2018-02-23

BOYS END SWING GIRL×SaToMansion対談を公開。

12月にEX THEATER ROPPONGIで開催されるイベント出演権をかけて、若手バンドたちが1年にわたってライヴパフォーマンスバトルを繰り広げる対バンイベント『ROAD TO EX』。テレビ朝日の番組『EXシアターTV』から生まれた同イベントが2年目に突入し、今年も応募者の中から選ばれた16組がこれから熱いバトルを繰り広げる。その戦いを盛り上げるため、昨年『ROAD TO EX 2017』を戦い抜き、見事優勝したBOYS END SWING GIRLの冨塚大地(Vo&Gu)とファイナルステージまで勝ち進み、惜しくも敗れたSaToMansionの佐藤和夫(Vo&Gu)が再び顔を合わせ、トークバトル(!?)が実現。昨年の対戦を振り返ってもらいながら、『ROAD TO EX』の醍醐味やバンドの今後について語ってもらった。


“初めて観たバンドのことを好きになっちゃった!”と
思わせられるぐらいのライヴをしようと思った


--まず『ROAD TO EX 2017』に参加した感想から聞かせてください。

冨塚
結構心を擦り減らしました(笑)。僕らはファイナルステージが3月で、そこから9月にセミファイナルステージ、11月にファイナルステージというふうに1回1回の間が空いていて(※『ROAD TO EX』は応募者から4組のアーティストを選出。対バンライヴを行ない、ポイントの多い上位2組がセミファイナルライヴに進出。これを4回開催し8組を選出)。その分、準備する時間は作れたんですけど、逆に“あれがまだできていない”みたいにいろいろなことを考えちゃって。“お客さんを集めなきゃいけない”とか、“歌も上手くならなきゃいけない”とか。ライヴに向けて動ける時間があったのは良かったんですけど、大変な1年でした。

佐藤
勝たなきゃいけないライヴってやったことがなかったんですよね。でも、目指すところが分かりやすいからバンドが一丸となれて。大変ではあったけど、楽しかったですね。僕らはファイナルステージが4月で、やっぱり9月のセミファイナルステージまで空いていたんで、そこでお客さんの2票目を獲るためにいろいろ作戦を考えました(※イベント終了後、来場者がライヴが良かったアーティストを2組選び投票)。応援しているバンドに1票を入れて、もう1票をどのバンドに入れるか?ってところなんですけど。

冨塚
でも、それはどうにもできないから、セミファイナルステージからは2票目を獲ろうとはせずに何も考えずにやりました。

佐藤
結局、考えてもやることは変わらなかったんですけどね。Twitterで告知をする時も、“本当にいいと思ったバンドに入れてほしい”って。そうしないと、負けるにしてもちゃんと負けられないので。

冨塚
だから、応援しているバンドを勝たせたいお客さんに、“初めて観たバンドのことを好きになっちゃった!”と思わせられるぐらいのライヴをしようと思って、振り切ってやりました。

--おふたりは以前からお互いのバンドのことは知っていたんですか?

冨塚
SaToMansionとBOYS END SWING GIRLは、もともと活動していたところがちょっと違ったんです。SaToMansionはゴリゴリ、ロックな感じじゃないですか。実は僕、高校生の時はそういうのやりたかったんです(笑)。ファイナルステージに出演する3組が決まった時、他の2バンドを聴いた母が“SaToMansion めちゃくちゃいいよ”って、LINEにPVをたくさん送ってきたんですよ(笑)。最初は“敵の曲なんか聴くか!”と思ったんですけど、聴いたらめっちゃ良くて(笑)。特に歌詞がいいんですよ。

佐藤
ありがとうございます(照)。

冨塚
不良っぽい歌詞がカッコ良い。僕には書けない歌詞だし、僕にはできない音楽だし…ってところで、この人といっぱい喋りたいと思いました。

佐藤
お母さん、ナイスですよね。SaToMansionって、若い子よりもお母さん世代にけっこうハマるんですよ(笑)。

--逆にBOYS END SWING GIRLについては、どんな印象が?

佐藤
MCが素晴らしい。

冨塚
本当ですか、それ?

佐藤
爽やかにライヴを盛り上げるんですよね。そういうのを僕もできるようになりたいと思うんですけど、演奏も喋っていることも一貫しているというか、飾らないというか。

冨塚
嬉しいです。

佐藤
だから、好感が持てましたね。

--お互いに自分にないものに惹かれていると。

佐藤
それはありますね。若さも含めて(笑)。

冨塚
いやいやいや(笑)。


いい曲を届けるだけじゃなくて、
それを聴いた人の心に何か生み出すまでがライヴ


--ところで、そもそも『ROAD TO EX 2017』に参加しようと思ったのは、なぜだったのですか?

佐藤
僕らが出演を決めた時は結成2年目ぐらいだったんですけど、ひとりでも多くの人に知ってもらうために何か取っ掛かりが欲しいというところがずっとあって。ロックバンドと謳っているバンドがこういう勝ち負けが決まるイベントに出るのはどうなんだろう?ってちょっと迷いましたけど、メンバー全員で話し合った結果、2017年はそれに費やす1年にしようと決意しました。勝っても負けても、とりあえずは出ることが大事。“優勝したらメジャーデビューだ”と思ってやってたんですけど、そうはいかなかったですね(笑)。でも、夢を持ちつつ4人全員で同じところに向かって行けたのは良かったです。

冨塚
僕らは10代の頃からいろいろなオーディションに出ていたんです。いろいろ応募をして、いつも決勝まで残るんですけど、そこで負けてきたんです。それがすごく悔しくて。その頃から応援してきてくれた人に毎回悲しい思いをさせているような…それがメンバーそれぞれに傷とは言わないまでも心に残っていて。“あぁ、俺たちは行かなきゃいけないところで行けないバンドなんだ”ってずっと思っていたんですけど、僕らは高校2年生で結成した時にバンドとしての最後の年を決めていたんですよ。大学を卒業して2年目に、続けるか辞めるか決めようって。その最後の年が2017年だったんです。だから、勝負という意味で出ようということになったんですけど、正直怖かったです。続けたいという気持ちがあるにもかかわらず、負けたら解散しなきゃいけないわけですからね。でも、テレビに出られると聞いて、自分たちが音楽を続けていけるかどうかを決める最後の挑戦は、『ROAD TO EX 2017』にしようって(笑)。

佐藤
それ、大きいよね。テレビに出られるバンドになるって。テレビに出たいもんね(笑)。

冨塚
出たいです(笑)。自分の中でバンドを続けられる理由を探していたんでしょうね。全国流通もそうだし、ライヴバトルに勝つのもそうだし、そのひとつとしてテレビに出るっていうのもあったと思うから、それは大事なことだったと思います。

佐藤
あとはEX THEATER ROPPONGIとか恵比寿LIQUIDROOMとか憧れていた会場が挙がっていたんで、単純にミュージシャンとしてそこに立ちたいなっていう気持ちもありましたね。実際に立ってみたらすごく楽しくて、ここでワンマンをやりたいと思いました。

--『ROAD TO EX 2017』を経て、バンドはどんなふうに変わりましたか?

冨塚
友達の目が変わりました(笑)。テレビに出たっていうのもあるんですけど、大学を卒業して就職もせずにバンドをやっていることに今までは引け目を感じていて、友達の集まりに行けない自分がいたんですよ。向こうは全然そんなことは思ってないんですけど、行きにくかった。それに行けるようになったし、行った時に“頑張ってるね”って言ってもらえるようになったりして、そういうのも嬉しかったです。あとは、家族や親戚も応援してくれるようになって。やっぱり心配していたところもあると思うんですけど、そこにも返せたというか。

佐藤
そうだね。応援しやすくなったと思います。“勝ち負けが決まるんだったら、今回のライヴは行かなきゃ”っていうお客さんがすごく多かったんですよ。逆に、ここからが勝負なのかな? ここから落ちないように活動しなきゃいけないというのはありますね。テレビに出たり、LIQUIDROOMでライヴをしたりしたけど、またできるって決まってるわけじゃないし、ファイナルステージまで行ったバンドはここからが大変だと思います。『ROAD TO EX 2017』を通して培ったものを糧に、ここからちゃんと結果を出していきたいですね。

--培ったものって、たとえば?

佐藤
全然知らない畑のバンドとやることが多かったので、そこのお客さんの気持ちを掴むにはどうしたらいいか?って考えたのは大きかったと思います。それまでは考えたことがなかったので、ギターを持たずにピンヴォーカルで歌いながら客席に訴えかけてみたり、バットを持ってみたり、ヘルメットを被ってみたり…それは「VOICE」という新曲を作って、野球の決勝戦というシチュエーションでPVを撮った流れからだったんですけど(笑)、そんなふうにいろいろやってみたんですよ。『ROAD TO EX 2017』に出なかったら絶対にやらなかっただろうってことがいっぱいあったので、ライヴの観せ方の幅は確実に広がりました。

冨塚
僕らもライヴがすごく変わりましたね。『ROAD TO EX 2017』に出るまでは、いい曲をいい演奏で聴かせればいいライヴになるから、それを届けるだけでいいと思っていたんですけどファーストステージでそれをそのままやったら、思った以上に戦えないということがいろいろな人の意見から分かって…いい曲を届けるだけじゃなくて、それを聴いた人の心に何か生み出すまでがライヴなんだと改めて思いました。“楽しい”や“感動する”とか、そこまで作ることをもっともっと意識しなきゃと思ったし、ライヴっていうものが何のためにあって、どんなふうにやっていったらいいのかをメンバー全員で1年かけて話し合いながらやってきたんです。そんなことは今までなかったからいい経験になったし、それがいまだに続いているんです。そんなふうに気持ちをメンバー全員で切り替えられたことが一番でかかったと思います。

--3月24日にTSUTAYA O-nestで行なわれる『ROAD TO EX 2018』ファーストステージの出場バンド4組が決定しましたが、彼らにアドバイスするとしたら?

冨塚
いや、アドバイスなんてそんな立場じゃないですよ。

佐藤
優勝しているんだから、それはちゃんと言わなきゃダメでしょ!(笑)

冨塚
でも、その前にまずは胸を張ってアドバイスできる立場にならなきゃいけないと思う。負けないように頑張らなきゃって。だから、本当に“僕たちよりカッコ良いバンド出てこないで!”って思ってます(笑)。

佐藤
謙虚だねぇ(笑)。

--佐藤さんもひと言お願いします。

佐藤
考えすぎないことだと思いますよ。俺らは2票目の獲り方を考えたけど、結局辿り着いたのは、本当にいいライヴをするしかないってことでしたからね。そこはどのイベントとも変わりはないから肩の力を抜いてやるしかないと思いますね。それで、たまにはバットを持って行ったり、ヘルメットを被ったりして面白くしたらいいんじゃないかな(笑)。

冨塚
言えるとしたら、“応援してくれる人が一番大事だよ”ってことだけかな。

佐藤
いいことを言うねぇ。

冨塚
それ、すごく思いました。

佐藤
勝ち上がったのは本当に、来てくれた人のおかげですからね。遠いところから来てくれた人もいっぱいいるんですよ。そういう人はちゃんとワンマンライヴにも来てもらいたいな(笑)。

冨塚
佐藤さん、話の終着点がおかしくなってますよ。感謝からちょっと(笑)。

佐藤
(笑)。ここぞ!という時に応援してくれる人がいっぱいいたのは感謝しかないですよね。それは本当に嬉しかったです。

--ワンマンライヴにも来てほしいとおっしゃいましたが、SaToMansion、BOYS END SWING GIRLはともに、近々ワンマンライヴの予定があるんですよね。まずSaToMansionが3月10日に“佐藤の日2018”と銘打って、代官山UNITで東京初ワンマンを開催するわけですが。

佐藤
ファイナルステージの出場が決まった時、そこで勝っても負けてもその次が大事だと考えていたので、腹を括ってワンマンをやることにしました。佐藤さんは無料になる“佐藤の日”は今年からずっと続けていこうと思うんですけど、続けていって恒例のイベントとして定着させたいですね。

--どんなライヴになりそうですか?

佐藤
長尺のセットリストを作るのが今から楽しみです。いろいろなストーリーをつないでいけるっていうか、長尺のライヴなのでいいものを観せられる自信があるんですよ。30~40分のライヴとは違って、ちゃんとSaToMansionらしい世界観のあるライヴになると思います。そこは僕らも楽しみですし、お客さんにも楽しんでもらいたいです。

--そして、BOYS END SWING GIRLは4月20日にShibuya eggmanで“from: youth”と題したワンマンを開催します。

冨塚
2018年も頑張ろうぜ、ワンマンやりたいからやっちゃうぞワンマン”です(笑)。去年の5月からワンマンはずっとやってなくて。去年11月のリリースツアーの最後もワンマンでやろうと思ったんですけど、『ROAD TO EX 2017』のファイナルステージが同じ頃にあって企画ライヴにしたので、その代わりにみんなお待たせってことでやることにしました。

--といっても4月なので、まだ何も考えてないと思うんですけど。

冨塚
もうセトリは考えました。MCも今、考えてます。

佐藤
早っ(笑)。

冨塚
準備は入念にやるタイプなんで(笑)。これまでワンマンは2回やっているんですけど、どっちもリリースツアーのファイナルだったんですよ。だから、その時はリリースしたCDの曲をいっぱいやったんですよね。でも、今回はリリースに縛られていないのでいろいろなことができるんじゃないかなってところが楽しみです。タイトルの“youth”って青春時代じゃないですか。僕たちは青春ロックバンドを掲げてずっとやってきたので、初期から最近までの曲をごちゃ混ぜにして一番いいものを作ろうと考えています。

--SaToMansionもそういうセットリストになるんじゃないですか?

佐藤
僕らはまだフルアルバムを1枚しか出していないから、そこからは間違いなく全曲やります(笑)。あと、僕が弾き語りライヴでしかやっていない曲もバンドでやると思いますし、新曲をいっぱい練習していて、それの初披露の場にもなるのかなという気もしていますし。そこも楽しみですね。

冨塚
僕らもひょっとしたら新曲をやるかもしれないです。今、名曲を一生懸命書いているところです(笑)。僕ら、30~40分のライヴではバラードってやらないんですけど、実は自分の強みはバラードだと思っているので、そういう曲もワンマンならできると思うんですよ。普段できないセトリとMCでワンマンでしか観せられないものを考えているところです。

--BOYS END SWING GIRLは2月24日、渋谷で開催されるディスクガレージ主催のサーキットイベント『MUSIC MONSTERS 2018』にも出演するそうですね?

冨塚
ずっと出たかったんですよ。『MUSIC MONSTERS』は出られたらひとつ上がれるぞっていうステップだと思っていたので嬉しいです。サーキットイベントだから僕らを初めて観る人も多いと思うので、そこでどうやって観せるか?っていうのを考えているんですけど、そこは『ROAD TO EX』とつながっているところもあると思うので、すごく楽しみです。

佐藤
いいなぁ。次回はSaToMansionも出られるよう頑張ります!


取材:山口智男

<ライヴ情報>
■BOYS END SWING GIRL
『MUSIC MONSTERS 2018 -winter-』
2/24(土)
会場:TSUTAYA O-EAST・TSUTAYA O-WEST・duo MUSIC EXCHANGE、TSUTAYA O-Crest・TSUTAYA O-nest

『BOYS END SWING GIRL ONE-MAN LIVE “from:youth”』
4/20(金) 東京・Shibuya eggman

■SaToMansion
『「佐藤の日 2018」〜東京初ワンマン〜』
3/10(土) 東京・代官山UNIT

『ROAD TO EX 2018』
First Stage
3/24(土) 東京・TSUTAYA O-nest
出演:Omoinotake、GOOD BYE APRIL、パステル、VOI SQUARE CAT

BOYS END SWING GIRL:千葉県成田市発、全員22歳の“全年齢・全感情対象型”ロックバンド。Vo.冨塚の透き通りながらも力強い歌声を武器に、地元千葉から全国、果ては世界を目指して活動中。2016年9月に結成6年目にして初の全国リリース。完全自主制作HPや自主レーベル『NazcaRecords』の設立、ロンドンでのライヴ敢行など精力的に駆る同。2017年、『ROAD TO EX 2017』を戦い抜き、およそ100組の中から見事優勝を果たした。2018年4月20日にはShibuya eggmanにてワンマンライヴを開催する。
https://www.besg.jp/

SaToMansion:日本で唯一の四兄弟四人組ロックバンド。岩手県二戸市出身。それぞれの音楽活動を経て、2015年11月に東京にて結成。2017年、テレビ朝日主催『ROAD TO EX 2017』に参加し、およそ100組の応募の中から3組に選出されるも11月の恵比寿LIQUID ROOMでのFinal Stageで惜しくも破れる。同年11月に結成2周年初ワンマンを地元の岩手県、盛岡CLUB CHANGEで開催すると、ソールドアウトと大成功を収める。2018年3月10日には“佐藤の日 2018”と称した代官山UNITでの東京初ワンマンを予定している。
http://satomansion.com/



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