今夜 月に照らされて 言わないはずの言葉を喋っていました
明るい笑い声の店をいくつも通り過ぎて 一人立ち止まってしまいました
留まる意味も失うものもないのに 離れることに怯えるような
しょぼい自分を引き摺って 意地に引き摺られて
どうにか歩いてきたはずでした

今夜 月に照らされて 言わないはずの言葉を喋っていました
暗いショーウィンドウ 中年の猫背 ずいぶん曲がって
もはや誰だかわからない
ギターを背負って歩くのが誇らしかった少年は
いつから胸を張らなくなってた
人間 見てくれじゃないと誰か言ってたけど
僕が恥ずかしくなったその訳は

夢が叶っていないことではなく
僕が曲がっていたことでもなく
本気で向かっていなかったことなのです

本気で叶えたい夢ならば 変わらず同じ空に光っていました
本気で生きているのなら 言わないはずの言葉を喋っていました

「これでいいんだ」
「これでいいんだ」
そう思わなきゃ潰れそうな夜 口から溢れてた
「これでいいんだ」
「これでいいんだ」

今夜 月に照らされて ちゃんと言うべき言葉を探し始めました
もう何十年やってきたのに なんて振り返って 過去の何が変わるんだ?
もういい年こいてるくせに なんてあざ笑って 未来の何が分かるんだ?
自分に何ひとつ答えられないまま 学んだことだけを知っていました

暗いだの明るいだの未来を表す言葉はないんだ
知り得ないという事実だけが聳え立ってるんだ
世界だの神様だの障害は幻で ぶっ倒れてもぶっ倒れても
報われる日が来なくても
正解だの平穏だの生涯も幻で ぶっ倒れてもぶっ倒れても
挑み続けるしかないんだ
人間 運命は決まってると誰かが言ってもだ
これしかないって 賭けているなら

誰かが向いてくれないのではなく
向き不向き なんてどうでもよく
本気で向かっていなかっただけなのです

本気で叶えたい夢ならば 変わらず同じ空に光っていました
本気で生きているのなら 立ち止まってしまう日もあると知りました

「誰がなんと言っても俺は俺なんだ」
少年の言葉にあった誓いか 祈りか
あれは あの時の声は こんなずるい響きだったっけ

これでいいのか?
これでいいのか?

本気で叶えたい夢ならば 変わらず同じ空に光ってるんだ
本気で生きているのなら 本当の大切はもう握ってるんだ
本気で叶えたい夢ならば どんなに遠くても進む限り近づく
本気で生きているのなら やるべきことはたった一つ 踏み出せ

俺は行く 何度でも
俺は行く 何度目でも

本気で生きているのなら
これでいいんだ


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