お気に入りの靴を履く日は
いつも雨が降ってしまう
心までずぶ濡れの姿で
君に会いに行く

ひとつめ は 僕のため
もうずっと言えずにいたんだ
正直な僕なんていないのかも
僕にも見えない

色を身に纏って
世界に溶け込むように
硬く紐を結ぶように

着飾っていても 全ては
僕らしくあるため使う まじない
嘘なんてひとつもない
ただ僕は色を選んだ
袖を通す時はいつも
なりたい自分に出会うための
おまじないを使える

ふたつめ は 君に使おう
なんて大きな世話だろうか
君らしいものが何かは知らない
だけど 言葉にしよう

荷物にならぬように
逸れてしまわぬように
ふたりだけの目印

優しさなんて本当は
自分以外の誰のためでもない
時には嘘にもなる
でも僕は君に使う
ほんの少し僕のため
君に笑ってもらうための
おまじないを使える

お気に入りの靴を履く日は
いつも雨が降ってしまう
それでも心から望む姿で
君に会いに行く

みっつ
僕がひとりのままでは使えないもの
君にも近付いてきてほしい
手は離さないでね

ほどけてしまう日も
また結び直せばいい
僕らが望むなら
ふたりきりで唱える
おまじない

消えない想いの全てを
乗せて君とだけ使う まじない
嘘なんてひとつもない
ただ僕は君と出会った
同じように見付けてくれた
君と未来に出会うために
いつまでも唱える

おまじないを唱える

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