2023-11-27
fuzzy knot Tour 2023 ~時の旅人~ 11月19日(日)@東京・新宿BLAZE
fuzzy knotが初めて新宿BLAZEでライブをしたのは、2022年1月のこと。あの日、フロアには等間隔に椅子が用意されていて、マスク姿の観客は飛沫防止のために声を出したいのを堪えて、必死に拳を振り上げていた。
ステージにいるメンバーも、ガイドラインを説明した上で安全にライブを全うしていた。
2023年11月19日、fuzzy knotの<fuzzy knot Tour 2023 〜時の旅人〜>ツアーファイナルで再び新宿BLAZEを訪れると、椅子はなく、床が見えないほど満員の観客が集まっていた。開演前からワイワイと賑わっていて、それだけで感慨深い気持ちになってしまう。
開演時間になり、青い照明が照らすステージに重たいピアノの音が流れた。
サポートメンバーの与野裕史(Dr)、工藤嶺(Ba)に続いて、Shinji(Gt)と田澤孝介(Vo)が入場。
荘厳なスケールの演奏が始まると、田澤はどこか遠くを見ながら何かを掴むように宙に手を伸ばした。
首をぐるりと回し、マイクを握り口元へ運んだ。ゆっくりと口が開くのが見えた瞬間、第一声にして神聖な世界へ連れていかれたかのような錯覚を覚えた。
オープニングを飾った新曲「時の旅人」は、fuzzy knotの新境地を切り開いた楽曲であり、生で聴くと思わず息をするのを忘れるほど、見入ってしまう力があった。
そして寸時の沈黙のあと、「ブルースカイ」で首元までとめていたシャツのボタンを引きちぎるかの如く、その場のテンションを一気に持ち上げる。
フロアから無数の拳が上がる。1番を歌い終えて田澤が耳に手を当てると、爆音の中で確かに観客の声が聴こえた。
サビで田澤とShinjiが同時に拳を天に突き上げた。眩しい照明、床が揺れていると思うほどドスンドスンと響くドラムとベース、本能的に体を動かさずにいられない高揚感のあるギター、耳ではなく心に入ってくるヴォーカル。こうしてfuzzy knotのライブは始まった──。
田澤がフロアを見渡してマイクを握った。「今日はツアーファイナルですけれど、今回は何本まわったのかをあまり考えずに、ツアーをまわっておりました。
というのも、今日がツアー初日で、今日がファイナルである。そういう心づもりでやっておりましたら、何本目かとかはいつの間にかどうでもよくなってしまい、今日が何本目かとかはこっちの都合だなと。<中略>ただ、いい時間を過ごせてきたなと思っております。
1本1本しかないと思いつつ、積み上がっているものは確実にあるから、それをみんなと楽しめたらいいかなと思っております。
で、新宿BLAZEでfuzzy knotがライブをやるのも、今日がきっと最後だと思う(※来年7月に閉館する)。結構ね、ここはお世話になっているんですよ。
一抹の寂しさはあるので、悔いが残らないように心底楽しんでいきたいなと思いますので、皆さんもしっかりと受け止めていただけたらと思っております」。
大きな拍手を受けながら「どっぷりと世界に浸っていただけたら」と言って、ヘヴィなギターから始まる「深き追憶の残火」へ。
地鳴りのような、凄みのある振動が体に伝わる。何より改めて感じるのは、田澤というヴォーカリストは憑依型かと思うくらい、楽曲によって声、表情、佇まいが違う。それを4曲だけで圧倒的に魅せるのだから、さすがだ。
ここでイントロからダークで美しい世界観を創出する「Inferno」を披露。サビで田澤が腕を回すサインを出しても、腕を伸ばしているのはフロアにいる半数。
挙げなかった人の気持ちはわかる。なんか、圧倒されて手を挙げることを忘れるのだ。結成から約2年半でバンドが成長しているのは、誰の目から見ても明らかだった。
「Hello, Mr. Lazy」では「もっと! もっと!」と田澤が叫び、今度は全員が腕を思い切り振り下ろしてからのヘッドバンキング。
そしてShinjiのギターソロで魅了した後の、「洒落せえ!」のサビが痛快爽快でとにかく気持ちよかった。
「愛と執着とシアノス」は、Shinjiのブルース調のギターソロからスタート。特にこの曲は田澤とShinji、個々のスキルフルさを存分に堪能できた。
スリルなサウンドが素晴らしい「ペルソナ」では、田澤もShinjiもステージを縦横無尽に動く。
そして夕日色のスポットライトの中で奏でられた「哀歌 -elegy-」は、切なくも一筋の希望や愛を求める情景がくっきりと浮かび上がる。
5人の鬼気迫る演奏というか、曲を重ねるごとにゾーンに入って行ってる感じ。
デビューライブから彼らのステージを見届けているが、今回の凄みはこれまでと一線を画していた。
再び、田澤が話し始める。「いやぁ……なんちゅうかね、“没頭できる楽しさ”みたいなものに我々は取り憑かれておりまして。
<中略>自分らが『今、没頭できたな』『いい音を鳴らせたな』みたいな瞬間に、(皆さんが)立っていてくれている、聴いていてくれているというのが、とってもハッピーでございます。
その音が鳴った証明をしてくれているのは、聴いてくれている人たちなので。集まってくれてありがとうございます」。
ここでShinjiも胸中を口にした。「(演奏しながら)今日がファイナルなのかと思ったら、切なくなったな」。その言葉に田澤も賛同する。
「その気持ちはわかんねん。今日がツアー初日でありファイナル、という気持ちでやっていたけどさ、やっぱり今日が最後やん。毎週会ってたやん、俺たち。
それがさ……あ、旅行で会うか!」と1人でボケツッコミをすると、フロアから大きな笑いが起きた。
こうやってお客さんが気兼ねなく笑い声を出せることも、2人は嬉しいはずだ。
田澤は喜びの笑みを浮かべて「今回のツアーからガイドラインが外れましてね。fuzzy knotってコロナ禍で生まれたグループなので、最初はね『膝を曲げて飛んでるふりをしろ』とか『頭から上は拳を上げるな』とか言って、当然声は出されへんし、マスクでみんなの顔をちゃんと見られへん状況から始まっている。そこから考えたら感慨深いです」。
後半戦はジャキジャキと弾くギターが印象的な「トリックスター・シンドローム」からスタートし、サビのキメが気持ちいい「カミカゼスピリット」へと続く。
スカロックな「Joker & Joker」でいつもより、テンポ感が加速していると感じるくらい、聴いている観客も思わず小刻みにステップを踏んでいる。
そしてデビュー曲「こころさがし」は、普遍性が高くてその場の景色をポップに変えてしまう力がある。
青い照明に照らされたミラーボールが回り出し、雨粒のように会場をポツリポツリと照らす中で演奏したのは、バラード「キミに降る雨」。
お客さん一人ひとりの顔を見ずとも、どんな表情を浮かべているのか想像できるほど、素晴らしかった。
ここでライブが最終局面にあることが田澤から伝えられた。
「声を大にして言う。ラストスパートのゾーンは……すげえ短い! これを言われてみんなはどうしたらいいか? そう、残り3曲で燃え尽きるのだ」。
目を輝かせながら、一言一言を噛み締めるように放った。「集中……濃厚……極熱の準備はよろしいでしょうかー!?」と問いかけると観客が一斉に手を挙げた。
「やれんのかい!? 全部置いてけよ!」と発したのを合図にドーンと衝撃音が鳴り響いて、「Set The Fire !」が始まった。
みんながジャンプをして、残っている体力をここに置くかの如く、ボルテージの火柱が上がっていく。
そんな絶景を見て笑みを浮かべるShinji。「まだまだ行くぞー!」と叫び「ダイナマイトドリーム」をお見舞いして、全員が思い切り高くジャンプ。
“興奮と熱狂の渦”という表現がしっくりくる。ラストは爆音でアグレッシブな猛攻を見せる「#109」。
いいライブって何なんだろうと考える。誰もが悔いを残さないことだろうなって思う。
「明日もこのライブが観たい」じゃなくて、「こんなライブを観られたから、しばらく日常生活を頑張れそう」と思えるもの。
そんなことを彼らのステージを見ながら感じた。歌い終えた後も、何度もシャウトする田澤。1滴の体力も残さないようにしているように見えた。
「最後の曲になりました。さっきも言ったけどさ、コロナ禍でできたバンドなので、色々と願望を抱えながらも、それが叶わずに今までやってきたんですけど、今回のツアーからそれが叶うっていうことで……最後に俺のお願いを聞いてくれ」。みんながその言葉に深く頷く。
「次の曲、イントロのほんの短い時間やけど、現状はシーケンスで俺の声でコーラスが流れているんです。本当はね、そこをみんなの声で聴きたかった。
今日は声を出していいから、曲を知っている人は思いっきりでかい声で歌ってくれ。
知らん人はこれを機に覚えて帰って、次にまたその機会があった時には、今日を超える熱量で一緒に鳴らしてくれたら嬉しいなと思います」。
ラストナンバーに選んだのは、「Before Daybreak」。いっぱいの光を浴びながら、みんなが声を上げる「おーおー! おーおー!」。
それを見て嬉しそうな田澤。これまでのライブも十分よかったけど、やっぱり何かが欠けたままだった。
“観客の声”というピースがハマって、初めてfuzzy knotのワンマンが完成したのだと思った。
この日、田澤はこんな言葉で締め括った。
「絶対にもういっぺん会おうぜ。ここにいる全員、絶対にもう1回会いましょう!」
PHOTO:今元 秀明
TEXT:真貝 聡
fuzzy knot Tour 2023 ~時の旅人~
2023年11月19日(日) 新宿BLAZE
SET LIST
01. 時の旅人
02. ブルースカイ
03. ダンサー・イン・ザ・スワンプ
04. 深き追憶の残火
05. Inferno
06. Hello, Mr. Lazy
07. 愛と執着とシアノス
08. ペルソナ
09. 哀歌 -elegy-
10. トリックスター・シンドローム
11. カミカゼスピリット
12. Joker & Joker
13. こころさがし
14. キミに降る雨
15. Set The Fire !
16. ダイナマイトドリーム
17. #109
18. Before Daybreak
≪ライブ情報≫
■fuzzy knot LIVE 2024 ~Shinji Birthday~
2024年2月8日(木) 東京キネマ倶楽部
OPEN 18:00 / START 19:00
【チケット料金】
スタンディング ¥6,600(税込/ドリンク代別)※4才以上有料
【オフィシャルサイト最速先行予約】
受付期間 2023年11月19日(日) 20:00~11月28日(火) 23:00
詳細はコチラ https://www.fuzzyknot.com/news/term/live/
▼リンク先
fuzzy knot オフィシャルサイト https://www.fuzzyknot.com
fuzzy knot オフィシャルTwitter https://twitter.com/fuzzyknot_staff
fuzzy knot オフィシャルInstagram https://www.instagram.com/fuzzyknot_official/
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田澤孝介 オフィシャルサイト https://www.takayuki-tazawa.com/
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ジャケットイラストのギャグが最高です
咲人さんのイラストに影響されて女性の友達とクリスマスに
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インサクリファイスが好評です ナイトメアメンバーで仲間
の飲み代をまとめて払うと雑誌で語っておられた咲人さん
ナイトメアでキリストはユダと詠まれていました 二年前の
Withはラクリマクリスティを意識したと知りました 咲人
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咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
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downは意味を調べました 夜明け、でした
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ますね
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