2017-12-26

この季節に聴きたくなるバラード5曲

2017年も残り僅かとなりました。毎年そうですが、「1年が過ぎるのは早いなぁ」と思いながら、年が明けてしまうと、また春が来て、夏がやって来てと…日々の仕事や生活に追われる人たちも多いことでしょう。そして、12月と言えば、やはりクリスマスということで、東京はまだ雪は降っていませんが、寒い日が続いています。こんなときは家の中でじっくりバラードに浸りたいものです。音楽を聴きながら、今年1年を振り返るのもいいし、来年はこんな年にしたいなと考えるのもいいかもしれません。とりあえず、今はケーキを食べながら、バラードに浸りたい心境です(笑)。では、私的お薦めのバラード5曲です。

■「366日」(’08)/HY

沖縄を拠点に活動する5人組、HYの紅一点・仲宗根泉(Key&Vo)がインスタグラムから派生した『1分間のラブソング』というCDまで今年10月にリリースした。彼女はHY初期から恋愛にまつわるバラードを書き上げ、自らリードヴォーカルを務めるかたちで、「あなた」、「NAO」、「Song for・・・」などファンの心をギュッと鷲掴みにする名バラードを書いてきた。そして、「366日」は1年365日でも足りないくらい思いが溢れている、という心情を込めて+1日という曲名になっている。これは映画×連続ドラマ『赤い糸』主題歌にも抜擢され、多くの人にHYや仲宗根泉の魅力が知れ渡った名バラードである。切ない歌詞とメロディーに耳を傾けるだけで、涙腺が緩んでくる。

■「Missing」(’86)/久保田利伸

今年で19回目を迎えた『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO』。北海道小樽市の石狩湾新港樽川埠頭横 野外特設ステージで行なわれ、個人的にも初めて訪れたのだが、北海道の雄大な景色と空気の中で観るライヴは最高だった。その2日目(8月12日)の18時半に登場したのが久保田利伸で、日も静まり、辺り一面が暗闇に包まれる中、ライヴ中盤にやってくれたのがこの「missing」でした。イントロが鳴り響いた瞬間に鳥肌が立ち、魅惑のソウルフルヴォイスに聴き入ってしまいました。年齢世代を問わず、多くの人を魅了する珠玉のバラードと言っていいでしょう。86年に出た音源ですが、30年以上の時を経ても、心に深く染み込んできます。

■「Wherever you are」(’10) /ONE OK ROCK

この曲は4thアルバム『Nicheシンドローム』に収録された楽曲で、約5年後にNTTドコモのCMソングに起用され、異例のヒットを記録した。そういう意味で非常に珍しいパターン(時間を要したということ)で認知されたことになる。シングルカットもされなかったので、バンド的にはアルバムの中の一曲という位置付けだったのだろう。曲調自体はパワーバラードと言えるもので、英語と日本語を絶妙に織り交ぜたバランスも良く、Taka(Vo)の繊細な歌メロは圧倒的な輝きを帯びている。

■「Always」(’94)/BON JOVI

アメリカン・ハードロックを代表する彼らも、上級のバラードを多く作っています。「I'll Be There For You」、「Never Say Goodbye」、またJon Bon Joviのソロ曲であのスーパーモデル、シンディ・クロフォードとMVで共演し、大きな話題を呼んだ「Please Come Home For Christmas」も知っている人が多いかもしれません。ここではBON JOVI名義で発表されたこのラブバラード「Always」を取り上げたいと思います。これは94年にリリースされた初のベスト盤『CROSS ROAD』に新曲として収録された楽曲で、大ヒットを記録しました。Jonの味わい歌声はもちろん、サビの突き抜けっぷりが素晴しく、一度聴いただけで耳に、心に残り続ける楽曲です。体の奥底から元気が沸いてくるような、不思議なパワーもこの曲から感じます。

■「Headed For A Heartbreak」(’88) /WINGER

『LOUD PARK '17』で来日を果たしたWINGER。10代の頃に熱狂的(今でもそうですが)なハードロック/ヘヴィメタル好きだった僕は、彼らのセルフタイトルを冠したデビューアルバム(88年発表)を購入し、一発で大好きになった。未だににこの作品は好きで、自分にとって一生聴ける/聴きたいと思える数少ないアルバムのひとつです。とにかくメロディーが美しく、アップテンポな曲調も抜群だけど、バラードを書かせても一級品のナンバーを書き上げてます。この曲はドラマチックかつストーリー性に長けた曲調で、キップ・ウィンガー(Vo&Ba)の渋味の効いたヴォーカル、そして、レブ・ビーチ(Gu)の泣き泣きのギターソロに魂を根こそぎ奪われてしまう。個人的に人生のベスト5に入る名バラードです。ぜひ、聴いてみてください!

TEXT:荒金良介



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