2014-04-08

cinema staff、このアルバムは勢いを付けて一気にやった

 TVアニメ『進撃の巨人』後期EDテーマ「great escape」(alternate ver.)を含むニューアルバムが完成! “Drums,Bass,2(to)Guitars”というタイトル通り、cinema staffのリアルな姿が示された作品に仕上がっている。


──新作『Drums,Bass,2(to)Guitars』、バンドの現状が反映された生々しい作品だと思います。

三島 そうですね。メッセージを中心にして膨らませていくということではなくて、今回は“4人でバッとやった”という感じなんで。前作(『望郷』)は結構重い内容だったんですけど、同じようなレベルのメッセージがなかったんですよね、善くも悪くも。だったら、そういう状況を利用して、あまり考えずにバーンとやってみようっていう。

飯田 『望郷』は構想から時間をかけて作ったんですけど、このアルバムは勢いを付けて一気にやった感じなんですよ。“1stアルバムみたいだね”って言われることが多いんですけど、今のバンドの勢いが詰まってるからそう感じるんじゃないかなって。

──「great escape」のヒットによって、さらに加速した部分もあるだろうし。

飯田 幅広い層の人たちに聴いてもらえたことも嬉しくて。その人たちにライヴに来てもらいたい、という気持ちもすごくあるんですよね。

久野 曲を作る時も、“ライヴではこうしよう”というのを見据えながらやってたんですよ。だから、レコーディングもスムーズだったんですよね。

辻 だいぶ楽しかったです(笑)。今回もかなり音を重ねてるんですけど、音のことをしっかり理解した上でできたなっていう気がしていて。自分が出したい音が出せたというか…。

──亀田誠治さんがプロデューサーとして参加した「borka」もライヴ感のあるサウンドですね。

三島 亀田さんと一緒にやれたことも、レコーディングがスムーズだった要因のひとつだと思うんですよね。技術的なアドバイスもあったんですけど、それよりも“いかにレコーディングを楽しむか?”とか“自信を持って自分たちの音楽をやる!”というメンタリティーを大事にしてくれて。あと、僕らが出したい音をしっかりアシストしてくれたんですよ。

久野 レコーディングの無駄な時間がなくなったというか。

三島 スタジオに入ってから(演奏するための)気持ちを作ったりしてたんですよ、今までは。音作りにしても、正解がないじゃないですか。ずっと“もっと良くなるんじゃないか?”っていろいろやってたんだけど、亀田さんと一緒にやってから、出したい音にすぐに近づけるようになって。

──“Drums,Bass,2(to)Guitars”というタイトルも象徴的だと思います。まさに“バンドそのもの”というイメージで。

三島 “そのもの”って感じですよね、ほんとに(笑)。“Drums,Bass,2(to)Guitars”は1曲目(「theme of us」)のタイトル候補だったんですよ、もともと。この曲ができた時に、アルバムの全体像が見えてきたというか…。あとはもう、語呂とか発音した時の雰囲気で決めました。

飯田 面白いタイトルですよね。cinema staffのことを示してるんだけど、言葉を変えて表現していて。

──「theme of us」もバンドのことを歌った曲だし。最初からテーマソングを作ろうと思ってたのですか?

三島 多幸感じゃないですけど、ハッピーなテンションと疾走感があったから、自然とこういう歌詞が乗ったというか。“こうでありたい”という気持ちだったり、バンドに対するプライドだったり…。

──めちゃくちゃ前向きなモードですよね。『望郷』までは悩むことも多かったと思うのですが、そういう状況を抜けたのは何かきっかけがあるのですか?

三島 そうですね。去年から今年にかけてバンドの環境が変化して、風通しが良くなってきたっていうのもあるし、『望郷』というアルバムを作れたことが大きいと思います、やっぱり。“やり切った”という感じもあったし…リセットじゃないけど、そこで頭が切り替えられたんじゃないかなって。自然と“じゃあ、次はどうする?”というモードになれたというか、そのタイミングで負(ふ)は吐き出せたんだと思いますね。

──そこから“生々しいバンド感をストレートに出す”というモードに移行した、と。

飯田 今までも自分たちのことを歌った曲はいくつかあったんですよ。「skeleton」もそうだし、「海について」もそうだし。そういう曲ってライヴでも良い伝わり方をするんですけど、今回はそっち(バンドのことを歌った曲)が主体になってるんですよね。もちろん全部の曲に気持ちが入ってるんですが、特に「theme of us」は今までの自分たちのことを考えながら歌えるというか。

──《僕らは今でも大きな音を出していて それを誰か笑えるかい》というフレーズにもグッときました。楽器を演奏することの楽しさも伝わってくるし。

三島 それもあるし、とにかく“バンドが楽しい”っていうことですよね。ミュージシャンというより、“バンドをやってる人”という気持ちなので。

久野 自分のことをミュージシャンだと思ってないというか(笑)。音楽がやりたいというより、バンドがやりたいっていう感じなんですよね。

飯田 バンド以外のところで(ミュージシャンとして)活動する方もいらっしゃいますけど、僕はそういうことをやりたいとは思わなくて。この仲間と一緒にやるのが一番いいんですよね、やっぱり。

──5月から始まるツアーも良いテンションで臨めそうですね。

久野 楽しみですね。ワンマンツアーは久しぶりなんで。

辻 とにかく楽しいツアーにしたいです(笑)。

三島 1月のSHIBUYA-AXのライヴで、ベーシックなワンマンの在り方は掴めたと思っていて。それを活かしながら、もっと追求していきたいですね。ただ演奏するだけではなくて、ワンマンでしかできないことをやりたいと思っています。

取材:森 朋之

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