2022-08-08
DEZERT、3daysのコンセプトライヴ「Study」の初日公演ライヴレポ
8年前の服を引っ張り出してきてシワくちゃのまま“ただ着る”のと、8年が経ったうえでも今の自分に似合うようにメンテナンスを施したうえで“着こなすことが出来る”のは、当然ながら似て非なることだ。
DEZERTがこの8月にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて集中開催しているシリーズライヴ「study」は、彼らがこれまでに発表してきた過去のアルバムについて補習するための場となり、このたび8月3日に[「study」#9 -真夏の“タイトルなし”補習編-]と題して行われた公演は、2014年11月に世へ放たれたアルバム『タイトルなし』の世界を今この機に具現化していくという、今となってはなかなかに貴重な場とあいなった。
「みなさん、お久しぶりです。[「study」#9] へようこそ。「study」自体は2019年以来ではありますが、これは100回を目指してやってるんで、多分100回目は東京ドームかな(笑)。
俺らとしては今回ここを踏み台にしつつ、次はどこでやろうかなとも思っているんですけど、とにかく未来に繋いでいくライヴにしたいので、今日は気持ちを込めて『タイトルなし』の曲たちをやらせてもらいます。
“study”の皆さんも、いろんなことを持ち帰っていってください」(千秋)
まずはアルバムの曲順通りに「----」からスタートし、そこから「「殺意」」や「胃潰瘍とルソーの錯覚」といった『タイトルなし』の収録曲たち、それ以外にも「包丁の正しい使い方~実行編~」、2013年発表のアルバム『特製・脳味噌絶倫スープ〜生クリーム仕立て〜』に収録されていた「飼育部屋」など、いわゆる初期の楽曲たちが惜しげもなく披露されていったこのライヴは、古参のコアファンにとってはもちろんのこと、近年になってDEZERTのことを知ったファンにとっても、神セトリな内容になっていたと言えよう。
この酷暑の中ではあったものの、DEZERTの開催した夏季補習に我々が参加した甲斐は確実にあったことになる。
「今やった「飼育部屋」って、実は初ワンマンの池袋BlackHole(2012年9月16日に行われた[DEZERT 1周年記念 1st ONE MAN LIVE「眩暈が溶けた部屋」])で配ってるんですよ。
今でも持ってる人っている?売ったっていう人もいるのかな?おい、いるのかよ!。
まぁ、いいや(笑)。俺たちの無配の歴史ってあるからね。2015年のO-WESTで「変」、O-EASTで「異常な階段」、赤坂BLITZで「追落」を配ってるんだっけ。今思うと「異常な階段」あたりまではタイトルがヤバいよね。
そして、久しぶりに聴きなおしてみると詞で人を殺しすぎ(笑)。親も2回くらい殺しちゃってて、ほんとに申し訳ない(苦笑)」(千秋)
確かに、かつてのDEZERTは曲タイトルといい、歌詞の内容といい、やたらと殺伐とした空気感を漂わせていたところがあり、それも彼らのことを語る上では重要なファクターではあったのは間違いない。
ただ、その一方で曲によっては当時から普遍的なメロディが活かされていたり、一見グロテスクにも感じられる歌詞表現の中に深いメッセージが託されていたケースもままあったわけで、結果として今回の[「study」#9 -真夏の“タイトルなし”補習編-]では、そうしたDEZERTの三つ子の魂をさまざまな面から感じることが出来たライヴだったのではないかと思うのだ。
中でも、今回のライヴで本編中盤にて披露された「さぁミルクを飲みましょう。」はとても象徴的な1曲となっており、オリジナル音源では〈いつか心の底からキレイ事をいえる力をください〉と歌われていたくだりが、この夜のステージ上では〈いつか僕らの歌が誰かを救えたらいいのに〉とヴォーカリスト・千秋によって歌い替えられる一幕がはさまれることに。
そのたった1節の違いがもたらしていた変化は、この8年の間にDEZERTが三つ子から大きく成長したことを物語っていたことになるはずで、以前であれば半ばタナボタ的に力をくださいと他者に願い依存していた幼児が、今や自らの力を信じることで自己肯定が出来るようなひとりの人間へと成長していたという事実からは、ある種の深い感慨を得ることが出来たほど。
また、各楽器隊における表現力も当時の音源と今現在のライヴパフォーマンスの内容ではそのクオリティを比べるまでもなく、バンドサウンド自体に力強い推進力を与えていた「「軽蔑」」でのSORAの頼もしいドラミングにしても、性急なリズムの中でもドラマティックなフレーズを精緻に奏でていた「脳姦少年」でのMiyakoのギタープレイ、アヴァンギャルドな曲展開の中でますます安定したスラップを聴かせていた「肋骨少女」でのSacchanの指さばきと、2022年型のライヴバンド・DEZERTにはもはや隙というものが見当たらない。
「まぁ、このアルバムにメッセージ性なんて特になかったと思うんだよ。
ただ、やっぱり『タイトルなし』っていう部分に関しては、今でもなんかを感じるな。(中略)
原点に戻るなんていうのは最低だから、今日初めてやるというつもりでラストの1曲をお願いしますよ、DEZERTのみなさん。きみたちのことを、僕たちDEZERT4人があらためて「教育」してさしあげますよ!!」(千秋)
かくして、今宵の本編ラストを締めくくったのは「「教育」」。その後、アンコールでは10月12日にシングル『The Walker』を発表することや、2023年1月に東名阪ツアーを開催するとの告知がなされ、そのうえで「Ghost」や「大塚ヘッドロック」、
さらには久々の「チョコレートクリームチェーンソー」なども演奏し、本来であれば最後は「doze.」で終わる予定ではあったようなのだが…
「…俺はもう1回「「殺意」」をやる!だってまだ力残ってるもん!!」
と千秋が独断で今一度の「「殺意」」をブっ込み、場内に居合わせたファンの多くが今宵イチの激しいヘドバンを繰り広げると、ようやく今年の夏季補習第1弾は終わりをみることになったのだった。
なお、今回の[「study」#9 -真夏の“タイトルなし”補習編-]では千秋の提案により、アルバム『タイトルなし』の最後に収録されているインスト曲「-26時の冷凍庫-」については、観客が規制退場をしていくBGMとしてSacchanが鍵盤を生演奏をするという企画が採用され、本当に最前列の観客が退場するまでSacchanが淡々とプレイしていたこともここに付記しておきたい。
こんなにもケアの行き届いた夏季補習は、そうないのではないかと思われる。
いずれにしても、今回こうして8年前の服たちを今に映えるものとして颯爽と着こなしてみせた彼らの鮮やかな手腕には唸らせられたところが多かったわけで、こうなってくると次回8月9日に開催される[[study」#10 -真夏の“最高の食卓”補習編-]にも参じないわけにはいくまい。
今もって名盤と名高い『最高の食卓』を、現在のDEZERTがどう描きだすのか。それについても、また別途お伝えしていくこととしよう。
PHOTO:西槇太一
TEXT:杉江由紀
「study」#9 -真夏の“タイトルなし”補習編-
2022年8月3日(水)SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
<SETLIST>
01 ----
02 「殺意」
03 infection
04 胃潰瘍とルソーの錯覚
05 包丁の正しい使い方~実行編~
06 飼育部屋
07 「告白」
08 さぁミルクを飲みましょう。
09 「軽蔑」
10 メリーさんの自殺未遂
11 脳姦少年
12 肋骨少女
13 「秘密」
14 「教育」
En1 Ghost
En2 大塚ヘッドロック
En3 チョコレートクリームチェーンソー
En4 doze.
En5 「殺意」
≪DEZERT最新リリース情報≫
■NEW SINGLE 「The Walker」 2022年10月12日(水)発売
<初回限定盤(CD+DVD)> DCCL-245〜246 / 2,750円(税込)
<通常盤(CD)> DCCL-247 / 1,650円(税込)
【CD】※初回限定盤/通常盤共通
1. The Walker
2. あの風の向こうへ
3. モンテーニュの黒い朝食
4. The Walker (instrumental)
5. あの風の向こうへ (instrumental)
6. モンテーニュの黒い朝食 (instrumental)
【初回限定盤特典】
・特典DVD付
The Walker Music Video -Director's Cut ver-
The Walker Music Video -Behind the Scenes-
「神経と重力」Live Video at 日本武道館 (JACK IN THE BOX 2021)
・初回盤仕様ジャケットデザイン
・トレーディングカード 3枚入り(ランダム封入)
【通常盤特典】
・トレーディングカード1枚入り(初回プレスのみ。ランダム封入)
※トレーディングカードの絵柄は選べません。(全10種類)
CDの予約はこちら:https://DEZERT.lnk.to/lkh8oX
≪DEZERT最新ライヴ情報≫
■2023年 東名阪ツアー
2023年1月7日(土)なんばHatch
2023年1月9日(月・祝)名古屋 DIAMOND HALL
2023年1月14日(土) TOKYO DOME CITY HALL
※詳細は後日発表
■「study」※SOLD OUT
「study」#9 -真夏の“タイトルなし”補習編- 2022年8月3日(水) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
「study」#10 -真夏の“最高の食卓”補習編- 2022年8月9日(火) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE OPEN 18:30 / START 19:00
「study」#11 -真夏の“TODAY”補習編- 2022年8月17日(水)SHIBUYA PLEASURE PLEASURE OPEN 18:30 / START 19:00
≪オフィシャルファンクラブ情報≫
DEZERTオフィシャルファンクラブ「ひまわり会」 詳細はこちらhttps://www.dezert.jp/
DEZERTオフィシャルサイトhttp://www.dezert.jp
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