2024-02-16
fuzzy knot、Shinjiバースデイに開催された今年初ライブレポ

2024年2月8日、<fuzzy knot LIVE 2024 ~Shinji Birthday~>が東京キネマ倶楽部で開催された。
公演タイトルの通り、この日はShinji(Gt)の誕生日であり、彼らにとって今年一発目のワンマンライブということで、開場前から大勢の観客が集まっていた。
開演時間になると、スモークが漂うステージに水色のスポットライトが注がれた。
サポートメンバーの与野裕史(Dr)、工藤嶺(Ba)に続いて、Shinjiと田澤孝介(Vo)が入場。
SEの音が止んだと同時に、Shinjiは宙を指さして、田澤は両腕を広げ「楽しむ準備はできてるかい!」と声高らかに叫び「遠隔Reviver」で幕を開けた。
重厚なサウンドに力強い田澤の声が乗り、初っ端から強烈なパンチを放つ。今度は「ペルソナ」を披露して、さらに会場をfuzzy knotの色に染めていく。
特徴的なギターのリフもさることながら、リズム隊の強靭なグルーヴに引き込まれた。
そこから「ダンサー・イン・ザ・スワンプ」でジャジーで優雅なダンスホールを作り上げる。
特に、この曲は大正ロマンのオペラハウスをモチーフにした、東京キネマ倶楽部の空間にとても調和していた。
音に合わせて紫と青のスポットライトがチカチカと光るたびに、観客は波のように右に左に揺れて、表情を見るとみんなが気持ちよくステップを踏んでいた
MCになり、まずは田澤が口火を切る。「俺が知っているミュージシャン史上一番、Shinjiはこういうことにおいてはシャイ。
セットリストにも<fuzzy knot LIVE 2024 ~Shinji Birthday~>と書いてあるわけですよ。
それでさえも、もう照れくさいからいいよ、と言ってて。そもそもさ、誕生日にライブをするのは初めて?」と尋ねると、Shinjiは「初めてだね。だって(ステージに)出る前にさ、影アナで『Shinji Birthday』ってハッキリ言われただけで恥ずかしかったもん」と照れながら答えた。
田澤が「お客さんが今日をめちゃめちゃ楽しんでくれることが、彼(Shinji)にとって一番のプレゼントじゃないかなと思います」と伝えて「よっしゃー! まだまだ行けるのかい!?」の問いかけから「ブルースカイ」へ。
サビで観客みんなが腕を伸ばし、一緒に声を上げる。そんな快活な光景を見て、滑走路から勢いよく青空へ飛び立つ飛行機の画が浮かんだ。
クールダウンする暇を与えることなく、デビュー曲「こころさがし」と「Joker & Joker」でさらに畳み掛ける。
<fuzzy knot Tour 2023 ~時の旅人~>を始め、去年のライブは、どちらかと言えばヘヴィで荘厳な楽曲を冒頭に持ってきて、観る者を圧倒していたが、この日はとにかく静と動で言うと、動の多幸感に満ちたfuzzy knotを堪能することができて新鮮だった。
6曲目が終わり、真っ暗のステージで何やらShinjiが田澤に近づいて、マイクを通さずに耳打ちをした。
何事かと思っていたら、田澤がマイクを握り「こそっとShinjiが俺に、ありがとうって言ってきて。何がありがとうなのか聞いてん。『……こういうのいいね』って言ってたわ」。
その言葉を聞いてフロアから大きな歓声が起きた。「ほんまにさ『楽しかったな。こういうのもいいよな』と思えたら、次に繋がっていく気がするからね。
<中略>やることは変わらないと言えばそうなんですけど、やっぱりハッピーなオーラって伝染していくからさ。
そんな中で、自分らも音を鳴らせるというのは、とても幸せでございます。なので僕らも幸せをいただいている、という。
そんな同時進行で皆さまにいろんなモノをお返していきたいなと思いますので、引き続き僕らの音楽を、心に、体に、しっかりと染み込ませていってください」。
中盤になると空気は一変、「深き追憶の残火」でずっしりとしたサウンドに地の底から這い上がるような声で、会場を激情的なムードに変えていった。
続いてShinjiのブルージーなギターソロから始まった「愛と執着とシアノス」で、前半とは違い鬼気迫る雰囲気を創出した。
この日、「時の旅人」から「Inferno」に繋げたのも良かった。スケール感のあるイントロという点は近いものがあるが、楽曲が放つ雰囲気としては両極にある2曲を続けて披露することで、彼らの表現の奥深さを改めて堪能することができた。
10曲を披露したところで再びMCになり、この日も夫婦漫才のような2人の掛け合いは健在だった。
Shinji「僕は夜8時20何分に生まれたんですよ。今、何時?」
観客A「7時55分!」
観客B「7時59分!」
田澤「この時代に、なんで時計がバラバラやねん!(笑)。でも、もうちょっとやね」
Shinji「そうだね。何の曲を演奏している時に、誕生した瞬間を迎えるのか気になってるんだよね」
そして話題は今後の目標について──。
Shinji「ちょっと先々の話をしてもいいですか? 僕は60歳になった時の自分を頭に描いていて。俺は……高倉健になりたい。
今はまだカッコいいライブをして、たまにヘンテコなことを言ってる人かもしれないけど、60歳の時には“ニヒル”路線で行けるようになりたい」
田澤「渋いおじさんってこと?」
Shinji「うん。ニヒルが許されるのって、高倉健と反町隆史ぐらいしかいないと思う。その境地に60歳で行っていたい」
田澤「今から目指すんや?」
Shinji「そう! 徐々にね。徐々にニヒルになっていくから」
田澤・Shinji「(顔を見合わせて)アハハハ」
田澤「ニヒルを誓う奴の笑顔じゃなかったけどな(笑)」
Shinji「で、90歳になったら終活だよね。その頃には“コスモ”を感じたい」
思いがけない告白に、フロアからクスクスと笑い声が聞こえた。
田澤「誰や、Shinjiに酒を飲ましたのは」
Shinji「だって、コスモを感じられないでしょ?」
田澤「残念ながら俺は感じないわ(笑)」
Shinji「普通の人だと、Wi-Fiが飛んでることも分からないでしょ?」
田澤「そうね。分かるのはメイプル超合金くらいじゃない?」
Shinji「Wi-Fi感覚で俺はコスモを感じたい、最終的には」
田澤「まず、普通の人はWi-Fiを感じへんのよ!」
Shinji「そしてWi-Fi感覚でブラックホールを感じたい。決して、面白いから言っているわけじゃなくて、人間として感じ取れる人になりたいのよ。
例えば、田澤は今何を考えているのかな?と思ったら、目を瞑りながらギャラクシーを感じて、『あ、こんなことを考えているだろうな』ってね」
田澤「だろうな、なんや! 予想の域を出てないねや」
Shinji「ふふ、そうだね」
田澤「それやったら今でもできるやろ! コスモとギャラクシーを感じてんねやったら、ちゃんと分かってくれよ!(笑)」
ボケとツッコミの応酬に、笑いすぎて途中から「ハハハハ! ハァ~」という声が場内のいたるところで聞こえた。
20分近く話しているのにもかかわらず、こんなに爆笑を生むバンドはほかにいない。
まだライブを観に行ったことがない人は、この記事が盛っているように感じるかもしれないが、本当に笑いが絶えなかった。
後半は温まった会場にピッタリな「トリックスター・シンドローム」からスタート。「Set The Fire !」でみんながジャンプをして、再度沸点を起こす。
「声を出していこうぜ!」と田澤のシャウトから、いつもはラストソングに演奏される「Before Daybreak」を歌唱。
幸せの絶景みたいな、善の音のシャワーを浴びているような感覚になった。
そして、次曲への勢いの中、田澤が「Shinji、誕生日おめでとう!」と叫んだと同時に、場内から定番のバースデーソングが流れて、スタッフがケーキを持ってきた。
Shinjiが照れながらろうそくの火を吹き消すと、フロアから一斉に「おめでとう!」と祝福の声が上がった。
「なるほどね。今日、俺が入念にセットリストの打ち合わせをやろうよ、と言ってもあんまりみんな聞いてなくてさ。コレ(ケーキの演出)があったのか」と笑みを浮かべた。
ここからのラストスパートがすごかった。会場にいる全員が残った力をすべて放出するかの如く、「ダイナマイトドリーム」で思い切りジャンプし、「Hello, Mr. Lazy」で熱狂し、「#109」で頭を振り回しお祭り状態となった。
改めて田澤がマイクを握った。「最後に1曲歌います。あんまり明るい曲ではないんだけど、生きていれば辛いこととか悲しいことが必ずやってくる。
僕らのみならず、ここにいる全員が味わうと思います。それも全部、自分を成長させる試練だとして、せめてその試練がみんなにとって幸せなものでありますように、という願いを込めて。
特に今日は彼(Shinji)に向けて、幸せの、優しさの雨が降り注ぐように歌いたいと思います」。
ラストに歌った「キミに降る雨」は“希望”という言葉がしっくりくるような、感動的なパフォーマンスだった。
記念撮影を終えて、与野、工藤、田澤がステージ袖へはけて、1人残ったShinjiがセンターマイクの前に立ち、感謝の気持ちを伝えた。
「クサいかもしれないけど、本当に人生最大に嬉しい誕生日になりました」。この日、一番の拍手と歓声が起こり、こうしてスペシャルなライブは幕を閉じた。
終演後、田澤とShinjiに会ってライブの感想を聞いた。
田澤「バースデーライブが初めてということで、Shinjiに『こういうのも良いな』と思ってもらいたくて。それが叶ったと思うので、すごく嬉しかったです」
Shinji「ライブなんて本来は照れて出ちゃいけないものなんですけど、どうしても照れくさくてね(笑)。
初めて経験したけど、良いものだなって。これからの人生で自分から進んでやろうとは思わないですけど、せっかく祝ってくれる人がいるのであれば、また喜んでやりたいなって。嬉しい誕生日でした」
──ちなみに、Shinjiが誕生した時間に何の曲を演奏していたのかについてだが、なんとろうそくの火を吹き消した瞬間だった。
あの場にいる全員の心が温かくなるような、奇跡みたいな一夜だった。
PHOTO:江隈 麗志
TEXT:真貝 聡
fuzzy knot LIVE 2024 ~Shinji Birthday~
2024年2月8日(木) 東京キネマ倶楽部
SET LIST
01. 遠隔Reviver
02. ペルソナ
03. ダンサー・イン・ザ・スワンプ
04. ブルースカイ
05. こころさがし
06. Joker & Joker
07. 深き追憶の残火
08. 愛と執着とシアノス
09. 時の旅人
10. Inferno
11. トリックスター・シンドローム
12. Set The Fire !
13. Before Daybreak
14. ダイナマイトドリーム
15. Hello, Mr. Lazy
16. #109
17. キミに降る雨
≪ライブ情報≫
■fuzzy knot Tour 2024 ~3 years knot~
2024年4月20日(土) 名古屋ell. FITS ALL(愛知県)
2024年4月27日(土) 大阪バナナホール(大阪府)
2024年5月2日(木) Spotify O-WEST(東京都)
【チケット料金】 スタンディング ¥6,600(税込/ドリンク代別) ※4才未満入場不可
【オフィシャルサイト最速先行予約】受付期間 2024年2月8日(木) 21:00~2月20日(火) 23:00
※詳細はコチラ https://www.fuzzyknot.com/news/term/live/
fuzzy knot オフィシャルサイト https://www.fuzzyknot.com
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Доброго времени суток, коллеги!
Сегодня хочу затронуть тему, которая долго меня увлекает — что посмотреть в Китае.
Эта держава с многовековой историей и культурой открывает массу потрясающих
мест, которые стоит изучить. Поделюсь своими наблюдениями и эмоциями,
которые, надеюсь, будут полезны и интересны.
Если говорить о must-see, то трудно обойти вниманием Великую китайскую стену — воплощение силы и стойкости, восхищающий своими масштабами и потрясающими
пейзажами. Кроме того, нельзя
не отметить Запретный город в Пекине —
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и наполняют невероятной энергией
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А как вы считаете? Какие места в
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