この風に触れると
一瞬で こゝろ
ほどけてしまう 「ただいま」と自分に呟く

毎日通ってた バス停も今は
きれいになって なんとなく さみしく感じた

懐かしい笑顔の中に
君のことを探したけど
見つからない その方がいい
想い出の色は 変わらないで

白いスカートの裾 あおぞら 夏雲
憶えてますか 君は
帰りたくないままに 歩いた
海沿いの道を
2人手をつないだ日 見ていた向日葵
思い出していました
ねぇ君と私だけの記憶は 彼方の夏恋模様

今はどこでどんな
恋をしてますか?
街を出たこと 友だちが教えてくれたよ

むかし乗ってた自転車で
あの道まで駆け下りたら
変わらなくて 眩しすぎて
だから切なくて 目を閉じたよ

軒先の風鈴と 夕暮れ 横顔
憶えてますか 君は
話すこと 尽きた後 それでも
そばにいたかった
たくさんした指切り 遠くには花火
思い出していました
そのままで 永遠に そのままで きらめく夏恋模様

とつぜんの通り雨 幼い口づけ
憶えてますか 君は
屋根を打つ雨音の間に 山梔子(くちなし)の香り
2人手をつないだ日 見ていた向日葵
思い出していました
またここに 夏がめぐって来ても あの2人はいない


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