もしもこの身が透き通る術を得たなら
街の喧騒すら 潜り抜けてみたい
見知らぬ顔の唇を読むフリして
都合の良い方に傾けるよ

それを話すと 不機嫌な顔
声はしなくても わかった

その唇が声もなく震えたら
僕はそっと塞ぐよ

ねぇ どれだけ言葉並べてみたとしても
そのどれも伝わる気はしないよ
それでも ほら また僕らは
分かり合えもしない声を待ってしまうから

曖昧なまま 日々は連なっていった
僕は自分をいくつ偽っただろう
君の耳には何が聞こえるのかな
君の言葉も君じゃないかな

僕の頭が 都合の良いように
君を受け取っただけかな

誰もが見栄や背筋を張ったまま
煩わしい街を彩るけど
それでも その化の皮を
剥がした先にあるのは
同じだと思うんだよ

きっと僕が素直である事を
君は知る由もないままだろう
僕は素直なまま 背伸びをするよ
君の目が僕を離さないように

ねぇ どれだけ言葉並べてみたとしても
そのどれも伝わる気はしないよ
それでも 遠回りしてでも
有りの侭でいられる声を探している

僕ら互いに分かり合えないとしても
心の橋を渡っていくよ なぜなら
今 綴る想いが 胸の内にある事が
嬉しいも寂しいも君と見付けた全てが
愛しいと思っているから

もしもこの身が透き通る術を得たなら
僕の心を見せたいけど
もう 何も言わずに伝わる事もあるらしい
僕はそっと塞ぐよ

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