2026-08-18
ロックレジェンドが集結した熱狂と感動の『「Burningsplash-60分 BATTLE-」』完全レポート
1982年から続く埼玉県さいたま市にある老舗ライヴハウス「浦和ナルシス」。
同店が1995年から定期的に主催する恒例の夏フェス『SAITAMA Summer Rock Festival』が、2026年8月8日(土)から埼玉会館で開催された。
そのうちのひとつが、8月9日(日)の「Burningsplash-60分 BATTLE-」。
サブ・タイトル的に「共鳴か、それとも破壊か。ロックの真髄を懸けた衝動の60分BATTLE開幕。
語り継ぐのではない。今、目の前で起こる伝説の証人となれ!!」と銘打たれ、そのBATTLEに集結したのは、44MAGNUM、EARTHSHAKER、SEX MACHINEGUNS、SUPERBLOOD、JUNYA projectというレジェンドたち。
チケットは瞬時にソールドアウトとなり、そのプラチナ・チケットを手にした伝説の証人たち=オーディエンスの熱い期待ばかり渦巻くなか、13時に開幕の時を迎えた。
激しいBGMに合わせ、真っ赤なライトが点滅。同時に巻き起こる歓声のなか、SEに合わせてステージを覆う幕がゆっくりと開いていった。
流れるそのSEはGRAND SLAMの「Rhythmic Noise」。となれば出てくるのはアイツらしかいない。加藤“JUNYA”純也の率いるJUNYA projectだ。
80年代にREACTION、そして90年代にGRAND SLAMで活躍したカリスマ・ヴォーカリストがJUNYA。
だが1997年2月、GRAND SLAMは解散。以後、彼はバンドや音楽活動から退いている。
しかし2024年暮、44MAGNUMの目黒鹿鳴館でのライヴ中、突然、PAUL(Vo)に呼び出され、27年ぶりにヴォーカリストとしてJUNYAがステージに立つという事件が起こった。
そして翌年には元GRAND SLAMのToyokawa Yoshihiro(Ds)らとJUNYA projectとして、目黒鹿鳴館の閉館に際して開催されたイベントに出演。
その後、JUNYA projectを本格始動させることをJUNYAは決意した。
記念すべき始動一発目となるのが今回のステージ。SE「Rhythmic Noise」のエンディングで登場したJUNYAは、オープニング・ナンバー「Here We Go」のイントロと共に「いくぜ! 準備はいいか!!」とオーディエンスに言葉を浴びせ掛けた。
目頭も心も熱くさせながら、復活の瞬間を歓喜の大歓声で祝福するオーディエンス。
そしてJUNYA projectのプレイするGRAND SLAMナンバーの数々に狂喜乱舞するばかり。
そんな光景を前に、エネルギッシュなライヴ・パフォームを続けながら、約30年ぶりとは思えぬストロングなヴォーカルを轟かせ続けるJUNYAがステージにいる。
1997年2月、GRAND SLAMのラスト・ライヴでJUNYAは涙を流しながら膝から崩れ落ち、「みなさんは夢を諦めないで、頑張ってください」と言葉を残してステージを去った。
前向きなメッセージだが、彼自身が音楽やバンドの夢を諦めてしまった瞬間でもあった…。
しかし夢の続きが、約30年の時を経て、再び動き始めたのである。
「歳喰ってもロックが好きで、離れることができませんでした。今まで違う人生を生きてきて、それはそれで幸せだったんですけど、やっぱりあの頃のこと忘れられなくて。失ったものもありましたが…、そいつらの分も楽しんでいきたい。限界というやつまで、めいっぱい走っていこうと思います」(JUNYA)
Toyokawa、アマチュア時代にMEDIAで共に活動したKOJI(G)、そしてA-chan(G)、Maki(B)という心強いメンバーと共に、JUNYAはGRAND SLUMの数々の名曲を歌い、笑顔をどんどん輝かせていく。
オーディエンスも笑顔をこぼしながら共に歌い、ロックする。
夢の続きの第一歩目は、熱く幸せな光景だけが広がっていた。おかえり、JUNYA!
JUNYA projectに続いたのはSUPERBLOOD。2014年、AXL(B)、OKAHIRO(G)、MAD OHUCHI(Ds)らによって活動をスタートさせたバンドだが、2025年11月にメンバー・チェンジで坂本英三(Vo)が新ヴォーカリストとして加入。
同時に、SUPERBLOODの音楽性にも大きな変化が起こり始めた。
それまではロックン・ロールのテイストも強かったが、ヘヴィ・メタルへと一気に振り切っている。
英三とMADによる百戦錬磨の鋼鉄スピリットに、プレイ・スタイルを自身のルーツでもあるハード・ロックやヘヴィ・メタルに立ち返ったOKAHIRO、音も存在感もタダモノではないAXLがひとつになり、メタル・ケミストリーを生み出しているSUPER BLOODである。
「いくぜ、マッド!」
英三の叫び声と共に「RUNNING WILD」で始まったステージ。強力なリズム・セクションに、華もある自由奔放なギター・プレイ、熱量と激情と迫力を放ち続けるヴォーカルで、オーディエンスのヴォルテージも高め続けていく。
「俺たちの盟友、JUNYA。涙なくしては観られない心温まるステージでした。感動しました。
その後の俺らは、とくにない…。あるのはメタルでぶちかましてやるぜっていう、大人げない闘争心です。メタル、ぶちかましていきます!」(坂本英三)
魂を震わせるようにそう宣言し、メタルで攻め立てるSUPERBLOOD。野性味あふれる豪快なスタイルを持ちながら、ポップなテイストも感じさせるものやエッジの立ったものまでと幅広い。
MADの「ヘヴィ・メタル好きで良かったか!?」の掛け声でコール&レスポンスも巻き起こし、そこから続く新曲「Ignite」には現在のSUPERBLOODの真骨頂とも呼べる重厚でタイトなテイストも。
キャリア豊かなメンバーたちだが、伸びしろしかないSUPERBLOODである。そう痛感させるステージだった。
次のバンドのSEが流れた瞬間、客席フロアの左右でバンド名を染め上げたフラッグが勇ましくはためいた。
そんな熱狂的なファンが大歓迎するなか、ステージに現われたのはSEX MACHINEGUNS。
直後、耳をつんざくヘヴィ・メタル・サウンドを決め、「みかんのうた」へ突入した。
数日後に『SAITAMA Summer Rock Festival』でのワンマンも含め、この週だけで3回のライヴを行なうSEX MACHINEGUNS。
精力的なライヴ活動というよりは、ライヴこそ生きがいであり生きざま。正真正銘のライヴ・バンドである。
統制の取れたライヴ・パフォームといい、キレも重みも兼ね備えたバンド・サウンドといい、「ファミレスボンバー」で“おまたせしました、十万石饅頭ですね”とご当地ネタを即興で放り込むセンスといい、どこからどこまで隙がない。
熱狂的ファンであるマシンガーはもちろん、メンバーより年上のオーディエンスらも巻き込んでいく。
「本日、私たちが一番の若手でございます。一緒にやらせてもらうのは嬉しいけど、まさかの事態。
憧れている人としか出てません。…憧れるのはやめましょう(大谷選手の声色で)。
いくで、ヘヴィ・メタル・シャウト、ナーッ!!」(ANCHANG)
SHINGO☆(B)も「サイタマ、ウラッワー(浦和)!」とキレのいいシャウトを轟かせ、THOMAS(Ds)と鉄壁なリズムを生み続ける。
SUSSY(G)は以前、44MAGNUMのJIMMY(G)から“ギタリストならソロを弾かなきゃ”と詰められたこともあったそうだが、ANCHANG(Vo,G)と華麗なツイン・リードも決めれば、「HEAVY METAL THUNDER」ではソロも決めまくる。
メンバーそれぞれが高いポテンシャルを持ち、それらが相乗効果となって激烈なヘヴィ・メタルとライヴ・パフォームへと昇華させるのがSEX MACHINEGUNSだ。
ラストの「ジャーマンパワー」では“浦和の魂、ジャパメタパワー”とサビに盛り込み、オーディエンス全員と心ひとつに熱さを極めていった。
開演からすでに3時間以上。オーディエンスはヘヴィ・メタルを浴びて元気になっていくばかり。
そこに流れ始めたSEは「BACK TO NEXUS」。直後、フロアを埋め尽す全員が立ち上がり、大歓声でバンドを出迎えた。
みんなからの愛情に包まれながら満面の笑みでステージに現われたのはEARTHSHAKER。
1983年に『EARTHSHAKER』でデビューして、一度は解散するものの、1999年に西田“MERCY”昌史(Vo)、石原“SHARA”愼一郎(G)、甲斐“KAI”貴之(B)、工藤“KUDO”義弘(Ds)というデビュー時のラインナップで再結成し、2017年には永川“TOSHI”敏郎(Key)が再加入し、黄金のラインナップが揃っている。
そんな彼らがこの日、一発目に響かせ始めたのはデビュー・アルバムの1曲目でもある「EARTHSHAKER」だった。
集まったオーディエンス全員のDNAに深くまで入り込んでいる曲のひとつだ。
リフやリズムに合わせコブシが突き上がり、MERCYのヴォーカルをかき消す勢いでフロアのそこらじゅうから歌声も起こる。
初めてEARTHSHAKERの曲を聴いたあの日、初めてEARTHSHAKERのライヴを観たあのとき、そんな18の日々が蘇っていく。
さらに続く初期ナンバーの数々に、オーディエンスの表情は輝いていく。
そしてコーラス・パートでは自然と大合唱がメンバー5人を包み、シェイカー・サウンドと曲をさらにきらめかせていった。
「1980年代。あの頃にみんなと出会って、デビューして43年。こんなに経っているのに、まだ付き合ってくれているなんて、ありがとう。
で、みんな、立っているじゃないですか。エグッ! 負けてられへん」(MERCY)
中盤にはKUDOがドラム・ソロで圧倒しながら、みんなの気持ちを奮い立たせ、「WISKY AND WOMAN」でハジけるという絶妙な流れを作り、そして名曲「MORE」へと続く。
オーディエンスと同世代だからこんな言葉も使わせてもらうが、本日のEARTHSHAKERはジジババ殺しだ。
気づけば、JUNYAも客席の一番後ろでコブシを上げながら、でっかい声で歌い続けている。
全員をキッズに変貌させるEARTHSHAKERがステージにいる。
「45周年が迫っているんだけど、前に前に進んでいけば、みんなとまたこういう場所で会えて、ちょっとでも元気になってくれれば。最後は全員で歌おうぜ!」(MERCY)
ラストはこれまた名曲「RADIO MAGIC」。
みんなを若返らせるどころか、幸せな気持ちにさせるEARTHSHAKERの曲、メロディ、ライヴだ。
そしてこのイベントのオオトリを務めるのは44MAGNUM。暗転直後、おなじみの「E.T.のテーマ」が流れ、幕が開いたとき、ステージ中央には玉座が置かれていた。
約20年前から若年性パーキンソン病と闘い、2025年には声帯手術も受けた梅原“PAUL”達也(Vo)。
それでも不屈の魂で歌い続けるのがPAULだ。玉座に座って、「How You Fxxkin' Doing,SAITAMA!」と挨拶を喰らわせながら始まったのは「LAST TRAIN」。
野望を秘めた想いを綴った歌詞を、ジックリと噛みしめるように歌うPAUL。
その言葉を全身で受け止めながら、自分の若き日々も思い返す、それぞれの人生を歩んできた何百人ものオーディエンス。
疾走タイプの激しい曲ではないものの、熱い空気が充満している。
その熱さをさらに膨れ上がらせるように、間髪なく「YOUR HEART」へ。
PAULがマイクを客席に向ければ、サビのコーラスがオーディエンス全員からブチ上がり、そのまま激速ロックン・ロール「NO STANDING STILL」へと続いていく。
PAULの横に中腰になり、ヘドバンを決めながらベースを刻むのはSEXX GEORGE(B)。
ツーバスも絡めながら強烈ドラミングで圧倒し続ける宮脇“JOE”知史(Ds)。
トレードマークの白いVモデルを手に、油に火を注ぐように速弾きソロでオーディエンスを煽りたてる広瀬“JIMMY”さとし。
そんなメンバーの前には、俺が44MAGNUMのヴォーカリストだ、という勢いでエネルギー全開で歌いまくるオーディエンスの姿だけが広がっていた。
「みんな、元気でやってたか!」(PAUL)
「5時間以上やっているのに、(客席を指差しながら)このパワーですよ。全部、使い切れよ!」(SEXX GEORGE)
そこから次々に初期ナンバーを中心に叩きつける44MAGNUM。興奮と高揚は高まり続け、オーディエンスから沸き上がる歌もどんどんでかくなるばかり。
そして「I JUST CAN'T TAKE ANYMORE」に入ったときだった。それまで玉座に座って歌っていたPAULが立ち上がった。
そして嬉しそうな顔でオーディエンスとコンタクトを取りながら、共に歌い続けた。
「じゃあ、ここで呼び込もうか…、JUNYA!」(PAUL)
その言葉でステージ袖から飛び出てきたのはJUNYA。
まるで2024年暮の目黒鹿鳴館での事件の再来である。
あの事件をきっかけに、カムバックすることも考え始めたJUNYAが、今、シンガーとして再び歩み始めている。
心に渦巻く熱いものを余すことなく放出するように歌うJUNYA、でっかい愛情で包み込むようにエネルギッシュに曲を決める44MAGNUM。
「STREET ROCK'N ROLLER」に続いて、ラストはもちろん「SATISFACTION」。
PAULが差し出すマイクでJIMMYがコーラスし、PAULの口もとに自分のマイクを向けるのはJUNYA。
そしてずっと起こり続けるオーディエンス全員からの歌声。共鳴か、破壊か。いや、饗宴である。
44MAGNUMとここに集まったヘヴィ・メタル・ファンたちとの。
8月9日、夏の暑い日、とてつもなく熱いドラマがみんなで作り上げられた。
PHOTO:土田紘
TEXT:長谷川幸信
SAITAMA Summer Rock Festival
Burningsplash-60分 BATTLE-
2026年8月8日(土)埼玉会館
SETLIST
■JUNYA project
1.Here We Go
2.Are you ready
3.HELLO
4.Once more Kiss
5.Dance Dance Dance
6.No! No! No!(Shock you)
7.Let it Go
8.Without Dreams
9.SONG FOR YOU
■SUPERBLOOD
1.RUNNING WILD
2.Blazing Love Storm
3.The Last Man Standing
4.Have A Blast
5.SUPER SOUL FEVER
6.Rise And Fall
7.Ignite(新曲)
8.Rescue Me
9.Enter a new phase
■SEX MACHINEGUNS
1.みかんのうた
2.ファミレスボンバー
3.燃えろ!ジャパメタ
4.愛人28
5.HEAVY METAL THUNDER
6.ハイウェイ スター
7.プライド
8.桜島
9.German Power
■EARTHSHAKER
1.EARTHSHAKER
2.記憶の中
3.ざわめく時へと
4.ありがとう君に
5.FIGITIVE〜Drum solo
6.WHISKY AND WOMAN
7.MORE
8.RADIO MAGIC
■44MAGNUM
1.LAST TRAIN
2.YOUR HEART
3.NO STANDING STILL
4.DIRTY LADY
5.IT'S TOO BAD
6.LOVE DESIRE
7.THE WILD BEAST
8.I JUST CAN'T TAKE ANYMORE
9.STREET ROCK'N ROLLER
10.SATISFACTIO
≪ツイキャスプレミア配信≫
「Burningsplash -60分 BATTLE-」@埼玉会館小ホール 44MAGNUM / EARTHSHAKER / SEX MACHINEGUNS / SUPERBLOOD
購入URL https://x.gd/MWJec 5000円(税込)
アーカイブ販売期限: 2026年8月30日(日) 23:59まで
(視聴期間3週間)
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