2012-12-20

【OLDCODEX】爆音の中でくっきりと浮かび上がったOLDCODEXという個性

 サウンドの要であったギタリスト、R・O・Nの電撃脱退からわずか2カ月でニューアルバム『CONTRAST SILVER』が完成! 結束したTa_2とYORKE.の決意を軸に、INORANなどによる提供楽曲もありながら、実にバンド感あふれる作品に仕上がった。

──R・O・Nさんが抜けて初のアルバムとなりますが。

Ta_2「2人体制になっての一発目として、今の熱量をそのままパッケージしたいと思って。こんなにバンドについて話したのは、久しぶりじゃないかって思うくらいチーム全体で話し合った。」

YORKE.「ホワイトボードにいろいろ書きながら朝までね。」

──制作期間はどのくらい?

Ta_2「10月6日の赤坂BLITZでのファイナルを終えてからなので、実質約2カ月。荒削りな部分もあるけど、そこから見えたものもあるし、とにかく今の状況から逃げずにやってみようと。」

──アルバムを聴いて、ライヴがすごく観たくなりました。

Ta_2「そういう感想は嬉しいですね。ライヴの翌日から制作に入ったということが、音に如実に表れてると思います。」

──そもそも何かコンセプトみたいなものは決めたのですか?

Ta_2「最初に「HEAVEN」が出来上がって、その上で見えたコンセプトは、“シンプル”“ソリッド”“チャレンジ”。すでに自分たちがシンプルになったわけで、そこに甘んじて今までやってきたことをなぞらえようという気もなかったし、クオリティーを下げずに自分たちの感性をもっと研ぎ澄ませたものにしたかったし。あと、今までやったことのなかったアプローチにチャレンジしていくことで、粗も見つかるかもしれないけど、それも糧として全て詰め込もうと。曲はいろいろな方に書いていただいて、俺の声が映えるメロディーのいいものを基準に選んでいきました。」

──「HEAVEN」はINORANさん作曲ですが、どういうつながりですか?

Ta_2「2011年の12月23日のライヴをINORANさんが観に来てくださって。そんな流れで“書いてくれないかな?”って。何十年と最前線を走り続けている方なので、学ばせてもらうことはものすごく多かったし、すごく刺激的なレコーディングでした。音楽的なものはもちろん、こだわりの持ち方とかスタイルとかまで感化されて。たばこの銘柄をINORANさんと同じにしてみたり、服装を真似てみたりとか。でも、結局“似合わねえな”って(笑)。」

──1曲目「mister Coherent」は、Ta_2さんの作曲ですね。

Ta_2「YORKE.から“Ta_2も書けるんじゃねえの?”って。ちゃんと作ったことはなかったけど、ネタとか自分的に好きなフレーズをボイスレコーダーに吹き込んだりとかしていたし、俺自身も何かチャレンジしなきゃダメだと思ったので。これは1曲目ということで、イントロのようなイメージで作りました。」

──YORKE.さんは、全曲作詞ですが。

YORKE.「最初は鬼のスケジュールだと思ったけど、今思えば逆にそれが良かったなって。車で詞を考えたりということもあったけど、すごく集中できた。逆にもっと時間があったら、ここまではできなかったかもしれない。でも、1曲目で仮メロを録った時は、Ta_2が“トマト、ベーコン、レタス”とか勝手な歌詞で歌うもんだからハマっちゃって。いざ作詞しようと思った時、そこから抜け出すのが超大変だった(笑)。」

──ラストの「sleepy seaside hamlet」は、スケールが大きくてメロディアスですごく印象的でした。

YORKE.「ステージ上から会場を見渡した時、たまに海っぽく見えることがあって。Ta_2だけに照明が当たると、本当に寂れた海辺の街みたいで。そういう気持ちを置き換えて書いていて。」

Ta_2「俺は2サビ終わりの《闇に吠えろ》ってところが好きで、自然とそこに向かって波を作って歌ってるって言うか。」

YORKE.「本当に吠えてたもんね。」

Ta_2「ノッてくると自然と歌詞が入って、いいテイクが録れる。今回はリズム録りも全部観に行ったから、演奏している様子も思い出して感じながら歌って、一体感あふれるものになったと思う。リズム録りを聴いてるうちに盛り上がって、まだ歌詞も上がってないのに、急遽ヴォーカルブースで仮歌を入れたこともあったし。」

YORKE.「なぜか俺まで歌ったりして(笑)。」

──YORKE.さんが歌った意味は?

YORKE.「良い曲が多かったから、単純に歌いたくなっちゃって(笑)。それにTa_2やプレーヤーに歌詞の意味やニュアンスをちゃんと伝えたいので、今回は俺が仮歌を結構歌ってるんです。だから、最後のほうなんか、何だか歌が上手くなってきちゃって(笑)。」

──Ta_2さん的に、YORKE.さんの仮歌で歌いやすくなった?

Ta_2「正直、一番最初に聴いた時は笑ったけど(笑)。」

──ちなみにタイトルの“CONTRAST SILVER”にはどういう想いが?

YORKE.「“SILVER”って言葉は、強いイメージもあるけど、逆に柔らかさや優しいイメージもあって、掴みどころがない。そういうものの輪郭をはっきりさせたい、みたいな感じかな。アルバムを通して聴けば、きっと分かってもらえると思います!」

──そして、13年2月からツアー。土日ばかりですね。

Ta_2「週末ヒーローOLDCODEX Zみたいな(笑)。自分たちでもどんなツアーになるか、すごく楽しみです。」

──爆音を期待してます!

YORKE.「PAさんがすごく熱い人で、音量を上げられるだけ上げちゃうんです。でも、他のバンドでは止められるらしくて、うちらの時に、ここぞとばかりに上げるっていう(笑)。」

Ta_2「こういうのはもう古いのかな? とにかく音がデカけりゃいい的な、単なるバカの考えみたいなところがあるんですよ(笑)。」

──バカってことはないです(笑)。でも、あの爆音の中で、頭から最後までジャンプしてるお客さんもすごいですよね。

Ta_2「ちゃんと食べてこないと、身体が持たないって(笑)。途中でグロッキーする人もいるけど、そういう人はみんな悔しがって帰るらしいです。“こんなはずじゃなかった。次はもっと体力付けなきゃ!”って。マラソンじゃねえんだから(笑)。」

取材:榑林史章

(OKMusic)


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