2025-04-04
DEZERT、Miyako生誕祭ライヴレポート

【DEZERT】ライヴレポート<Miyako生誕祭'25「セットリストはMiyakoが全部決めまっちゅ♪」>
2025年3月29日(土)渋谷WWWX “武道館ワンマン後も揺るがぬバンドの現在地”
DEZERTがMiyako(Gt)の誕生日当日に、その名も<Miyako生誕祭'25「セットリストはMiyakoが全部決めまっちゅ♪」>を渋谷WWWXにて開催した。
結論から言えば“アフター武道館”なんて仰々しい枕詞は不要な、今のDEZERTが充満するとことんハートフルな日となった。そんな一夜の模様をお届けする。
昨年末に自身初となる日本武道館ワンマンライヴ「君の心臓を触る」を開催した4人組ヴィジュアル系ロックバンド・DEZERT。
武道館以降の彼らは、今年に入ってから日ごとに過去4作のアルバムを軸に据えたコンセプトライヴ「study」、その後はキズとの2マン、フロントマン=千秋(Vo/Gt)の生誕祭、さらには本公演の直前には“ライブで全然やらない曲限定LIVE”を行った。
この夜もMiyakoのバースデーという括りはあるものの、今のDEZERTのベクトルが如実に表れるものとなった。
思い返せば昨年の同日程は<DEZERT LIVE TOUR 2024 “The Heart Tree” 【PHASE_2】 -匿名の神様編->の初日だった。
まさにメジャー1stアルバム『The Heart Tree』を咀嚼する真っ只中で、Miyakoを祝う気持ち以上に自身で構築したセットリストと格闘するメンバーの姿も印象深かった。
だが、今年は主人公がセットリストを完全プロデュースすることが事前にアナウンスされており、Miyako の趣向が全面に押し出されることとなった。
慣れ親しんだBGMであるThe Beatlesの「Yesterday」がゆったりとフェードアウトすると、ラウドなSEと超満員のクラップに招かれるようにメンバーが登場。
その姿がこの日に解禁されたシックなニューヴィジュアルであることに気がついた観客の歓声と期待が膨らむと「Thirsty?」からスタート。
彼らのライヴではしばしば序曲に据えられるナンバーだが、やはりこの日はMiyakoの繰り広げるロケンローなギターがひと際目を惹く。
のっけから会場を大いに揺らすと、SORA(Dr)の疾走するドラムが一気に開放感へと誘う「Your Song」へ。
多彩なフレーズで色づけるMiyako の魅力も印象的だが、この曲がリリースされた当時の切迫感はなく、詩世界をしっかりと体現するバンドの幹の太さも再認識させられる。
千秋の「暴れられるか?」の問いかけに一段と歓声が上がった「「変態」」では、Miyakoがチャーミングな満面の笑顔で中指を立てる一幕もあった。
序盤にしてこの日の見どころとなったのは次なるブロックだ。
一瞬の静寂を経て、Sacchan(Ba)の地を這うベースが内蔵を打ちつけるように襲い来る。千秋が気だるいドライな歌唱でなぞらえたのはまさかの「----」だ!
この日限りのフリースタイルで幸福論を唱えるラップでさらなる驚きを与えると、続いたのは妖しげなアルペジオにどよめきが上がった「「嘔吐」」である。
三原色が入り乱れるステージから放射される負のパワーにオーディエンスもヘッドバンギングで応えてみせた。
2014年リリースのインディーズ1stアルバム『タイトルなし』のオープニングである「----」から「「嘔吐」」の流れを再現すると、こちらも2012年の楽曲「遮光事実」へ。
DEZERT初期を代表する名曲は否応なしに熱気を高めていく。
以前と比べると近年プレイされる機会が増えてきたとはいえレアナンバーの部類に属する1曲だ。
閉塞感を詰め込んだ歌詞は苦悩と葛藤を感じさせるが、メロディアスな「遮光事実」からも彼らの初期衝動を味わうことができる。
向かいあってグルーヴしていくシルエットや4人の調和によって生まれる余白、そのすべてを束ね上げる千秋の歌唱はどこをとってもエモーショナルだった。
このブロックは「包丁の正しい使い方~思想編~」、「大塚ヘッドロック」と連なり、結果的に2012年から2014年の楽曲の応酬となったが、Miyako 自身が加入する前の楽曲を自らセレクトしたのも彼らしいサービス精神で、イントロごとにどよめくフロアの反応も彼へのバースデープレゼントになったのではないだろうか。
ブレイクでSacchanのリコーダーが“ハッピーバースデー”の合唱をユニークに誘発した「大塚ヘッドロック」ではMiyako が千秋の頬にキスをし、動揺した千秋が「えぇ!?」と思わず歌詞を飛ばしてしまう微笑ましい場面も起こった。
その一部始終にはレアナンバーの応酬以上にオーディエンスから感嘆の声があがったことも記しておきたい。
これらの楽曲を中心に演奏していた頃では考えられないハートフルな場面もメンバー間の結束によるもので、今のDEZERT流の強さを感じさせる。
もともと人間的な信頼はあったが、それ以上にミュージシャンとしてさらに互いをリスペクトできる状態にいるからこそ、ジャムセッションを導入にした「「遭難」」、集中力を要する「Call of Rescue」もバンドサウンドが一層根源的に鳴り響く。
バンドの根底を支えるベースプレイだけでなく、鍵盤、コーラス、さらにはリコーダーまで使い分けマルチプレーヤーとしての能力も突出しているSacchan、緩急を操りながら一音一音につぶさに感情を込めるSORA、以前にも増して情熱的にソロを弾くようになったMiyakoのアンサンブルは実に見事だ。
主役を慮ってだろう。思えばこの日ここまで千秋は一度もギターを持っていない。千秋とはそういう気遣いができる男である。
また、それに留まらず彼自身の歌唱の進化も目覚ましく、従来の楽曲に新たな表情を加えていることが頼もしかった。
「Call of Rescue」からの落差がMiyakoの奇想天外っぷりを感じさせた「True Man」でアッパーに切り替えると、小気味よく揺らす「殺されちゃう」、「「遺書。」」へ。
「「遺書。」」ではオーディエンスによる合唱が巻き起こったが、ここでは千秋に促されたMiyakoがギターを預けマイクを取り、歌う一幕も。
本来アカペラになる箇所も、千秋がメタル調にギターを刻み感動的な合唱との超ミスマッチで爆笑を巻き起こした。
そんなこの日ならではの珍妙な場面で茶目っ気を見せたが、終盤戦は轟轟たる「「君の子宮を触る」」、「再教育」を立て続けに披露し、一気にシリアスに熱量を上げていく。
「この歌詞通りのことをライヴハウスに求めてるし、あなたたちに求めてるし、自分自身にも求めている。」
「この場所が永久に続くわけではないと思いますので、心を込めて、今日の僕たちの心を埋める曲にしたいと思います。」
千秋がそう告げてから贈られたラストナンバーは「The Heart Tree」。
願いの種を埋めて、生きづらい世界で“あなた”の居場所を護り続けることを誓う究極の愛の歌。
これまでの歴史を幅広く抽出したセットリストの結びとしてこれ以上ない選曲だ。
1年前はその優しさで微熱を残す印象だった曲が、今ではより迸るものに変貌していることに胸がジンと熱くなる。
6月からスタートするDEZERT史上初の47都道府県ツアー<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR '25-'26 "あなたに会いに行くツアー">でも、全国で待つオーディエンスの想いを受け止め、この“心の木”は育っていくのだろう。
アンコールではMiyakoがDEZERT加入を決めたきっかけの曲は「「追落」」だったのに、今回のセットリストに入っていないことをSORAがツッコむと、(加入前の)サポートの時にライヴで初めて弾いた「----」を入れることに頭がいっぱいで忘れていたという、Miyakoらしいほっこりしたエピソードも披露。
今年に入ってから過去のレア曲に触れる機会が多かったDEZERTだが、懐かしいナンバーと新旧のキラーチューンを織り交ぜる構成で、この日にしか観れないメニューを組んでみせるあたりにもMiyakoのファンへの優しさが垣間見えた。
セットリストに対して千秋は「特異点がなかった」とも語ったが、振り返ってみれば展開過多なのに劇的で十分に特異な、Miyakoにしか生み出せないメニューだったように思う。
今さら過去の話をすることにどれほどの意味があるかは解らないが、加入当初にDEZERTの特異点としてフックを生み出したMiyakoがメンバーとして歩んできた歴史のなせるものではないだろうか。
「千秋くんはアンコール1曲目でやりたくないかもしれない」とのMiyakoの前フリに「めっちゃこの曲やるのイヤやけど、みーちゃんがセットリストに入れたから、仕方ないからやります!」と千秋がアンサーして応えた「胃潰瘍とルソーの錯覚」から「おやすみ」までアンコールで全5曲を披露した。
超ロングMCにパートチェンジ、しまいには自ら“Miyakoコール”をさせられるMiyakoに対してフロアに降りたSORAが声援を送るなど、どこか懐かしいDEZERTの無茶苦茶さも感じさせるカオス空間となったが、誕生日のメンバーを祝うことで主役以上にはしゃいでしまうメンバーによる憎めない空間となった。
ラスト、ミラーボールが照らした穏やかなバラード「おやすみ」ではお返しとばかりに、千秋がMiyakoにキスをする場面も。
今宵は<“あなた”を探して言うよ>と歌われ、Miyakoのアルペジオの残響で締めくくられたことも印象深かったが、最後まで温かいムードのライヴはこの日の主役の人柄によるものではなかっただろうか。
6月から始まる47都道府県ツアーでは必ずしも温かい空間が約束されているとは限らないし、人間丸出しで無骨に進化を続けてきたのがDEZERTだ。
実際、かつてはロングツアーで葛藤を味わった経験もあるにはある。だが、何かを掴みにいっていったあの頃とは決定的に違うはずだ。
何かを“あなた”に届けるために彼らは日本中を廻ることを選んだ。そして、6月11日(水)には5曲入りの新作『yourself: ATTITUDE』のリリースも発表された。
本編ラストの「The Heart Tree」前に千秋が「なんでこの曲、最後にしようと思ったの?」と問うと、Miyakoは「この曲のすべてが好きだから。」とシンプルに答えた。
居場所を作り、護る。
武道館ワンマンを経て何が変わったという話ではない。
ライヴバンドDEZERTにはライヴハウスがよく似合う。それがすべてだった。
PHOTO:Megumi Iritani
TEXT:山内秀一
<Miyako生誕祭'25「セットリストはMiyakoが全部決めまっちゅ♪」>
2025年3月29日(土)渋谷WWWX
SETLIST
01. Thirsty?
02. Your Song
03. 「変態」
04. ----
05. 「嘔吐」
06. 遮光事実
07. 包丁の正しい使い方~思想編~
08. 大塚ヘッドロック
09. 「遭難」
10. Call of Rescue
11. True Man
12. 殺されちゃう
13. 「遺書。」
14. 「君の子宮を触る」
15. 再教育
16. The Heart Tree
EN1. 胃潰瘍とルソーの錯覚
EN2. Sister
EN3. 脳みそくん。
EN4. 包丁の正しい使い方~終息編~
EN5. おやすみ
≪ライブ情報≫
<ワンマンツアー>
■DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR '25-'26 "あなたに会いに行くツアー"
2025年6月14日(土)千葉LOOKを皮切りに全国47箇所49公演を開催!
・特設サイト:https://special.dezert.jp/47tour2025-2026/
・オフィシャルファンクラブ「ひまわり会」会員最速チケット先行 https://www.dezert.jp/feature/47
受付対象:2025年6月~7月公演
受付期間:3月29日(土)12:00~4月8日(火)23:00
※受付期間内にご入会いただいた方もお申込み可能
<イベントライブ>
■『Psycho le Cemu presents 姫路シラサギROCK FES 2025』
2025年5月2日(金)アクリエひめじ大ホール OPEN 13:00 / START 14:00
https://www.dezert.jp/live_information/detail/19159
■『DEZERT PARTY Vol.17 -EXTRA EDITION- DEZERT x DIAURA』
2025年5月3日(土)恵比寿LIQUIDROOM OPEN 16:45 / START 17:30
https://www.dezert.jp/live_information/detail/20641
■『INORAN presents -SONIC DIVE 2025-』
2025年5月17日(土)渋谷CLUB QUATTRO OPEN 17:15 / START 18:00
https://sonic.inoran.org
≪リリース情報≫
■2025年6月11日(水)発売
NEW ALBUM 「yourself: ATTITUDE」
・初回限定盤:CD+Blu-ray(2枚組) CRCP-40703 7,700円(税込)/トレカ5枚封入
・通常盤:CRCP-40704 2,750円(税込)/トレカ1枚封入
<詳細> https://www.dezert.jp/discography/detail/5138/
■2025年5月14日発売
LIVE Blu-ray 『DEZERT SPECIAL ONEMAN LIVE at NIPPON BUDOKAN「君の心臓を触る」』
・通常盤:Blu-ray CRXP-10016 8,800円(税込)
・ひまわり盤(ファンクラブ会員限定販売):Blu-ray+2CD(3枚組)CRZP-59 14,300円(税込)
<詳細> https://www.dezert.jp/discography/detail/5015/
DEZERT オフィシャルサイト https://www.dezert.jp
DEZERT YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/dezert_official
DEZERT 公式 X(旧Twitter)https://x.com/DEZERT_OFFICIAL
DEZERT 公式 Instagram https://www.instagram.com/dezert_official/
DEZERT オフィシャルファンクラブ「ひまわり会」 詳細はこちら https://www.dezert.jp/feature/entry
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Mrs. GREEN APPLE / 『青と夏』
Доброго времени суток, коллеги!
Сегодня хочу затронуть тему, которая долго меня увлекает — что посмотреть в Китае.
Эта держава с многовековой историей и культурой открывает массу потрясающих
мест, которые стоит изучить. Поделюсь своими наблюдениями и эмоциями,
которые, надеюсь, будут полезны и интересны.
Если говорить о must-see, то трудно обойти вниманием Великую китайскую стену — воплощение силы и стойкости, восхищающий своими масштабами и потрясающими
пейзажами. Кроме того, нельзя
не отметить Запретный город в Пекине —
истинный архитектурный шедевр, где каждый элемент наполнен древней историей.
Эти [b]достопримечательности[/b] олицетворяют дух нации
и наполняют невероятной энергией
путешественника.
В заключение хочу отметить, что Китай — это страна, где любой обнаружит что-то
особенное: от бурлящих мегаполисов до
мирных старинных деревень.
А как вы считаете? Какие места в
Китае создали на вас самое сильное воздействие?
Будет интересно услышать ваше мнение
и рассказы!
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