2014-12-01
sadsが水戸ライトハウスを灼熱の空間へと変えた!
2014年11月27日、この夜の公演は〈mito LIGHT HOUSE 25th anniversary ~祝盃~〉と銘打たれたもの。sadsと縁の深いライヴハウスの25周年、さらにはK-A-Z(G)の44歳の誕生日ということもあり、約3時間半の狂宴は想像を絶するような轟音に包まれた。
今年の6月から7月にかけて催されたショート・サーキット〈Evil 7 playground〉と10月のハロウィン・イベント〈evils halloween II〉を経て、年内最後の公演ということになる。当然のように、即ソールド・アウト。プラチナ・チケットを握りしめた観客が出入口までびっしりと埋まっており、「少しでもステージに近づきたい」という異様な熱気がフロアを支配していた。
開演時刻を少し過ぎた頃、場内が暗転し人波が前に押し寄せる。手を伸ばせば触れられそうなところに立つカリスマがいきなり「HONEY」でぶっ放す。もみくちゃのオーディエンスは暴発寸前だ。間髪入れずに放たれたのは「Hate」。バースデー・ボーイのK-A-Zを抱き寄せ頬ずりする清春(Vo)からは邪悪な官能が漂う。GO(Dr)とクボタケイスケ(B)が生み出すグルーヴを聴いていると、身体が勝手に揺れる。sadsは今夜もさっそくの爆音で畳み掛けている。
我を忘れて見とれてしまう音楽こそが彼らの真骨頂だ。ライヴを観るたびに、ジャンル分けが意味を持たないほどのへヴィでラウドなロックがこの世に存在するのだと感心する。たとえば「FREEZE」で熱くしなやかに踊る清春の姿は、その場で目撃した者にしか共有できないような魅力を備えている。ライヴハウスにおけるオーディエンスとの共犯関係が実によく似合うバンドなのだ。「NIGHTMARE」でひとつの頂点を迎えた彼が「カッコいいねー!カッコいいねー!カッコいいかもしれないねー!」と独特の語り口でバンド内の化学反応を評するのが印象的だった。
「RESCUE」「STUCK LIFE」「WHITE HELL」「AMARYLLIS」とこれでもかというぐらいに重い4連発で本編を締めた後には、サプライズが待ち受けていた。ギターを抱えた清春が「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」と優しく歌う。見覚えのある顔がケーキを持ってステージに入ってくる。黒夢の人時だ。盟友K-A-Zの誕生日を祝うこの瞬間のために駆けつけた彼はとても嬉しそうだ。ステージ上の全員の表情が輝いていた。「仲良すぎて怖いですね」と清春が言うぐらいにsadsと黒夢の友情は揺るぎない。
「このライヴが決まったときから今日を楽しみにしていました。みんな集まってくれてありがとう!」とK-A-Zが叫んだ後は怒涛のアンコールに突入。きわめて殺傷力の高い「weekend in the lust」などの楽曲が並ぶこの時間帯は、会場がさらに溶けそうになるほどの熱い空気が充満していた。素晴らしい仲間と共に轟音を吐き出す。また、それを全身で浴びに来るオーディエンスがいる。ライヴハウスという文化を絶やしてはならないと気づかされる光景だった。
4度目にして最後のアンコールの前に、この日のもう一人の主役である水戸ライトハウスの店長・稲葉氏に”水戸じゅうの花を集めた”巨大な花束がsadsより贈呈された。「またライトハウスでsadsをやりたいと思うので、その時も集まってください」と清春が観客たちに語りかける。現時点で彼らの次なるプランは具体的には明らかにされていないが、来年は大きな動きがありそうだ。現ラインナップでの最初のアルバム『THE 7 DEADLY SINS』以来、フルアルバムとしては2枚目となる作品を制作するとのこと。もちろん、ライヴの開催にもおおいに期待したいところだ。イメージ先行でなかなか音そのものが注目されない日本の現在の音楽シーンを「黙らせたい」と言い切った清春。「すごいのを作って、それが漏れて聴こえてきちゃう」ような状況を来年は必ず見せてくれるはずだ。
清春いわく「灼熱バースデー」となった本公演では、改めて、既存の枠組みから自由になることの意味を教えられた。sadsをやりたくて仕方がない人たちがいる。それを観たくて仕方がない人たちもいる。この稀有な存在からますます目が離せない。
TEXT:志村つくね
PHOTO:今井俊彦
■【セットリスト】
M1 HONEY
M2 Hate
M3 See a pink thin Cellophane
M4 ANDROGYNY INSANITY
M5 MALIBU SUGAR
M6 Tell me what you lie
M7 PSYCHO GULLET
M8 SPIN
M9 GRAVE
~ K-A-Z Gt. Solo ~
~ GO Dr. Solo ~
M10 FOR YOU
M11 FREEZE
M12 MAKING MOTHER FUCKER
M13 NIGHTMARE
M14 RESCUE
M15 STUCK LIFE
M16 WHITE HELL
M17 AMARYLLIS
< ENCORE 1 >
M18 evil
M19 VENOM
M20 weekend in the lust
< ENCORE 2 >
M21 GOTHIC CIRCUS
M22 SANDY
< ENCORE 3 >
M23 WASTED
M24 BECAUSE
M25 Liberation
< ENCORE 4 >
M26 THANK YOU
M27 CRACKER'S BABY
【関連リンク】
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