2024-09-13

Petit Brabancon Tour 2024「BURST CITY」初日ライヴレポ

Petit Brabanconが2024年9月に<Petit Brabancon Tour 2024「BURST CITY」>を展開中だ。
この全国ツアーは、2nd EP『Seven Garbage Born of Hatred』のリリースに合わせて行なわれているもので、全7本のライヴからなる。
その1本目となったのが、2024年9月5日(木)の東京・渋谷Spotify O-EASTでのライヴだ。

まだ暗転中のステージに掲げられていたのは、巨大なバックドロップ。
フロアを埋めつくすオーディエンスをすでに威嚇しているような顔つきの犬=Petit Brabanconが、そのバックドロップには染め上げられていた。

19時過ぎ、ハードコア・テクノのテイストもたっぷり吸い込んだオープニング「move」が流れると同時に、開幕の時を告げるようにバックドロップのPetit Brabanconは光を受けて青白く点滅。
「move」に合わせてオーディエンスはハンドクラップを起こし、興奮した歓声や奇声を飛ばし始めた。
すさまじい高揚感が渦巻く会場に、Petit Brabanconのメンバーが姿を現わすと、大歓声が会場を揺るがした。

両手をポケットに突っ込み、キャップをかぶったラフな格好の京(Vo)は、ウォーミングアップするように何度か軽くジャンプ。
オーディエンスの興奮ぶりを前に、ニヤリと不敵な笑みも浮かべる。
直後、ステージは真っ赤な照明で染まり、antz(G)のギター・フレーズを合図に「dub driving」へ突入。
yukihiro(Ds)の刻むヘヴィでダンサブルなリズムに、威嚇するような形相と声で言葉を挟み込む京、極悪ベース・リフを絡める高松浩史(B)。
一瞬のブレイクで「シブヤー!」と京が吠えたと思えば、今度はミヤ(G)がすさまじい火力を放つリフで攻め立てる。
Petit Brabanconに全身も脳髄も刺激され、オーディエンスの熱量は一気に頂点へとブチ上がっていく。

しかし、そんなもんじゃPetit Brabanconの5人は満足しない。なにしろ今回のツアー・タイトルは「BURST CITY」である。
曲が続くなかでケンカ腰で京が煽ったと思えば、ミヤもantzも高松も、フロアのギリギリのところにベタ付き状態になって、激烈プレイを繰り出す。
会場にいるオーディエンス全員を焼き尽くす勢いで、どえらい生命力とエネルギーをぶっぱなし続ける。

Petit Brabanconの5人が獰猛なら、この日のオーディエンスもやはり獰猛だった。
コブシを突き上げるのは序の口で、遠慮なしにクラウドサーフやダイブ、さらにモッシュまで。
そういう激しい光景を目にして、さらに狂気化していくPetit Brabanconがステージにいた。

オープニングから新作『Seven Garbage Born of Hatred』のナンバーを連発させながら展開するこの日のライヴ。
いきなり新曲ばかり続くことにもなったわけだが、誰一人として鑑賞モードになっている者はいない。
なにしろ新作に収められた楽曲たちは、ライヴでこそ本領を発揮するものばかり。
またライヴでブラッシュアップされるなどとよく言われたりするが、新作の楽曲たちはそうとも言い切れない。
こぎれいに磨かれるのではなく、メンバーそれぞれが振り切ったテンションと尖り方になることで、例えるならギザギザが付いた刃物のように、楽曲とバンドの放つ殺傷力が増している。

ライヴ中盤からは『Seven Garbage Born of Hatred』以前の曲も盛り込んで、メロディやリズムで心地よく酩酊させたり、呪術的なフレーズで精神を解放させる場面も。
Petit Brabanconの初期の楽曲たちは、知性的に練り上げられたフレーズや構成、アンサンブルなどもある。
しかし知性は野生に食らい尽くされた。そんな印象さえあるのが今のPetit Brabanconだ。
バンド・サウンドに肉体的なグルーヴが常に存在し、オーディエンスを活き活きさせていく。

ライヴ後半のこと。睨みを利かせながら歌っていた京が、フロアのフェンスに足を掛けたと思ったら、今度はそのフェンスに立ち上がった。
オーディエンスが京を支えるようにつかみ、京は吠えるように歌い、シャウトやスクリームを決める。
「a humble border」ではantz、続いてミヤもフロアに飛び込んでリフで攻撃。
そして彼らに食らいつくようにクラウドサーフを繰り返すオーディエンス。
さらに「疑音」では、フロアのオーディエンスが左右に分かれ、京のシャウトと共にウォール・オブ・デス。続いて激しいサークルモッシュが。
真っ赤なライトがストロボのように点滅するなか、次から次へと衝動と激情が炸裂していった。

ライヴというよりは、ハードコア臭がプンプンに漂うギグである。そしてオープニングも含め『Seven Garbage Born of Hatred』からの全曲を披露。
70分間の事件であり革命。
約8カ月前にPetit Brabanconが開催したライヴ・シリーズ「EXPLODE -02-」のときと比べて、間違いなくライヴ・バンドとして凄みを増したPetit Brabanconである。


PHOTO:青木カズロー/ 河本悠貴
TEXT:長谷川幸信

≪LIVE SCHEDULE≫
■Petit Brabancon Tour 2024 「BURST CITY」>
2024年9月12日(木)広島・HIROSHIMA CLUB QUATTRO open18:00 / start19:00 (問)CANDY PROMOTION 082-249-8334
2024年9月13日(金)福岡・FUKUOKA BEAT STATION open18:00 / start19:00 (問)キョードー西日本 0570-09-2424
2024年9月15日(日)大阪・GORILLA HALL OSAKA open17:00 / start18:00 (問)SOUND CREATOR 06-6357-4400
2024年9月20日(金)神奈川・CLUB CITTA' open18:00 / start19:00 (問)HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077
2024年9月21日(土)愛知・DIAMOND HALL open17:00 / start18:00 (問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
【チケット料金】 ¥6,500 (税込・整理番号付・ドリンク代別) ※スタンディング
【チケット一般発売中】 <イープラス> https://eplus.jp/pb/ 

≪リリース情報≫
■2nd EP「Seven Garbage Born of Hatred」 発売中
【完全限定盤】 DCCA-129 ¥8,800 (税込)
 ・ピザボックス風特殊パッケージ仕様
 ・テイクアウトピザバッグ付属
【一般流通盤】 DCCA-130 ¥2,750 (税込)
▼CD収録曲 ※完全限定盤/一般流通盤共通
01. move  作曲 : yukihiro
02. dub driving 作詩 : 京 作曲 : antz
03. BATMAN 作詩 : 京 作曲 : ミヤ
04. 眼光 作詩 : 京 作曲 : ミヤ
05. a humble border  作詩 : 京 作曲 : yukihiro
06. Mickey 作詩 : 京 作曲 : antz
07. Vendetta 作詩 : 京 作曲 : ミヤ
※完全限定盤はMAVERICK STOREもしくはGALAXY BROAD SHOPのみで購入可能
※一般流通盤は、TOWER RECORDS(店舗/ONLINE)、Amazonでも購入可能
■「Vendetta」ミュージックビデオ 

≪GOODS≫
■Seven Garbage Born of Hatred コレクショングッズ
MAVERICK STOREにて発売中
https://www.maverick-stores.com/petit-brabancon/seven-garbage-born-of-hatred-merch/ 
・Seven Garbage Born of Hatred Tシャツ ¥6,000(税込)
・Seven Garbage Born of Hatred プレート ¥3,500(税込)
・Seven Garbage Born of Hatred アクリルコースター ¥900(税込)
・Seven Garbage Born of Hatred トレイ ¥4,500(税込)
・Seven Garbage Born of Hatred Pizza ステッカー ¥500(税込)
・Seven Garbage Born of Hatred ボトル ¥4,000(税込)

Official Web: https://www.petitbrabancon.jp/   
X(旧Twitter): https://twitter.com/PetitBra_staff 
YouTube: https://www.youtube.com/c/PetitBrabancon_official 
Instagram: https://www.instagram.com/petitbrabancon.official/ 
Facebook: https://www.facebook.com/petitbrabancon.officia

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