにライヴで成長させていきたいんです。そういう曲を多くやりたい。

──さて武道館ライヴ直前ですが、武道館に向けての気持ちを!

HARUNA 久々にガチで盛り上がれるライヴを楽しみたい。深いことは考えずに、フィーリングだけで楽しんでほしいです!

MAMI 一日だけなので、とりあえずマジメに遊びます。緊張感もあるけど、ワクワクした気持ちのほうが大きいです。バンドってこんなに楽しいんだよってこと伝えたいし、みんなで一緒に楽しむことをひとつの大きな目標にして頑張ります。

TOMOMI “SCANDAL vs BUDOKAN”なので、観に来てくれたみんなと一緒に、武道館をぶっ倒すパーティーみたいな(笑)。みんなの一生に残るような、悪ふざけがしたいです!

RINA スタッフのほうがビビってるんちゃうかな(笑)。きっと初めて観る方も多いと思うし、その人の人生で最初で最後のライヴになるかもしれない。とにかく楽しい!ということを、どれだけその人に色濃く残せるか。また観たいと思ってくれたら最高です。その人の人生が変わるくらいのものを魅せます!

取材:榑林史章

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