2018-04-24
Yogee New Waves、アジア3カ国を含めた全国ツアーの新木場公演が大盛況にて終了
最高気温が26度を超えるなど、まさかの夏日となった2018年4月20日。Yogee New Wavesのワンマンライヴが東京・新木場STUDIO COASTで開催された。筆者は開場の18時ころから約30分後に到着したが、すでにフロアは大入り。場内BGMでは、坂本慎太郎のサイケ・ソウルやムーディマンの埃っぽい質感を持ったディープ・ハウスなどが流れ、心地よいチルな空間のなか、観客はそれぞれ談笑したり身体を揺らしたりしている。
予定時間を少し過ぎた19時15分頃、YogeeのライヴSEではおなじみのマッドリブ「Stormy」が流れ、メンバーが登場。ドラムスの粕谷哲司、ギターの竹村郁哉、ベースの上野恒星、フロントマンの角舘健悟の順に出てくると、1曲目に演奏されたのは「World is Mine」。まずは角舘の歌声のみでいきなりフロアーを掌握し、相次いで“ヨロシク”と放つやいなや、オーディエンスも大歓声で応える。2ビートの跳ねたロックンロール・チューンにいきなりライヴはダンス・パティ―に変貌。続いて演奏された「Fantasic Show」で、角舘は彼のチャームのひとつでもあるエルヴィス・プレスリー風のステップを披露。筆者は2階席からこの日の公演を観ていたのだが、カラフルにめかしこんだ若者たちが、思い思いに踊っている光景は、幸福感に溢れていた。
「Ride on Wave」のあと、新EP『SPRING CAVE e.p.』の収録曲「Boyish」を演奏。ブラジリアン・ポップスを思わせるパーカッシヴなリズム感が特徴のスタジオ・ヴァージョンと比較して、ライヴではよりロック色を増したパワフルなアレンジになっていた。詳しくは後述するが、この日のライヴは、4人のさらにロック・バンドとして逞しくなった姿が印象的。「Summer」では竹村がステージ前方に飛びだしてギターソロを弾きまり、「Dive into the Honeytime」ではサーフ・ガレージ的な疾走感から間奏でマッドチェスターのグルーヴ感をぶつけていく。特に後者での角舘の艶やかカリスマティックな振る舞いは、まるでボビー・ギレスビー(プライマル・スクリーム)が憑依したかのようだった。
そして、この日最初の長めのMCでは、本日が事実上のツアー・ファイナルであることを明言するとともに、4月30日(月・祝)に開催する裏ファイナル的な趣の沖縄公演を紹介し、今ツアーの出発点ある最新EP『SPRING CAVE e.p.』について語り、そこでは架空の洞窟に咲く凛々しい花を、バンドがスタジオで育んでいく楽曲へとなぞらえた。“このSTUDIO COASTもひとつのSPRING CAVEだと思うんです。だから、ここで咲いた花をみんなが持ち帰って誰かに渡してほしい”という言葉が、観衆の胸に響いていた。
「Hello Ethiopia」「C.A.M.P」と心地よく踊らせるミッドテンポ・パートが続いたあと、Yogee New Wavesという名をこの世に知らしめた「Climax Night」。“一緒に歌ってくれるかい?”というMCを受け、サビでは大合唱が巻き起こる。そして、文字通りのクライマックスを迎えたあとに演奏された「HOW DO YOU FEEL?」と「Summer of Love」は間違いなくこの日のハイライトであった。心地よい低音で会場を揺らした前者。そして後者は現在パッケージ化されていない新曲ながら、実はSPRING CAVE のイントロにギターリフを予告編的に配したナンバー。ヒプノティックなリフと推進力たっぷりのビートに絡めたこの曲は、U2やコールドプレイといった海外シーンの王者を思わせる広大なスケール感を持っており、そのスタジアム級というべきビッグなアンセム感は、彼らの新たな代表曲になる予感を漂わせていた。
そして、“何も言うことない、今日は音楽が言っているからいいや”と語り、『SPRING CAVE e.p.』のリード楽曲「Bluemin' Days」を演奏。《花束をあげよう》という、大切な人々へと向けたコーラスをオーディエンスは手を上げて受け止めた。さらに、この夜の盛り上がりとしては最高潮をマークした「Like Sixteen Candles」、「Good Bye」を挟み、本編は「SAYONARAMATA」で幕切れ。《ラーラララララ》という最後のリフレインが、名残を惜しむかのように続いていた。
もちろんアンコールを求める拍手、歓声は鳴り止まない。つかの間の休息を終えると、メンバーの4人はステージに再登場。アンコールの1曲目は、『SPRING CAVE e.p.』収録曲「PRISM HEART」。竹村のメロウなギター、上野の柔らかなベース、粕谷が叩く心臓の鼓動のごときビート、角舘の包み込むヴォーカル――グルーヴや言葉、歌がまるで伝染していくかのように、じんわりと音楽がこの日にいた一人一人へと届けられていく。最後は、『PARAISO』から「Megumi No Amen」と「Dreamin' Boy」。飛び跳ねながら前方へと集まるクラウドたち。最後の最後には、角舘がステージに飾ってあった花束をフロアーに投げ、この日のライヴは大団円を迎えたのであった。
この翌日、STUDIO COASTの公演にも足を運んだというYogeeをずっと追いかけているファンの女性に、あるライヴハウスで会った。そこで、彼女が2015年頃から作成している、Yogeeの写真やセットリスト、メンバーに直接もらったメッセージなどを公演ごとにまとめた手製のファンブックを見せてくれた。そのバンドへの愛情のみで成された冊子は、間違いなく宝物であったが、おそらく彼女はYogeeの音楽から受けた感動を種に、彼女ならではの《花束》を作ったのだと思う。だから、角舘やメンバーにも伝えたい。“ちゃんと伝わっているよ”と。Yogee New Wavesが種を撒き、水を与え、開花させた花は、この国のみならず、山を越え海を越え、世界中で色とりどりの花を咲き誇らせているのだろう。かつてか今か、あるいは未来で。
Text by 田中亮太
Live photo by 古溪 一道
【セットリスト】
01. World is Mine
02. Fantasic Show
03. Ride on Wave
04. Boyish
05. Summer
06. Dive into the Honeytime
07. Hello Ethiopia
08. C.A.M.P.
09. Climax Night
10. HOW DO YOU FEEL?
11. Summer of Love
12. Bluemin' Days
13. Like Sixteen Candles
14. Good Bye
15. SAYONARAMATA
<ENCORE>
01. PRISM HEART
02. Megumi no Amen
03.Dreamin Boy
『Bluemin' Days TOUR 2018』
4月30日(月・祝) 沖縄 output
EP『SPRING CAVE e.p.』
2018年3月14日発売
【初回限定盤】(CD+DVD)
VIZL-1315/¥2,300+税
<収録曲>
■CD
01.intro
02.Bluemin' Days
03.Boyish
04.PRISM HEART
05.Summer of Love(Sinking time ver.)
06.Ride on Wave [Sweet William Remix]
■DVD ※初回限定盤のみ
・Documentary『YOG of Bros.』
・World is Mine(MV)
・SAYONARAMATA(MV)
・HOW DO YOU FEEL?(MV)
【通常盤】(CDのみ)
VICL-64929/¥1,500+税
【関連リンク】
Yogee New Waves、アジア3カ国を含めた全国ツアーの新木場公演が大盛況にて終了
Yogee New Wavesまとめ
竹原ピストル、マンウィズ、Official髭男dismなど4月リリースの作品6作を紹介
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キズ / 『仇』
来夢さんの歌詞ほんとにグッと来る。この先ずっとかっこいい歌
詞歌ってて欲しい。
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Neverland / 『HumaNOISE』
歌詞合ってる?
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
ジャケットイラストのギャグが最高です
咲人さんのイラストに影響されて女性の友達とクリスマスに
シードルを飲もうと考えました 断わられました
咲人さんの絵は手つかずの新雪のよう 語学の勉強も真面目
です
咲人さんの絵はとても良いのでこれからも描き続けてくださ
い 独創的かつ笑えるイラストです 好きです
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
インサクリファイスが好評です ナイトメアメンバーで仲間
の飲み代をまとめて払うと雑誌で語っておられた咲人さん
ナイトメアでキリストはユダと詠まれていました 二年前の
Withはラクリマクリスティを意識したと知りました 咲人
さんのナチス嫌い発言
咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
す キリストとご自分にとても似た意識を持っているのかも
しれないと思いました
downは意味を調べました 夜明け、でした
いつか一緒に朝日を見ようという歌詞に救われました
ジャキガンマイスターは咲人さんのセンスの良さが光ってい
ますね