突然 列車を降り立ち
波打ち際へ向かった
誰もいない浜辺に
さよならするために

潮騒 溜め息微か
脈動は遅くなって
一本 煙草吸うまでに
カモメ飛んでゆけ

明朝 列車は何時の
どこ行きなんでしょうか
全然 晴れ間の見えぬ
月夜になりました

水平線 何処にあるのか
判らぬほどに泣いて
偶然 思い出すのは
産まれた日のこと

心配要らぬことだと
あなたは言いました
当然 酸いも甘いも
知ってるはずだと

海は不思議なもんです
母乳を貰うように
釈然としない気持ちを
遠くまで飛ばす


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